ODA(政府開発援助)

平成28年3月11日

評価年月日:平成28年2月10日
評価責任者:国別開発協力第二課長 田中 秀治

1 案件名

(1)供与国名

ニカラグア共和国

(2)案件名

セラヤセントラル保健管区二次機能病院建設計画

(3)目的・事業内容

 本計画は,セラヤセントラル保健管区において,二次機能病院の建設及び医療機材の整備を行うことにより,同保健管区の医療サービスの質の改善を図り,もって貧困層・地域における社会開発に寄与することを目的とする。
 供与限度額は20億9,000万円。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がニカラグア共和国政府により実施される必要がある。

  • ア 病院新設にかかる用地取得及び建設許可を遅滞なく行うこと。
  • イ 本計画により整備される病院及び機材の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。
  • ウ 関連活動に必要な人的手当て及び予算措置を行うこと。

2 無償資金協力の必要性

(1)必要性

  • ア ニカラグアにおいては,基礎的社会インフラが未整備の地域が多く,十分な保健医療サービスが提供されていない。同国の国家開発計画である「国家人間開発計画2012-2016年」は,特に開発が遅れている南大西洋沿岸における地域住民の健康状況改善を優先課題として挙げており,保健医療施設の整備を含めた保健医療サービスの改善に取り組んでいる。
  • イ ニカラグアの中でも貧困層の多い南西部に位置する南大西洋自治区の3市(ヌエバギネア市,エル・ラマ市及びムエジェ・デ・ロス・ブイェス市)とチョンタレス県のエル・コラル市を管轄するセラヤセントラル保健管区は,2014年1月に新たに設置された保健管区であり,二次機能病院が存在しない。このため同保健管区において妊産婦の帝王切開や交通事故の外科手術等の対応が必要な場合は,隣接するチョンタレス保健管区の二次機能病院への通院・搬送を余儀なくされているのが現状である。かかる状況から,ニカラグア政府から,セラヤセントラル保健管区における二次機能病院の建設及び医療機材の供与に係る支援の要請があったものであり,実施の必要性は高い。
  • ウ 我が国は,対ニカラグア国別援助方針において,「経済の活性化に向けた基盤づくり」,「貧困層・地域における社会開発」及び「環境保全と防災」を重点分野としており,本計画は,重点分野「貧困層・地域における社会開発」の開発課題「保健医療の改善,安全で安定した水の確保による生活の質の向上」に合致する。

(2)効率性

 本計画においては,コスト縮減の観点から,建設資機材は原則としてニカラグア国内調達とする。ただし,品質,資材量確保の観点から首都マナグアでの資材調達を基本とする。品質の高さが特に求められる一部の資機材は,本邦から調達する。

(3)有効性

 本計画の実施により,以下のような成果が期待される。

  • ア 二次機能病院の整備により,異なる保健管区の上位医療施設への紹介患者数が,897人(2014年:既存の病院における実績値)から449人(2021年:事業完成3年後)に減少する。
  • イ 対象病院における帝王切開件数が117人(2014年)から234人(2021年)に,入院患者数が4,189人(2014年)から8,008人(2021年)に,救急外来患者数が17,203人(2014年)から35,139人(2021年)に,それぞれ増加する。
  • ウ 病院環境及び医療サービスの質の改善により,患者の満足度及び医療従事者の満足度・モチベーションが向上する。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)ニカラグア政府からの要請書
  • (2)JICAの協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)
  • (3)ニカラグア国別評価報告書
  • (4)対ニカラグア無償資金協力「ボアコ病院建設計画」事後評価書(JICAを通じて入手可能)
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