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平成18年6月12日
5月8日に貴市長から当方にご提示のありました米原子力軍艦の安全性に関する「ファクトシート」に関する質問書につき、政府としての回答を別添のとおり作成いたしましたので、ご査収願います。
従来よりご説明申し上げてきておりますとおり、本件「ファクトシート」につきましては、関係省庁の間で共有し、種々の検討を行いました。その上で、本件「ファクトシート」は、米原子力軍艦の寄港時の安全性は確保されていることを確信しているという日本政府の一貫した判断を何ら見直す必要がないことを裏付けるものであるとの判断に至りましたことを、本書簡において、改めてお伝え申し上げます。このような政府の一貫した立場につきましては、小泉総理大臣を始め、政府より、国会の場や、閣議で決定した答弁書等を通じて累次の機会に申し上げてきているところです。
5月1日にワシントンで行われました日米安全保障協議委員会(いわゆる「2+2」会合)におきましても、麻生外務大臣より、ラムズフェルド国防長官に対し、米原子力軍艦の安全について万全の対策をとるよう、また、米原子力軍艦の安全性について地元の方々の御理解を得る努力に引き続き協力するよう働きかけ、米側も引き続き協力する旨確約したところです。
政府としては、2008年に予定されている空母キティホークと空母ジョージ・ワシントンの交替を通じて我が国周辺における強固な米海軍のプレゼンスが引き続き維持されることは、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持に寄与するものと考えております。また、通常型空母が空母キティホークの後継艦となる可能性は皆無であると認識しています。同時に、政府といたしましては、米原子力軍艦の安全性に関する地元の方々の懸念を踏まえ、貴市長をはじめ地元の方々の御理解を得るための努力を今後とも惜しまない考えです。
6月2日に貴市長より頂きました米原子力軍艦の万が一の原子力災害時の対応等に関するご要請につきましては、米政府に伝達するとともに、関係省庁とも協議を実施いたしました。これを受けて、別添の討議の記録にありますとおり、6月9日に駐日米国大使館の次席公使より、災害時の相互支援協定の締結のための協議を再開したい、また、原子力防災訓練のシナリオについても地元の訓練を主催されている横須賀市を加えた協議を行いたいとの意向が伝達されました。政府としては、かかる米側の提案を受け、相互支援協定の早期締結に向けた横須賀市と米海軍の間の協議を積極的に支援するとともに、米海軍も参加して、市民の方々の安心が得られるようなシナリオの下で訓練が実施されるよう、横須賀市とともに米側との協議に臨んでまいりたいと考えております。
また、横須賀におけるモニタリングの体制の充実につきましても、関係省庁とともに、市民の不安を払拭出来るような具体的な措置をとってまいりたいと考えています。そして、米側実施のモニタリングも含め、モニタリングの結果などが市民の方々に分かり易く御理解頂けるよう、具体的に検討したいと考えています。
政府といたしましては、ご要請を踏まえ、今後とも、地元の方々の安全と安心のためにあらゆる事態に備えるとの観点から、横須賀市や米海軍との緊密な連携の下で、適切に対処していく考えです。
末尾ながら、昭和48年以降、空母ミッドウェー、インディペンデンス及びキティ・ホークの乗組員家族の我が国への居住に対し、長期にわたり横須賀市より賜っております御理解と御支援につきまして、この機会にあらためて深謝いたします。