ODA(政府開発援助)

平成28年3月23日

評価年月日:平成28年3月7日
評価責任者:国別開発協力第1課長 原 圭一

1 案件名

1-1 供与国名

カンボジア王国

1-2 案件名

第七次地雷除去活動機材整備計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,国立の地雷除去機関であるカンボジア地雷対策センター(CMAC)に対し,地雷除去に係る資機材の整備を行うことにより,地雷除去活動の維持を図り,もって対人地雷の除去を通じた社会開発の促進に寄与するもの。供与限度額は13.72億円である。

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 CMACの活動経費・管理費等が確保される。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)カンボジアでは,1991年のパリ和平協定締結から20年以上経った現在も,深刻な地雷・不発弾による汚染が問題となっている。2014年までのベースライン調査等の結果では,依然として,地雷・不発弾汚染地域が全国で約2,839km2と見込まれており,このような汚染地域の多くは国民の大半が居住する農村部に集中している。地雷・不発弾による死傷者数は減少傾向にあるが,2014年は154名の被災者が発生しており,依然住民の安全及び同国の社会経済発展の観点から地雷除去は喫緊の課題である。
  • (2)カンボジア政府は,1999年に「対人地雷禁止条約」を批准し,2019年を期限として同条約で義務付けられた埋設地雷の除去に向けて「地雷対策国家戦略(2010-2019年)」を遂行している。また,当国の開発戦略である「四辺形戦略」の4本柱の一つ「農業セクター振興」の中で地雷除去を重点課題として位置付け,「国家開発戦略目標(2014-2018年)」の中でも地雷除去を優先事項として取り上げている。

2-2 効率性

 本事業で調達する機材は全て1998年以降に調達した老朽機材の更新であり,CMACはこれら機材の操作・維持管理能力を有している。また,技術協力プロジェクト「人間の安全保障実現化のためのCMAC機能強化プロジェクト」(2008~2010)を通じ,CMACの機材の維持管理能力の強化が図られている。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)CMACが実施した地雷除去面積が,2014年の525.8km2(累積)から事業完成2年後の2019年に825.8km2まで拡大する。
  • (2)CMACが実施した地雷技術調査により土地利用解禁となる面積(累積)が,2014年の105.4km2から事業完成2年後の2019年に405.4km2まで拡大する。
  • (3)CMACの地雷除去活動能力を維持するとともに,対人地雷除去を通じた農業・農村開発分野等の社会開発を促進する。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)カンボジア政府からの要請書
  • (2)JICAの調査報告書(JICAを通じて入手可能)
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