エネルギー安全保障
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)第5回総会



1.会議概要
(1)1月17日及び18日,アラブ首長国連邦アブダビにおいて,国際再生可能エネルギー機関(IRENA)第5回総会が開催された。日本は,今次総会の議長国をつとめ,宮沢経済産業大臣及び中山外務副大臣が共同議長として議事進行を行った。
(2) 冒頭,議長就任挨拶において,宮沢経済産業大臣からは,今後,世界的に再生可能エネルギーの本格的な導入が進む中,IRENAの更なるリーダーシップ発揮への期待を述べるとともに,世界の再生可能エネルギーの普及・拡大に向けた先進的な技術開発を通じた日本の貢献について表明し,今次総会での活発な議論を呼びかけた(宮沢経済産業大臣 議長就任挨拶(PDF))。また,中山外務副大臣から,世界の再生可能エネルギー普及に向けた日本の取組強化の姿勢を表明するとともに,本年の第7回太平洋・島サミットや来年の次回アフリカ開発会議を見据えて,研修やセミナーの開催等を通じた太平洋島嶼国・アフリカへの協力を進めていく旨述べた(中山外務副大臣による冒頭議長就任挨拶(PDF)
)。
(3)IRENAの年次活動報告に係る議題においては,中山外務副大臣から,過去5年間で総額27億ドルに上るODAを通じた再生可能エネルギー普及支援を含む,日本の本分野での貢献の実績を日本政府の代表として紹介した(中山外務副大臣によるステートメント(PDF))。
(4)気候変動と再生可能エネルギーに係る議題においては,関環境省地球環境審議官から,国連気候サミットで発表した貢献策,再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取組等の紹介を行うとともに,特にアジア太平洋島嶼国の行政官を対象とした人材育成研修を継続する意向を表明した(関環境省地球環境審議官によるステートメント(PDF))。
(5)本総会において,アミンIRENA事務局長の再任が承認されるとともに,日本を含む21カ国が次期理事国(2015~17年)に選出された。
(6)2016年1月16日及び17日に開催される第6回総会の議長にエジプトが,副議長にバングラデシュ,キューバ,モーリシャス及びスウェーデンが指名された。
2.評価
(1)日本は今次総会議長を務めることで,再生可能エネルギー分野における国際協力のリーダーシップを発揮するとともに,IRENAのホスト国であるアラブ首長国連邦との包括的な二国間関係の強化に弾みをつけることができた。
(2)特に,今次総会においては,本年の第7回太平洋・島サミットや来年の次回アフリカ開発会議を見据えた太平洋島嶼国・アフリカへの協力の強化やIRENAとの連携・協力の促進を含む,再生可能エネルギーの普及・促進に向けた日本の貢献や協力の方向性を示すことができた。
(3)また,今次総会には,外務省,農林水産省,経済産業省,環境省からなる政府代表団が参加したことにより,オールジャパンとして再生可能エネルギー分野の協力を進めていくという,積極的な姿勢を示すことができた。