核軍縮・不拡散
辻外務大臣政務官のニューヨーク訪問(結果)


4月29日(月曜日),辻清人外務大臣政務官は,ニューヨークにおいて,2020年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議第3回準備委員会に出席し,一般討論演説等を実施したほか,同準備委員会議長や国際機関の要人等との会談を行いました。また,「中東情勢」に関する安保理公開討論に出席してステートメントを実施しました。概要は以下のとおりです。
- 1 2020年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議第3回準備委員会における一般討論演説
- 2 「中東情勢」に関する安保理公開討論におけるステートメント実施
- 3 2020年NPT運用検討会議第3回準備委員会における「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」サイド・イベントへの出席
- 4 サイード2020年NPT運用検討会議第3回準備委員会議長との会談
- 5 ゼルボCTBTO事務局長との会談
- 6 中満国連事務次長・軍縮担当上級代表との会談
- 7 デビッド・ハリス米国ユダヤ人委員会(AJC)理事長との意見交換
1 2020年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議第3回準備委員会における一般討論演説


29日10時45分頃,辻政務官はニューヨークで開催中の2020年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議第3回準備委員会に出席し,一般討論演説(英文(PDF))を行いました。
辻政務官は,本演説の冒頭において,2020年は,NPT発効50周年に加えて,核兵器が最後に使用されてから75年という節目の年であり,この重要な年に開催されるNPT運用検討会議において意義ある成果を収めることを世界が期待している旨述べました。
また,辻政務官は,我が国が主催する「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」によって取りまとめられた「京都アピール」が,安全保障環境が厳しい中でも,対話や関与を維持し,地道な取組を継続することの重要性を訴えている点を強調しつつ,同アピールの内容を紹介しました。
辻政務官は,同様に日本から第3回準備委員会にも出席している,湯﨑英彦広島県知事,松井一實広島市長,田上富久長崎市長等とも挨拶を交わしました。
2 「中東情勢」に関する安保理公開討論におけるステートメント実施

29日13時頃,辻政務官は「中東情勢」をテーマとする国連安全保障理事会公開討論に出席し,中東和平等についての日本の立場や取組についてステートメント(仮訳(PDF)/英文(PDF)
)を行いました。
辻政務官は同ステートメントの中で,イスラエルとパレスチナ国家が併存する「二国家解決」への支持を改めて表明の上,関係者間の直接対話が再開されることの重要性を強調しつつ,米国が提案する和平案がその建設的な基礎となることへの期待を表明しました。
また,辻政務官は,日本独自の取組である「平和と繁栄の回廊」構想及びその旗艦事業である「ジェリコ農産加工団地(JAIP)」や国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への支援等に言及し,我が国の貢献を強調しました。
3 2020年NPT運用検討会議第3回準備委員会における「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」サイド・イベントへの出席

4月29日14時頃,辻政務官は,2020年NPT運用検討会議第3回準備委員会において,「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」に関するサイド・イベントに出席し,開会挨拶を行いました。
辻政務官は,同挨拶において,「賢人会議」が取りまとめた「京都アピール」は,最近の核軍縮を取り巻く困難な状況への危機感を念頭に作られた示唆に富むものであり,そうした状況下で核軍縮を進めるために各国がそれぞれの立場で取り組む必要があることを示すものとして,国際社会にとって参考になることを期待している旨述べました。
また,辻政務官は,「京都アピール」の中で核兵器国による核政策等に関する説明や対話が提案されていることに言及しつつ,そうした取組は核軍縮と安全保障環境の改善の双方に資するものであり,日本としても,各国間での取組の進展を促していく考えである旨述べました。
4 サイード2020年NPT運用検討会議第3回準備委員会議長との会談

4月29日14時45分頃,辻政務官は,サイード 2020年NPT運用検討会議第3回準備委員会議長(国際連合マレーシア代表部常駐代表)との会談を行いました。
会談冒頭,辻政務官から,サイード大使の議長就任に祝意を述べた上で,今次準備委員会は2020年NPT運用検討会議の意義ある成果に向けた重要な会議であり,その成功に向けて日本政府としてサイード大使に協力を惜しまない旨述べました。その上で,「京都アピール」(PDF)を辻政務官から紹介し,核兵器国による核政策の説明や情報共有等を提案する同アピールが,国際社会にとって参考になることを期待する旨述べました。
サイード大使からは,核軍縮の進展に向けた日本のこれまでの取り組みを高く評価するとともに,賢人会議への評価及び今後の活動への高い期待が示されました。
5 ゼルボCTBTO事務局長との会談

4月29日15時50分頃,辻政務官は,ラッシーナ・ゼルボ包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会暫定技術事務局長と会談を行いました。
冒頭,辻政務官より,我が国は,核兵器国及び非核兵器国が参加する,核軍縮・不拡散の具体的な取組の一つとして,包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効を重視している旨述べました。また,辻政務官から,引き続き,第11回発効促進会議に向け,ゼルボ事務局長とともに発効促進の機運を高めていきたい旨述べました。
ゼルボ事務局長からは,日本によるCTBTの発効促進に向けた取組及び支持に対して謝意が述べられるとともに,引き続き日本と緊密に連携していきたい旨述べました。
6 中満国連事務次長・軍縮担当上級代表との会談

4月29日16時20分頃,辻政務官は,中満国連事務次長・軍縮担当上級代表と会談を行いました。
会談冒頭,辻政務官から,NPT発効50周年の節目となる2020年の運用検討会議で意義ある成果が得られるよう国連軍縮部とも協力していきたい旨述べました。
双方は,NPT運用検討会議に向けた取組を含め,軍縮・不拡散分野における様々な課題について意見交換を行い,日本と国連が今後も緊密に協力していくことで一致しました。
7 デビッド・ハリス米国ユダヤ人委員会(AJC)理事長との意見交換

4月29日8時45分頃,辻政務官は,デビッド・ハリス米国ユダヤ人委員会(AJC)理事長と意見交換を行いました。
辻政務官からは,人的交流分野をはじめとしたAJCによる日本政府との協力に謝意を表明するとともに,AJCが日本と在米ユダヤ・コミュニティとの関係強化において引き続き積極的な役割を果たすことを期待する旨述べました。
双方は,日米関係及び双方の関心事項である地域情勢等につき意見交換を行いました。