ODA(政府開発援助)

平成27年10月13日

評価年月日:平成27年8月13日
評価責任者:国別開発協力第三課長 西永 知史

1 案件名

1-1 供与国名

モザンビーク共和国

1-2 案件名

ナカラ市医療従事者養成学校建設計画

1-3 目的・事業内容

 モザンビークのナンプラ州ナカラ市において,医療従事者養成学校を整備し保健人材の養成を促進することにより,対象地域における医療サービスの改善を図り,もって持続可能な経済成長の推進と貧困削減に寄与する。
供与限度額:21.21億円

1-4 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

  • (1)以下の事項が,モザンビーク政府により実施される必要がある。
    • ア 本計画により建設された医療従事者養成学校を適切かつ継続的に維持管理すること。
    • イ 教員の配置をはじめとして,活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。
  • (2)本計画はJICA環境社会配慮ガイドラインにおいて,環境への望ましくない影響は最小限であると判断される。

2 無償資金協力の必要性

2-1 必要性

  • (1)モザンビークでは保健人材不足が喫緊の課題であり,医師,看護師,助産師の合計は人口10万人あたり68.6人と,アフリカ地域の平均である115人や世界保健機関が推奨する228人の水準を大きく下回っている。
  • (2)同国が策定した「保健分野戦略計画2014-2019」では,中級保健人材の養成拡充の必要性が指摘され,2015年度までに全保健人材のうち85%程度を中級保健人材とする目標があるが,北部地域で中級保健人材を養成する医療従事者養成学校は一校のみである。
  • (3)かかる状況から,中級保健人材を養成する医療従事者養成学校を北部地域に新たに整備することを目的とした本事業に係る要請が,モザンビーク政府から我が国になされた。
  • (4)なお,本件は,2014年1月の日モザンビーク首脳会談で安倍総理から表明した「ナカラ回廊を中心とする700億円のODAの供与」の公約実施に資するものである。

2-2 効率性

  • (1)建設資機材は基本的に現地調達とするとともに,設計は現地の一般的工法を基本とした設計とし,下請けとして現地建設会社,現地労務者を活用できるようにした。
  • (2)その他の機材に関しても,モザンビーク製品または現地に代理店を有する日本製品または第三国製品など,現地でアフターケアが可能な製品を可能な限り採用した。

2-3 有効性

 本件の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)当該医療従事者養成学校において,事業完成3年後の2021年には年間128人の医療従事者を養成できるようになる。
  • (2)卒業者の質が継続的に担保される。
  • (3)モザンビーク政府の「保健分野戦略計画2014-2019」における保健人材養成目標の達成に向け貢献するとともに,同国国民の保健サービスへのアクセスを向上させる。

3 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)モザンビーク政府からの要請書
  • (2)JICA協力準備調査報告書
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