核軍縮・不拡散
包括的核実験禁止条約(CTBT)に関する安保理決議(第2310号) の採択
平成28年9月27日
9月23日(現地時間),国連安全保障理事会において,包括的核実験禁止条約(CTBT)に関する決議が賛成14,反対0,棄権1(エジプト)で採択された(日本を含む42か国が共同提案国。)。本決議のポイントは以下のとおり。
- CTBTの早期発効の重要性及び緊急性を強調。(前文パラ10)
- 未署名国及び未批准国(特に発効要件国)による遅滞ないCTBTへの署名又は批准を慫慂。(主文パラ1)
- 全署名国によるCTBTの普遍化及び早期発効の促進を奨励。(主文パラ2)
- 核兵器不拡散条約(NPT)上の非核兵器国に対し核兵器の使用に関する安全保証を与えた安保理決議984における5核兵器国による宣言を想起し,そのような安全保証が核不拡散体制を強化することを確認。(主文パラ3)
- 全ての国に対し核実験その他の核爆発の自制及び核実験モラトリアムの維持を求め,そのようなモラトリアムが,国際的な平和及び安定に貢献する責任ある国際的な行動の一例であり,継続されるべきであることを強調。核兵器の実験的爆発その他の核爆発がCTBTの趣旨及び目的を損なうこととなる旨の5核兵器国による2016年9月15日付けの共同声明に留意。(主文パラ4)
- 条約に定められた検証体制,特にIMS(国際監視制度)の整備の推進(条約の効力発生までの間試験的及び暫定的に,全てのIMS施設所在国による国際データセンターへのデータ送付を奨励,各国内のIMS施設の建設状況に関する任意の報告の歓迎,各国におけるIMS施設の建設完了を奨励,CTBTO準備委員会暫定技術事務局(PTS)に対し,この決議の採択から180日以内に,署名国からの分担金等の提供や検証体制の完成のための追加的支援について全署名国宛の報告書の提出を慫慂,等)(主文パラ5及び6)
- CTBTOの検証体制による監視・分析が,信頼醸成措置として地域的な安定に寄与し,核不拡散・軍縮体制を強化していることを認識。(主文パラ7)
- CTBTの発効が国際的な平和及び安全の強化に効果的に貢献することを確認,CTBTO準備委員会暫定技術事務局(PTS)の有用性を認識。(主文パラ8)