核軍縮・不拡散

平成27年2月20日

 本年2月17日~19日,東京において,39か国・地域・機関から約160人の参加を得て,第22回アジア輸出管理セミナーが経済産業省及び外務省の協力の下で一般財団法人安全保障貿易情報センター(CISTEC)の主催により開催された。

1 セミナー開催の背景

  • (1)アジア諸国・地域,特にASEAN諸国においては,経済発展に伴い,大量破壊兵器の開発に転用可能な物資・技術の生産能力を獲得してきていることに加え,中継貿易地として発展を遂げているところもあり,これらの国・地域が拡散者による違法な調達活動に意図せずして関わる危険性が高まっている。
  • (2)本セミナーは,このような状況の中,アジア地域の不拡散体制を整備していくためにはこれら諸国・地域の協力が必要不可欠との認識の下に1993年から毎年開催されており(今回で22回目),アジア地域の輸出管理当局者が集まるセミナーとしては最大規模。人的ネットワークを拡大しつつ,輸出管理の重要性に対するアジア諸国・地域の共通認識を高め,その輸出管理制度を強化することにより,アジア地域及び国際的な不拡散への取組の強化に資することを目的としている。

2 今次セミナーの概要

  • (1)今次セミナーでは,各国・地域の代表に加え,4の国際輸出管理レジーム,ASEAN事務局,EU,金融活動作業部会(FATF),国連安保理1874委員会及び同1929委員会専門家パネル,世界税関機構(WCO)といった国際機関や,東北大学,拓殖大学,米国ニューヨーク州立大学,米国ジョージア大学等の学界の参加も得て,これらの関係者との間でも有意義な情報交換が行われた。
  • (2)我が国,米国及びマレーシアの輸出管理当局の代表者並びに民間有識者によるパネルディスカッションが行われ,拡散懸念主体,規制品目・技術及び調達ルートの多様化といった新たな課題への対策,新興国・途上国へのアウトリーチの必要性等について議論が行われた。
  • (3)さらに,ア 輸出管理の法制化,イ 輸出審査の課題,ウ 執行上の課題というテーマに焦点を当て,各国の取組や課題について参加者同士の活発な議論が行われ,ベストプラクティスの共有や参加者同士の人的ネットワークの強化につながった。
  • (4)今次セミナーは,アジア地域において輸出管理の重要性に関する認識を一層高めるとともに,参加者の間での知見の共有や意見交換を通じて,アジア地域における輸出管理の協力を進める重要な機会となった。今後とも,我が国として,アジア諸国・地域に対する働きかけを継続していく方針である。

3 参加国・地域・機関

 豪,バングラデシュ,カンボジア,カナダ,中国,仏,独,香港,インド,韓国,ラオス,マレーシア,モンゴル,パキスタン,フィリピン,シンガポール,スリランカ,台湾,トルコ,UAE,英国,米国,ベトナム,ASEAN事務局,EU,金融活動作業部会(FATF),国連安保理1874委員会及び1929委員会専門家パネル,原子力供給国グループ(NSG),オーストラリア・グループ(AG),ミサイル技術管理レジーム(MTCR),ワッセナー・アレンジメント(WA),世界税関機関(WCO),米国ジョージア大学,米国ニューヨーク州立大学,米国ワシントン大学,米国モントレー国際大学院,東北大学,拓殖大学,日本


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