中華人民共和国

新日中友好21世紀委員会第4回会合

平成26年12月8日

12月3日~4日、新日中友好21世紀委員会第4回会合(全体会合)が、北京において開催されたところ、概要は以下のとおり(出席委員)。

1 議題

(1) 今次会合のテーマ

日中間の4項目の一致点及び日中首脳会談を踏まえた相互信頼の構築、日中戦略的互恵関係の推進

(2) 各セッションの議題

第1セッション
今期委員会の活動を総括する。5年間の日中関係の発展の歩みを振り返り、経験と教訓を整理する。

第2セッション
日中関係の最新の状況、特に11月7日に発表した4つの項目及び首脳会談の成果を踏まえて、いかにして日中関係改善のプロセスを進めるか議論する。

第3セッション
来年及びそれ以降の中長期的な日中関係について、二国間、地域及びグローバルな視点から、いかに日中戦略的互恵関係を進めるかを議論し、様々な角度や分野から提言を行う。

2 開幕セッション:両座長による基調発言

(1) 唐家セン・中国側座長

半年前に開催された長崎での意見交換会の際に発した前向きなメッセージは、日中関係改善を推進するために重要な役割を果たした。現在、日中関係は既に重要かつ前向きな進展を得た。先月、両国の指導者が北京APECの際に会談を行い、日中関係は改善に向けて重要な一歩を踏み出した。

来年の戦後70周年、2017年の日中国交正常化45周年及び2018年の日中平和友好条約締結40周年を見据えて、(ア)歴史を鑑とし、共に未来の新しい局面を開くこと、(イ)相互信頼を構築し、共に平和発展の道を歩むこと、(ウ)互いを利するウィンウィンの新時代を共に創ること、(エ)日中友好の新たなページを共に開くことを提案したい。

(2) 西室泰三・日本側座長

北京APECの際の日中首脳会談と日中外相会談は、日中双方が、戦略的互恵関係の原点に立ち戻り、両国関係を改善・発展させていくための重要な一歩。ただし、日中間の課題は依然として山積しており、また、政治、海洋・安全保障、経済、国民感情の悪化等、多岐に亘っている。真の日中関係の改善・発展に向けて、政府のみならず我々民間の有識者からも積極的に知恵を出し、協力を推進していくことがますます重要である。

日中関係は両国の国民のみならず、アジア地域、ひいては国際社会の繁栄・安定に影響を与え得る二国間関係。国際社会が複雑さと緊密さを増す中、日中両国が世界に負っている責任はいや増して重い。

過去5年間の委員会の活動を振り返ると、本来であれば、日中の政府間関係いかんにかかわらず、むしろ政府間の関係が困難に陥った時こそ、日中の有識者会合である本委員会が頻繁に会合を開催し、両国首脳・政府に対して、関係改善のための知恵を率直に提言すべきであった。実際には、本委員会の活動自体が、日中関係悪化の影響を受けてしまい、正式会合が長らく開催できない等、十分に本来の機能を果たすことができなかったことは残念。

3 議論のポイント

(1) 第1セッション

両国の国民感情の悪化を懸念。これを改善するため、特に次世代を担う青年の交流、民間レベルの交流を一層活発に行うべき。また、現在の日中双方の大人の世代の国民感情が悪ければ、そうした感情が子供にも伝わり、なかなか修正できない可能性があるため、互いの国の欠点を殊更にあげつらうのではなく、ユーモアをもって現状を受け止めていく度量も必要ではないか。

両国国民のナショナリズムが日中関係停滞・悪化の原因の一つ。歴史教育に関し、日本では近代の歴史が、中国では戦後の歴史が学校教育の中でより良く教えられるべきではないか。

中国漁船のサンゴ違法操業や中国公船の日本領海への侵入等、日本人の感情を逆なでするような事案が続いていると、日本人の対中感情は悪化せざるを得ない。日本において中国に対する様々な疑念・不信感を生じさせるような行為は回避されるべき。

