エネルギー安全保障
「国際再生可能エネルギー機関(IRENA)へのJPO派遣に関する協力覚書への署名式」におけるアドナン・アミンIRENA事務局長スピーチ
(2018年1月14日 於:アブダビ)
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)第8回総会の2日目(2018年1月14日)に先立って行われた,河野外務大臣とアミンIRENA事務局長との会談後,河野大臣立ち会いの下,アミン事務局長と藤木駐アラブ首長国連邦大使との間でIRENAへのジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)派遣に関する協力覚書への署名式が行われました。その際のアミン事務局長によるスピーチの仮訳は以下のとおりです。
河野太郎外務大臣閣下,
藤木完治大使閣下,
ご列席の皆様,
まず初めに,IRENAの最も重要な年次会合である総会への河野太郎閣下のご出席に心より御礼申し上げます。先ほど河野大臣御自身からも言及があったとおり,河野大臣はIRENA総会にご出席された初の日本の外務大臣です。また,我々と日本との強固な連携を示す絶好の一例となる,IRENAへのJPO派遣に関する協力覚書への署名式を本日開催できることを喜ばしく思います。
2010年の加盟以降,日本はあらゆるレベルで我々の活動に精力的に参加しています。日本が積極的にその技術と経験を展開することにより,IRENAの活動と再生可能エネルギーをめぐる世界的な議論は強化されてきました。IRENAの成功は長きにわたる日本の精力的かつ継続的な支援によって支えられてきたと言えるでしょう。とりわけ,我々の調査活動を進展させ,能力開発活動を支援し,知識共有体制を強化する一助となった日本の寛大な自発的貢献に,私は感謝の意を述べたいと思います。外務省,経済産業省,我々のバイオマス分野の活動を支援いただいている農林水産省,そして環境省を含む様々な省庁と多角的な取り組みができていることは私にとって非常に喜ばしいことであります。
日本は国際協力推進を牽引するとともに先見の明を発揮しており,河野大臣は国際舞台で日本の意見や将来像を発信することで,このリーダーシップを体現しておられます。
本日,この覚書に署名することでIRENAと日本の関係がさらに強化されることに我々は胸を躍らせています。任務遂行にあたり加盟国の豊富な専門知識を一層活用することは,IRENAの新中期戦略(2018年~2022年)の重要な柱の一つであり,そうした戦略がこのJPO覚書により,既に実行され始めていることを大変嬉しく思います。
JPOプログラムは,若手専門家が国際的な水準で再生可能エネルギー分野で関連職務経験を積むためのまたとない機会です。同時に,彼らが気候変動への対処,持続可能な開発目標の達成,経済成長と雇用の促進といった点で再生可能エネルギーの有益な可能性の実現を支援すべく能力を発揮する中で,IRENAに彼らの創造力や熱意がもたらされるでしょう。
JPOプログラムによって派遣されるこれらの専門家は,既にその貢献が高く評価されている3名のIRENAにおける日本人職員に加わることとなります。我々は,世界的なエネルギー転換を加速させる取り組みに参加いただける日本からの若手専門家をお迎えするのを非常に心待ちにしております。IRENAは日本のあらゆる支援に深く感謝しており,河野太郎大臣立ち会いの下,本日藤木完治大使と覚書を締結できることは私にとって大きな喜びです。
最後になりますが,過去私は日本を訪れ,日本が持つイノベーションと技術力及び国際協力への強力なコミットメントに感銘を受けました。そうした協力を拡大していくことは持続可能なエネルギーの未来への移行を促進する上で不可欠なことです。近い将来再び日本を訪れることを楽しみにしております。
ありがとうございました。