核軍縮・不拡散
グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長の訪日(結果)
ラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長(H.E. Mr. Rafael Mariano Grossi, Director General of the International Atomic Energy Agency)は、7月4日から7月7日まで外務省賓客として訪日し、岸田総理大臣への表敬、林外務大臣との会談をはじめ、我が国政府要人との会談等を行ったほか、福島県では東京電力福島第一原子力発電所の視察及び廃炉・汚染水・処理水対策福島評議会の参加者との意見交換、青森県では日本原燃及び量子科学技術研究開発機構(QST)六ヶ所研究所の視察等を実施しました。概要は以下のとおりです。
1 政府関係者との会談
(1)岸田総理大臣表敬(7月4日)
(3)関係閣僚等との会談(7月4日)
西村経済産業大臣との会談では、今後とも、ALPS処理水の海洋放出に関して、必要な情報共有を継続するとともに、IAEAの包括報告書の内容を踏まえて、国際社会に対して高い透明性をもって科学的根拠に基づく説明を行っていくことを確認しました。
また、山中原子力規制委員会委員長との会談では、我が国の原子力規制及び保障措置活動、また今般発出されたALPS処理水の海洋放出に関するIAEAの包括報告書等について意見交換を行いました。
2 東京電力福島第一原発の視察
7月5日、グロッシーIAEA事務局長は、東京電力福島第一原発の視察を行いました。グロッシーIAEA事務局長は、福島第一原発構内においてIAEA現地事務所を立ち上げたほか、ALPS処理水海洋放出設備及びALPS処理水海洋放出口付近の視察を行いました。また、同日午前には、福島県内において廃炉・汚染水・処理水対策福島評議会に出席し、地元参加者と意見交換を行いました。
3 日本原燃及び量子科学技術研究開発機構(QST)六ヶ所研究所の視察
7月6日、グロッシーIAEA事務局長は、日本原燃及び量子科学技術研究開発機構(QST)六ヶ所研究所の視察を行いました。日本原燃では、ウラン濃縮工場、再処理工場、我が国とIAEAが共同で運用する再処理工場内のオンサイト・ラボ等を視察し、これらの事業にかかる同社の取組について説明を受けました。また、現在建設中のMOX燃料工場も視察し、同施設の稼働に向けた工程や展望についても説明を受けました。
QST六ヶ所研究所では、日本と欧州各国が協力して設計・製作した国際核融合材料照射施設の加速器(プロトタイプ)や、ブランケット研究開発に関する施設等を視察し、日本における核融合研究の現状及び核融合を巡る国際的動向について説明を受けました。
4 日本企業向け講演会
7月7日、グロッシーIAEA事務局長は、日本原子力産業協会及び日本経済団体連合会共催による日本企業向け講演会にて、がんの放射線治療やプラスチック問題への対応等にかかるIAEA の最近の活動や、SDGsや気候変動問題における原子力の役割に関する紹介を行いました。
5 日本記者クラブでの記者会見
7月4日及び7日、グロッシーIAEA事務局長は、日本記者クラブにおいて、国内外のメディアに対し、IAEAの包括報告書を含むALPS処理水に関するIAEAの活動や訪日結果について説明し、その後、質疑応答が行われました。