ASEAN(東南アジア諸国連合)

令和元年8月1日
日・ASEAN外相会議1
日・ASEAN外相会議2
日・ASEAN外相会議3

 8月1日(木曜日)午前10時頃(現地時間)から約1時間,タイ・バンコクにおいて日ASEAN外相会議が行われたところ,河野大臣の発言を中心に概要以下のとおり。なお,河野外務大臣とミン・ベトナム副首相兼外務大臣が共同議長を務めた。

1 冒頭

 冒頭,ミン・ベトナム副首相兼外務大臣から,昨年11月に発出された日ASEAN友好協力45周年を記念した共同声明に言及しながら,日ASEAN間の戦略的パートナーシップの関係を強化していきたい旨述べた。また,ミン副首相は,本年6及び7月にハノイで成功裏に開催されたASEAN-Japan Dayへの日本及びASEAN各国の貢献に謝意を表明した。

 これに対し,河野大臣は,昨年の日ASEAN友好協力45周年の機会に日ASEAN首脳が戦略的パートナーシップの強化へのコミットメントを再確認したことを想起した上で,本年5月の日ASEAN技術協力協定への署名やASEAN-Japan Dayの成功に触れながら,日ASEAN間で多くの進展が見られる旨述べた。また,河野大臣から,本年6月に日本が議長を務めたG20大阪サミットの成果を踏まえつつ,有意義な意見交換を行いたい旨述べた。

2 日ASEAN協力のレビュー及び将来の方向性

 ミン副首相は,ASEANを代表して,政治安全保障,経済協力,社会文化の各分野における日ASEAN協力の成果をレビューした上で,今後の進展への期待を表明した。特に,国際交流基金アジアセンターの活動に対する評価とともに,同センターの継続への期待が表明された。その後,ASEAN各国から,日ASEAN統合基金(JAIF)を通じたASEAN統合への支援,日本のASEAN防災人道支援調整(AHA)センター通じた防災協力,人材育成,人的交流を始めとする幅広い分野における日本によるASEAN支援について謝意とともに期待が表明された。

 これに対し,河野大臣からは,日本は,議長国タイの優先テーマ「Advancing Partnership for Sustainability」を支持する旨を述べるとともに,ASEAN連結性強化の観点から,11月の日ASEAN首脳会議において,連結性に関する日ASEAN首脳共同声明を発出したい旨発言した。また,河野大臣は,本年10月に横浜で開催予定のスマートシティ・ハイレベル会合,来年4月に京都で開催される第14回国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)について紹介した。さらに,河野大臣は,国際交流基金アジアセンターの活動実績を説明した上で,今後も交流を更に深化させるべく,ASEAN各国と議論したい旨述べた。

3 地域・国際情勢

(1)インド太平洋

 河野大臣から,ASEANにおける「インド太平洋に関するASEANアウトルック」の採択への歓迎の意を表明した上で,日本の「自由で開かれたインド太平洋」とのシナジーを追求し,国際スタンダードに則ったインフラなど様々な分野において具体的な協力を進めていきたい旨発言した。

(2)北朝鮮

 河野大臣から,北朝鮮による弾道ミサイル発射は遺憾であり, ASEAN各国とともに非核化に向けた米朝プロセスを後押ししていきたい,「瀬取り」対策を含め安保理決議の完全な履行の堅持が不可欠である旨述べた。さらに,ASEAN側から,拉致問題を含む人道上の懸念に対処することの重要性を再確認する旨述べられたことを受け,河野大臣から,拉致問題の早期解決に向け,引き続きの協力を期待する旨発言した。

(3)南シナ海

 河野大臣から,COC交渉をはじめとする努力に敬意を表するとともに,COCの妥結が平和で開かれた南シナ海につながることへの期待を表明した。さらに,河野大臣からは,現場の状況はむしろ毎年悪化しており,日本は,ASEAN側から表明のあった深刻な懸念を共有し,関係国は紛争の平和的解決に取り組み,非軍事化を貫徹すべき旨発言した。

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