ASEAN(東南アジア諸国連合)

令和4年8月4日
日ASEAN外相会議の会議前に、記念撮影を行う林外務大臣とASEAN各国外相の様子
日ASEAN外相会議において、林外務大臣が発言を行っている様子

 現地時間8月4日午前9時50分(日本時間午前11時50分)から約1時間10分間、カンボジア・プノンペンにて日ASEAN外相会議が開催され、林芳正外務大臣が出席したところ、概要以下のとおりです。今回の会議では、林外務大臣とドーン・タイ副首相兼外相が共同議長を務め、日ASEAN友好協力50周年のロゴマークとキャッチフレーズを発表しました。

1 開会挨拶

  • (1)林大臣はドーン・タイ副首相に続いて開会挨拶し、概要以下のとおり述べました。
    ア 2013年の日ASEAN友好協力40周年特別首脳会議でビジョン・ステートメントを採択して以来、日ASEAN関係は、(1)平和と安定、(2)繁栄、(3)より良い暮らし、(4)心と心、の4つのパートナーシップに沿った包括的協力を通して大きく発展してきた。
    イ 2020年からは、AOIP(インド太平洋に関するASEANアウトルック)協力についての日ASEAN首脳共同声明に沿って具体的な協力を着実に実施している。
    ウ 来年、50周年という歴史的な節目に、ASEAN各国の首脳を日本にお迎えして特別首脳会議を開催し、将来のビジョンを打ち出したい。
    エ 本日、多数の応募作品の中からコンテストで選ばれた50周年のロゴマークとキャッチフレーズを日ASEAN共同で発表できることを歓迎する。
    オ 50周年を盛り上げ、日ASEAN関係の更なる発展を目指すべく、今後もASEAN側と緊密に連携していきたい。

2 日ASEAN協力のレビューと将来の方向性

  • (1)ドーン・タイ副首相から、ASEANを代表して、政治安全保障、経済協力、社会文化の各分野における日ASEAN協力の成果のレビューがあり、その中で、特にASEAN感染症対策センターの設立に対する日本の支援に謝意の表明がありました。また、各国からも、日ASEAN協力の進展への評価、2023年の50周年の機会に、特別首脳会議を開催することへの賛意と、様々な分野で日ASEAN関係をさらに強化することへの期待が示されました。
  • (2)これに対し林大臣から、日ASEAN協力について概要以下のとおり述べました。
    ア 日本はこれまで、約2300万回分のワクチン供与、3億2700万ドル以上の医療物資・器材供与、技術協力、ASEAN新型コロナ対策基金への100万ドルの拠出等を通じ、ASEAN各国の新型コロナ対策を支援。
    イ 我が国が全面的に支援しているASEAN感染症対策センターの早期稼働を強く期待。
    ウ ASEAN包括的復興枠組を支持。ASEAN各国の経済回復に寄与すべく、総額27.3億ドルの財政支援円借款を供与。日本は、公正で透明な開発金融を通して持続可能な成長を支援していく。
    エ 日本は、一貫してASEAN中心性・一体性を支持。いち早くAOIP支持を明確に表明。自由で開かれたインド太平洋(FOIP)とAOIPの実現に向けた具体的協力を着実に実施していく。その上で、日本は「平和のための岸田ビジョン」の下、ルールに基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に取り組み、「自由で開かれたインド太平洋」の新たな展開を進めていく。

3 地域・国際情勢

  • (1)ミャンマー情勢
     林大臣から、先月のミャンマーにおける被拘束者の死刑執行は、日本が一貫して求めてきた「被拘束者の解放」に大きく逆行するものであり、深刻に憂慮する旨述べました。また、「5つのコンセンサス」の実施に向けたASEANの努力への支持を表明するとともに、ミャンマー側には、(1)暴力の即時停止、(2)被拘束者の解放、(3)民主的な政治体制の早期回復を改めて強く求めました。人道支援を今後も積極的に実施していくが、安全で阻害のない人道アクセスを求める旨述べました。
     ASEAN側からも、被拘束者の死刑執行への強い失望を含め、ミャンマー情勢への懸念が表明され、「5つのコンセンサス」の履行の重要性が強調されました。
  • (2)ウクライナ情勢
     林大臣から、ロシアによるウクライナ侵略は、武力の行使を禁ずる国際法の明白な違反かつ重大な国連憲章違反であり、厳しく非難するとともに、いかなる地域においても力による一方的な現状変更は認められないことや、主権及び領土一体性の尊重の重要性は、ASEAN各国と認識を共有していると考える旨述べました。また、人道支援や民間人保護の重要性、さらに大量破壊兵器による威嚇や使用は許されない点についても強調しました。更に、ロシアによるウクライナ侵略は、世界のエネルギーや食料価格の高騰をもたらしていることを指摘し、直ちに侵略を止めるよう一致してロシアに求めていく旨述べました。ASEAN側からも、ウクライナ情勢に関する言及がありました。
  • (3)東シナ海・南シナ海
     林大臣から、東シナ海及び南シナ海における、力を背景とした一方的な現状変更の試みの継続・強化への強い反対を表明しました。また、海洋権益の主張や海洋における活動は国連海洋法条約に基づいてなされるべきである旨述べるとともに、2016年の比中仲裁判断や南シナ海に関する行動規範(COC)に言及し、COCは国連海洋法条約に合致すべきであり、南シナ海を利用する全てのステークホルダーの正当な権利や利益を害してはならない旨述べました。
     ASEAN側からも、南シナ海における航行・上空飛行の自由の重要性、国連海洋法条約を始めとする国際法に沿った紛争の平和的解決の重要性等について発言がありました。
  • (4)北朝鮮
     林大臣から、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向けて、安保理決議の完全な履行が不可欠である旨を述べるとともに、拉致問題に関し、各国に引き続きの理解と協力を求めました。
     ASEAN側から、朝鮮半島の非核化及び安保理決議の完全な履行の重要性に関する発言がありました。また、拉致問題の解決に向けた取組を支持する発言がありました。
  • (5)その他
     この機会に多くの参加者から安倍元総理の逝去に対する弔意の表明があり、林大臣から謝意を表明しました。

4 閉会挨拶

 林大臣とドーン・タイ副首相が閉会挨拶を行い、本年の首脳会議及び来年の日ASEAN友好協力50周年の成功に向けて、引き続き日ASEAN間で緊密に協議していくことを確認しました。


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