ODA(政府開発援助)

平成28年1月6日

評価年月日:平成27年8月10日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永知史

1 案件名

(1)供与国名

マラウイ共和国

(2)案件名

カムズ国際空港ターミナルビル拡張計画

(3)目的・事業内容

 本計画は、カムズ国際空港において、旅客ターミナルビルの改修及び拡張並びに航空保安機材等の整備を行うことにより、同空港のキャパシティ及び効率性の向上と安全性確保を図り、もってマラウイにおける国境を越えた人の移動と物流促進に寄与するもの。供与限度額は36億7,500万円。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がマラウイ政府により実施される必要がある。

  • (1)本計画により整備される空港施設・機材の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。
  • (2)空港施設・機材の維持管理に係る人的手当及び予算措置を行うこと。

2 無償資金協力の必要性

(1)必要性

  • ア マラウイ最大のカムズ国際空港は、1982年に円借款事業により整備・開港された。同空港の収容乗客数は年間最大約30万人であるが、2015年には30.7万人、2025年には46.2万人に達することが見込まれているため、旅客ターミナルビル拡張及び設備増強が喫緊の課題となっている。
  • イ さらに、旅客ターミナルビル本体は、建設後30年が経過し経年劣化による構造物の損 傷、空港内設備の劣化が生じており、空港利用者の安全確保のためにも改修工事が併せて必 要となっている。
  • ウ マラウイ政府は、中期国家開発計画「第二次マラウイ成長戦略」において、運輸分野を9つの優先分野の一つに挙げ、特に航空については同国の経済成長を支える交通基盤の一つに位置付け、旅客ターミナルビルの取扱容量向上、効率化及び安全性確保等に取り組んでいるところ。
  • エ このような状況の下、マラウイ政府は、厳しい財政事情を踏まえて、カムズ国際空港の取扱容量の向上及び空港利用者の安全確保のため、同空港旅客ターミナルビルの拡張・改修・設備増強に必要な資金につき、我が国に対して無償資金協力を要請した。

(2)効率性

 本計画を実施するに当たっては、先方実施機関の技術者に対して、現地での空港設備機材設置時に初期操作及び維持管理方法に関する指導を行い、維持・保守管理の技術移転を確保するなど、事業の効率的・効果的実施に努める。

(3)有効性

 本件の実施により、以下のような成果が期待される。

  • ア 航空機監視レーダー安全網で捕捉される航空機の割合が、2014年時点で0%であったが計画完成後の2021年には数値が100%になる見込みである。また、カムズ国際空港における1年間の国際線旅客数について、2014年時点で215,000人であったが、計画完成後の2021年には、306,000人へ増加する見込みである。
    さらに、ピーク時におけるチェックインカウンター当たりの平均待ち時間が、12分(2014年時点)から9分(計画完成後2021年)へ減少、ピーク時における入国管理カウンター当たりの平均待ち時間が7分(2014年時点)から3分(計画完成後2021年)へ減少、ピーク時における出国管理カウンター当たりの平均待ち時間が5分(2014年時点)から2分(計画完成後2021年)へ減少する見込みである。
  • イ 旅客ターミナルビルの拡張・改修により、空港の利便性が向上するとともに、航空機監視システム等新規機材の導入により、空港機能の安全性及び信頼性が向上する。これらを通じて、産業振興、観光・投資環境改善(観光客・ビジネス客・投資額の増加等)に貢献する。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)マラウイ政府からの要請書
  • (2)JICAの協力準備調査報告書
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