G20(金融・世界経済に関する首脳会合)
南アフリカ議長下での第2回G20外相会合(概要)
令和7年9月25日


現地時間9月25日午前10時20分(日本時間同日午後11時20分)から、米国・ニューヨークの国連本部にてG20外相会合が開催されたところ、概要は以下のとおりです(G20メンバー及び招待国の外相、国際機関の代表等が出席。日本からは岩屋毅外務大臣が出席。)。
- 今次会合は、「80周年を迎える国連-持続可能な経済発展への道としての平和の再確認」を議題として、G20メンバー、招待国・国際機関に加え、全ての国連加盟国に開かれた形で開催されました。オープニング・セッションにおいてマタメラ・シリル・ラマポーザ・南アフリカ共和国大統領(H.E. Mr. Matamela Cyril Ramaphosa, President of the Republic of South Africa)等が発言した後、G20メンバー及び招待国の外相、国際機関の代表等が発言を行い、平和と持続可能な経済発展の相互関係や、グローバルな諸課題の解決に向けたG20の取組と国連等との連携強化等を中心に議論が行われました。
- 岩屋大臣からは概要以下を述べました。
- 冒頭
現在、国際社会は、ロシアによるウクライナ侵略を始めとする法の支配に対する大きな挑戦や、地球規模課題などによる複合的な危機に直面している。このような中、分断と対立ではなく、対話と協調によって共通点と一致点を見出し、全てのメンバーが責任を共有した形で、課題解決を主導していく必要がある。 - 地球規模課題に対する日本の取組
本日のテーマでもある平和と持続可能な開発は、日本が特に重視して取り組んできた分野。日本は、「人間の安全保障」の理念の下、貧困、災害、感染症、気候変動といった地球規模課題の解決のための国際的な取組を主導してきた。さらに、複合的な危機の時代では、(1)食料、エネルギー、経済安全保障など経済社会の自律性及び強靱性の強化、(2)質の高いインフラ整備、(3)デジタルといった分野における取組を通じた、時代に即した「質の高い成長」の実現がますます重要。本年、国連におけるSDGsに関する自発的国家レビューでも発表したとおり、日本は、少子高齢化、災害等の課題への知見を「課題先進国」として国際社会と共有し、2030年以降も踏まえ、各国と共に歩んでいきたい。 - G20における日本の重点分野
日本は、G20議長国である南アフリカが掲げる優先課題のうち、特に防災、重要鉱物、債務問題を重視している。防災については、多くの災害に苛まれる中で培った知恵や技術を国際社会と共有し、激甚化し、頻発化する災害のリスク削減と対応の強化に貢献していく。重要鉱物については、サプライチェーンの強靱化を通じた安定供給に向け、労働基準を遵守し、贈賄・腐敗防止措置を確保し、環境にも配慮する形で、責任ある重要鉱物サプライチェーンの構築に繋がる取組などを進めていく。途上国の持続可能な開発のためには、各国が直面する債務問題への対応も急務であり、G20「共通枠組」のプロセス迅速化、債務透明性の一層の確保、民間資金動員も重要。 - アフリカとの連携
史上初めてアフリカでG20サミットが行われる本年、アフリカとの連携も重要。日本は8月にTICAD9を主催し、民間主導の持続的な成長、若者・女性、地域統合・域内外の連結性に焦点を当てた。具体的な取組をアフリカと共に進めていく。 - 国連を始めとする国際機関との連携
G20の各メンバーに加え、創設80周年を迎える国連や国際機関との間でも、時代に即した実際的な解決策を共創すべく、連携を深めていきたい。 - 結語
日本として、G20ヨハネスブルグ・サミットの成功に向けて、引き続き積極的に貢献していく。
- 冒頭
(参考)今次G20外相会合の参加国・機関
- G20メンバー
日本、南アフリカ(議長国)、アルゼンチン、豪州、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、トルコ、英国、米国、AU(アフリカ連合)、EU(欧州連合) - 招待国
アルジェリア、エジプト、アイルランド、オランダ、ナイジェリア、ノルウェー、シンガポール、スペイン、アラブ首長国連邦 - 国際機関
国連貿易開発会議(UNCTAD)、アフリカ開発銀行(AfDB)、国際電気通信連合(ITU)、欧州評議会開発銀行(CEB)、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)、国連アフリカ経済委員会(UNECA)、赤十字国際委員会(ICRC)、経済協力開発機構(OECD)、世界銀行、国際連合食糧農業機関(FAO) - その他
国連加盟国、政府間組織の代表者及び国連専門機関の代表者が参加。