核軍縮・不拡散
弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範
(Hague Code of Conduct against Ballistic Missile Proliferation: HCOC)
(第15回総会)
平成28年6月14日
6月2日及び3日,ウィーンにおいて「弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範」(HCOC)の第15回総会が開催され,終了後にプレスリリース(英語)(PDF)が発出された。その概要は,以下のとおり。
- 2016年6月2日及び3日,ウィーンにおいて第15回HCOC総会が開催され,72か国が参加した。
- 参加国は,国内及び国際的な安全保障に関する既存の取決め,軍縮及び不拡散の目的とメカニズムを強化するためのプロセスに貢献する一方で,弾道ミサイルの拡散に対する信頼醸成と透明性のための唯一の多数国間の枠組みであるHCOCの重要性を再確認した。
- 前議長国であるカナダは,HCOCの普遍化の促進,参加国による履行強化と本規範の意識の向上のために行った過去一年間の取組を概括した。2016-2017年議長国に就任したカザフスタンは,全ての側面においてHCOCを完全かつ包括的に履行すること,及びHCOCの普遍化プロセスを前進させるためのアウトリーチ活動を強化することを,今後一年間の議長国の目標として紹介した。
- 参加国は,インドが新たに参加することになったことを歓迎した。現在,138か国がHCOCに参加している。参加国は,前議長国,関心国及びEUにより実施されたアウトリーチ活動を評価した。
- 参加国は,大量破壊兵器とその運搬手段の拡散を防止すること並びに特に宇宙打上機及び弾道ミサイルの能力を有する国々によるHCOCへの新規参加を奨励することについての継続的な必要性を強調した。
- 参加国は,世界の様々な地域において,国際社会の深刻な懸念となっている大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散による国際の平和と安全に対する脅威を再確認した。この関連で,今次総会における議論の中で2015年から2016年における北朝鮮の弾道ミサイル発射に対して国連安保理がその決議第2270号により対処したことが留意された。
- 参加国は,平和目的で宇宙を利用する権利も再確認した。本規範に規定されているように,国際的な規範及び義務に違反して国々において如何なる弾道ミサイル計画に貢献し,支援することのないように,宇宙打上げ機計画への支援に当たり必要な警戒を払う必要性が強調された。
- 参加国は,極めて高い重要度を有するHCOCの普遍化のための取組への支援を継続することに合意した。参加国は,第71回国連総会の場においてHCOCに関する決議の採択を促進させることについて合意した。
- 参加国は,特に事前発射通報及び年次報告のタイムリーな提出に関し,HCOCの完全な履行の重要性を強調するとともに,この分野における行動改善の奨励及び達成への意図を表明した。
- 参加国は,ミサイル技術管理レジーム(MTCR)の議長から,MTCRの業務についてブリーフィングを受け,国連軍縮部(UNODA)からは,「軍縮不拡散教育パートナーシップ」の下で行われている教材の開発について,プレゼンテーションを受けた。