ODA(政府開発援助)

平成28年1月21日

評価年月日:平成24年5月15日
評価責任者:国別開発協力第三課長 堤 尚広

1 案件名

1-1 供与国名

アンゴラ

1-2 案件名

ナミベ港改修計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,アンゴラの主要港の一つであるナミベ港において,岸壁,エプロン,ヤードの改修及び冷凍コンテナの整備を行うことにより,同港の安全性及び効率性を向上させるもの。供与額:21.36億円

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

  • (1)以下の事項が,アンゴラ政府により実施される必要がある。
    • ア 本計画により改修された港湾施設の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。
    • イ 活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)アンゴラは,2002年の内戦終結後,石油やダイヤモンドに代表される豊富な天然資源により,順調に経済復興が進んでいる。その一方で,27年に亘る内戦の影響により,多くの社会・経済インフラが破壊され,その後も未整備のまま,もしくは適切な維持管理がなされていない状況にある。
  • (2)このため,アンゴラ政府は,優先復興プログラム(PPMRRP2003-07)やアンゴラ交通省戦略(2009-2012)及びアンゴラ交通省アクションプランを策定し,国内主要港湾を含む交通インフラ整備を同国の重要課題として位置付けている。
  • (3)特に,アンゴラ国内における各港湾共通の具体的な課題として,施設の老朽化及び近年の海上輸送の中心であるコンテナ化に対する対応の遅れが挙げられている。そのため,アンゴラ交通省は同省の戦略的基盤として,「輸出入貨物の滞在時間縮減による港湾オペレーション・キャパシティの増強」を目標として定め,この目標を達成するための措置として,「港湾の改修により荷役の迅速化及びこれによる利用者のコスト削減」を掲げている。本プロジェクトは,アンゴラ南部地方の拠点港であるナミベ港の港湾機能を復旧しようとするものであり,上記目標の達成に直接寄与するものである。
  • (4)また,我が国の対アンゴラ援助方針では,「経済開発」を重点分野として「基礎インフラ整備」を重視した支援を行う方針であり,我が国の対アンゴラ援助方針と合致する。
  • (5)さらに,我が国は,TICAD IVにおいて,「成長の加速化」に資するインフラ整備に対して支援することを表明していることから,本件は同公約の達成にも資するものである。

2-2 効率性

  • (1)港湾は大規模であるため,港湾の中でも,老朽化が顕著で損傷が深刻な部分の岸壁及び背後のエプロン及びヤードの整備を支援対象とした。

2-3 有効性

  • (1)貨物物船接岸時及びコンテナなどの荷役取扱い時における作業安全性が向上し,船腹接触事故などが減少する。また,これによりコンテナ荷役作業効率が改善され,本船からエプロン,ヤード仮置きまでのサイクル時間が,現状の13分11秒から2分30秒程度短縮することにより,港湾運営の効率性向上に貢献する。
  • (2)安全性及び効率性の改善により,港湾施設としての機能が回復,向上し,同港を拠点とした物流の促進に寄与する。また,円滑な物資輸送の確保が可能となり,物流コストの低減に貢献する。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)アンゴラ政府からの要請書
  • (2)JICA協力準備調査報告書
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