ODA(政府開発援助)

平成27年10月27日

評価年月日:平成26年7月14日
評価責任者:国別開発協力第二課長 花尻 卓

1 案件名

1-1 供与国名

キルギス共和国

1-2案件名

マナス国際空港機材整備計画

1-3 目的・事業内容

 本計画は,キルギス最大の国際空港であるマナス国際空港の航空保安機材(計器着陸装置,超短波全方向式無線標識/距離測定装置),空港エリアの消防車両及び空港地上支援機材(滑走路除雪車,航空機牽引車等)を調達し,低視界時の航空機運航の安全性及び信頼性を向上させると共に,地上支援機材の効率的な活用により空港及び運航の安全性の向上を目的とするもの。
 供与限度額は16億3,000万円。

1-4 環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 特になし

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)キルギス最大の空港であるマナス国際空港は,同国の国際輸送の約60%,国内輸送の約43%を担っており,同国の玄関口として重要な役割を果たしている。また国際線による旅客数は過去3年間に年率20%以上の高い伸び率を示しており,今後も増加が見込まれる。しかしながら,マナス空港では冬季を中心に濃霧等による視界不良時に航空機が着陸できないことが多く,航空保安機材を更新する必要が生じている。更に,同空港では効率的な空港運用を図るための地上支援機材の不足により,航空機の定時かつ安全な運航に支障が生じる恐れがある。また,空港用消防車両は老朽化が著しく,既存の車両では国際民間航空機関(ICAO)の基準を満たしていない。
  • (2)マナス空港における航空保安機材,地上支援機材等の整備・改修は早急な対応が必要となっており,航空機の安全運航確保のための航空保安機材の更新,空港エリアの消防車両の整備,また不足している地上支援機材の調達の要請がキルギス政府よりなされた。
  • (3)本計画はマナス空港の航空輸送の安全性,信頼性の向上に寄与するものであり,2013年に策定した我が国の対キルギス国別援助方針の重点分野「運輸インフラの維持管理と地域間格差の是正」に合致するものであるため,支援実施の意義は高い。

2-2 効率性

  • (1)本計画は既設航空保安機材の更新を主とし,大幅な機材の維持管理費用の増加は発生しない。
  • (2)コスト縮減の観点から選定機材の絞り込みを行い,必要数が既に確保されている機材,キルギス側が別途整備計画を有している機材は除外し,適正な規模かつ効率的な計画となるよう留意した。
  • (3)調達機材スペアパーツ等の入手可能性を入札時の条件とし,また機材納入後のアフターサービス体制について応札時に書面で記載させることにより,キルギス側の維持管理が可能な範囲での機材調達となるよう留意した。

2-3 有効性

 本件の実施により以下のような成果が期待される。

  • (1)航空保安機材の更新により,航空機が着陸可能な気象条件(滑走路における視界距離)が350m以上(2014年基準値)から200m以上(完工3年後)となり,視界が悪い状況での安全運航が確保され,ロシア,トルコ,アジア諸国等との間の航空機の運航の安全性及び信頼性が向上する。
  • (2)地上支援機材の効率的な活用により,空港及び運航の安全性が向上し,また増加する航空機運航の需要への対応が可能となる。
  • (3)マナス空港において,国際的要件を満たす消防体制が整備されている状態で離着陸を行う航空機の割合が0%(2014年基準値)から100%(完工3年後)となる。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)キルギス政府からの要請書
  • (2)JICAの基本設計調査報告書(JICAを通じて入手可能)
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