7月23日、インドネシア・バリ島にて開催された第18回ARF閣僚会合の概要以下のとおり。
1 今次会合の意義
- (1)会合では、北朝鮮問題や南シナ海問題が主要なテーマであったが、参加国の間でこれらの問題について率直な意見交換が行われ、各国の立場につき相互に認識を深めることができた。
- (2)前日に開催されたEAS外相会合に引き続き、防災協力等の具体的協力について地域で取り組んでいくことについて参加国間で意見の一致があった。
- (3)ARF会合そのものではないが、今次会合を利用して、日米韓外相会合、日米外相会談、日韓外相会談が開催され、日米韓の連携が確認された。
2 地域情勢
主要地域情勢に関する松本外務大臣の発言のポイント以下のとおり。
(1)朝鮮半島情勢
松本大臣から、22日に行われた南北の接触について歓迎の意を表明した上で、この接触が具体的成果へつながることへの期待を表明した。また、北朝鮮に対しては、六者会合共同声明及び関連安保理決議を誠実に履行すべきこと、並びに六者会合の再開に向け北朝鮮が具体的行動を示すべきことを改めて求めた。
拉致問題については、松本大臣から、北朝鮮が2008年8月の合意を早期に実施することが重要である旨述べ、前向きな対応を求めた。(これに対し、北朝鮮から、拉致問題は解決済みであるとの発言があったところ、)松本大臣から、改めて、拉致問題は依然として未解決のままであるとの我が国の立場を明確に述べた。
(2)南シナ海
松本大臣から「南シナ海に関する行動宣言」(DOC)に関するガイドラインが中国とASEANの間で合意されたことを歓迎しつつ、今後このガイドラインが着実に履行されていくことへの期待を表明した。また、南シナ海をめぐる問題が国際法に従って主張し、解決されるべきことを指摘しつつ、我が国として、今後の南シナ海情勢について、関心を持って見守っていくことを表明した。
(3)ミャンマー
松本大臣から、菊田外務大臣政務官のミャンマー訪問に言及しつつ、最近の進展に留意するとともに、更なるミャンマー側の努力を期待する旨表明した。
3 地域協力(防災)
22日に開催されたEAS外相会議に引き続き、地域で防災協力を進めることについて意見の一致があった。東日本大震災を経験した我が国として、EASやARF等の会合を通じて防災協力において積極的な役割を果たしていく旨表明。