本委員会の設立の趣旨にかんがみれば、日中間に問題が生じたときこそ本委員会で率直な意見交換をすべきであったのに、それが必ずしもできない時期があったことは残念であり、今後、次期委員会を立ち上げるのであれば、今期委員会の経験と反省を踏まえて委員会を開催していく必要がある。

(2) 第2セッション

両首脳が握手し、日中関係の改善について面と向かって話せるようになったことは評価。11月7日に日中双方が発表した内容にあるとおり、政治・外交・安保分野での対話を一刻も早く再開すべき。また、危機管理メカニズムの早期運用開始等、具体的な協力が成果を上げることは、事件が発生する度に顕著に悪化する傾向のある日本側の対中世論を改善していく上でも重要。

来年は戦後70周年であるが、戦後の日中間の70年の歴史の中で、国交正常化以降の歴史の方が既に長くなっていることも踏まえて、不幸な歴史を直視するのみならず、その不幸な時代を両国の指導者と民間の人々が如何に乗り越え、現在の日中関係を築き上げてきたかについても直視すべき。

(3) 第3セッション

北京APEC開催期間中に美しい青空が広がったことから、中国一国の努力でも大気汚染を改善できることが証明された。日中両国が共に努力すれば環境、科学技術を含む様々な分野でもっと大きな成果が上げられるのではないか。

日中間の国民感情は確かに悪化してきたが、一方では、日本には中国の文化に対する根強い尊敬の念があり、中国の方々の中にも訪日観光客の増加に見られるように日本をよりよく理解したいとの思いがある。そういった日中の国民間のプラスの感情にもっと注目すべき。

先般お亡くなりになった俳優の高倉健さんが日中間の国民感情の改善に果たした貢献を高く評価。たった一人の人間であっても、心の通う交流を広く行うことで、二国間の相互理解や相互信頼を深めていけることを示した。

日中間では、イノベーションに不可欠である基礎研究や応用研究分野、科学研究、宇宙研究、災害対策等の分野でより良く協力していく余地がある。

日中の過去の不幸な一時期についての歴史のみならず、より広い視野やグローバルな視点を持ち、地球史・人類史の中で、日中関係の発展をいかに位置づけるかを研究することは、有意義な知的交流となり得る。

相互理解を深める青少年交流の一環として、日中双方の家庭で、より多くのホームステイ滞在を可能とする枠組みを作るべき。

偏ったメディア報道を通じて相手国を理解した気になったり、関係が悪い時に相手国のメディアを忌避するのではなく、指導者が相手国を訪問し、自国の考えや目指そうとしている方向性について直接語るべき。

本委員会の今期委員の任期は今次会合をもって終了するが、本委員会の活動を継続し、今期委員会の経験等も踏まえた上で次期委員会を立ち上げるべき。

4 新日中友好21世紀委員会 第2期委員(※印は第4回会合出席者)

1.日本側委員

座長 
※西室泰三   東芝相談役、日本郵政社長
 
委員
※阿南惟茂   国際交流基金日中交流センター所長、元駐中国大使
※毛利 衛   日本科学未来館館長、宇宙飛行士
 吉川 洋   東京大学大学院経済学研究科教授
※浅田次郎   作家、日本ペンクラブ会長
 長谷川眞理子 総合研究大学院大学先導科学研究科教授
※国谷裕子   キャスター
※高原明生   東京大学大学院法学政治学研究科教授
※中西 寛   京都大学大学院法学研究科教授 

2.中国側委員

座長
唐家璇 中日友好協会会長、元国務委員
 
委員
※鉄 凝 中国作家協会主席
※葉小文 中央社会主義学院副院長
※周明偉 中国外文出版発行事業局局長
※章新勝 中国教育国際交流協会会長
 魏家福 中国遠洋運輸(集団)総公司総裁
※陳 健 元駐日大使、前国連事務次長
※王泰平 元駐大阪総領事(大使)
 樊 鋼 国民経済研究所所長
※劉江永 清華大学教授
※薛 偉 中央音楽学院教授
 水均益 中国中央テレビキャスター

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