核軍縮・不拡散
ワッセナー・アレンジメント第20回総会
2014年12月2~3日、ウィーンにおいてワッセナー・アレンジメント(WA)(注1)の第20回総会が開催されたところ、同総会の後に発出された報道機関向け資料の主要点は以下のとおり。
1 総論
WAは、通常兵器及び関連汎用品・技術の移転における透明性とより大きな責任を促し、不安定化をもたらす通常兵器の蓄積を防止することにより、国際及び地域の安定と安全に貢献する努力を2014年も継続した。WA参加国は、技術、研究等の進歩に対応していくため、懸念のある新興技術への対処を含め,新たな課題に対処すべく更なる取組を行っていくことに合意した。
2 規制リストの改正等
WA参加国は、宇宙関連機器(カテゴリー9),フライバイワイヤ/フライバイライトシステムに関する技術(カテゴリー7)を含む多くの分野において,新たな輸出管理に合意した。また,工作機械(カテゴリー2)、軍事用の光学機器及びファイバーレーザーの部品(カテゴリー6)の規制に関する文言について,実質的な見直しが行われた。さらに,いくつかのカテゴリーにおける重要な再検討の結果,船舶(カテゴリー8)に関する実態と合わなくなった古い規制の削除,無人航空機(カテゴリー9)に関する規制の改訂が行われた。また,半導体製造装置(カテゴリー3),ネットワークの管理,運用及び維持に関する特別な情報保全機能を有する通信機器(カテゴリー5パート2)を含む多くの分野において,規制の緩和が行われた。
3 アウトリーチ活動の継続等
WAは、複数の非参加国に対し、規制リストの改訂について説明を行う強化された技術ブリーフを2015年も継続して実施するとともに、原子力供給国グループ(NSG)との間で規制リストに関する非公式の交流を継続する。WA事務局は、武器貿易条約(ATT)が近く発効することを踏まえ、引き続き、ATTに関する国際的な協力にWAが貢献する機会を追求する。
WAは、2014年7月に採択された最終需要者証明に関する新たな指針文書に加え、WAへの新規参加申請国のための指針文書に合意した。これらの文書その他の主要な文書は,WAのウェブサイトで閲覧が可能である。(注2)
4 今後の予定
次回のWA総会は、2015年12月にウィーンで開催される。2015年においては、スペインが総会議長を務める。