核軍縮・不拡散
第9回包括的核実験禁止条約(CTBT)フレンズ外相会合



9月27日,ニューヨークの国連本部において,河野太郎外務大臣及びペイン豪州外務大臣の共同議長の下,第9回包括的核実験禁止条約(CTBT)フレンズ外相会合が開催されたところ,概要以下のとおり。
1 概要

(1)CTBT共催国であるフレンズ・メンバー国(日本,豪州,オランダ,ドイツ,カナダ,フィンランド)及びCTBT発効促進共同調整国であるベルギー及びイラクを含め,約70か国が参加(このうち約30か国は外相)。
(2)共同議長の河野外務大臣の開会挨拶(骨子(PDF)/英文(PDF)
)に続いて,グテーレス国連事務総長のビデオメッセージが上映され,同条約の早期発効を実現すべき旨呼びかけた。その後,ゼルボCTBT機関事務局長,フレンズ国のソイニ・フィンランド外務大臣,ブロック蘭外務大臣に加え,ジャアファリー・イラク外務大臣,レンデルス・ベルギー外務・欧州問題担当大臣,ウィラサック・タイ外務副大臣,モゲリーニ欧州連合外務・安全保障政策上級代表等がステートメントを行った。多くの国がCTBTの発効促進,普遍化及び検証体制整備の重要性を強調したほか,残りの発効要件国,特に北朝鮮に対してCTBT署名・批准を求める発言も見られた。また,タイがCTBTを批准し,ツバルが署名した(これにより、CTBTの批准国は167,署名国は184となる。)。
(3)最後に,ペイン豪州外相が共同議長として閣僚共同声明(骨子(PDF) /英文(PDF)
)を採択した上で閉会のステートメントを行い終了した。
2 評価
(1)約30か国から外相が参加するなどCTBT早期発効に向けた幅広い国からの政治ハイレベルのコミットメントを確認できた。また,この機会に新たに2か国が批准又は署名を表明するなどCTBT早期発効の機運を高めることができた。
(2)国際社会として,CTBTの発効促進,普遍化,検証体制強化に加え,残りの発効要件国,特に北朝鮮のCTBT署名・批准を求める意志が改めて確認され,共同閣僚声明を採択することにより,同様の強いメッセージを本件フレンズ外相会合から発信することができた。
(3)核軍縮において主導的役割を果たす我が国として,フレンズ外相会合の共同議長という形でCTBTの前進に貢献した。
(参考)フレンズ外相会合
ア 本会合はCTBT発効促進会議(2年に1度。外相レベル)が開催されない年に,CTBT発効促進の機運を維持・強化するために開催され,会議の成果として閣僚共同声明を発出してきている。2002年,日豪蘭が共催国となり第1回CTBTフレンズ外相会合を開催。これまでに計8回開催。
イ CTBTフレンズとは,主に包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)の所在するウィーンを中心に,CTBT発効促進活動を調整・推進するため,日豪蘭が結成した国家グループ。現在は右3か国の他,カナダ,フィンランド,ドイツの計6か国がメンバーとなっている。