ODA(政府開発援助)

平成27年4月8日

評価年月日:平成27年1月26日
評価責任者:国別開発協力第一課長 宮下 匡之

1.案件名

1-1.供与国名

ミャンマー連邦共和国

1-2.案件名

港湾近代化のための電子情報処理システム整備計画

1-3.目的・事業内容

 船舶入出港等の港湾運営に係る各種申請・承認の電子処理(港湾Electric Data Interchange:港湾EDI)を導入し,手続きの合理化を通じて,物流の円滑化,港湾行政の近代化に寄与することを目的とする。供与限度額は17.20億円。

1-4.環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

  • (1)港湾近代化のための電子情報処理システムの維持管理に必要な人員配置・予算配賦がミャンマー政府側により行われること。
  • (2)ミャンマーの関連政策に大きな変更が生じないこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

  • (1)現在,ミャンマーにおける主要な貨物港はヤンゴン港のみであり,年間約1,500隻(2012/13年度)の外航船舶が入港し,1,200万トン以上の外貿貨物(コンテナを含む)を扱っている。2011年3月の民政移管に伴い経済成長が加速しつつあり,今後取扱量が急速に増大すると見込まれている。今後ミャンマーでは,我が国支援により整備が進むティラワ経済特別区を含むヤンゴン都市圏を中心として,急速な工業化が進むことによって,早晩取扱容量を超える貨物需要が生じることが予測され,港湾施設の整備と共に,その機能の改善は急務である。
  • (2)ミャンマーにおいて,貨物の港湾での各種手続は,現状は書面及び電子データの初歩的なやり取りで行われている。コンテナの港湾内滞留時間は平均で1週間以上かかっているとも言われており,経済的損失が生じている。このような業務は,港湾管理者,港長等に係る申請・届出等の電子情報処理(港湾Electric Data Interchange:港湾EDI)を導入し,手続きを電子化することにより,処理時間を大幅に合理化することが可能である。ミャンマーにおいても民間オペレーター等が部分的な電子化を試みているが,それぞれ個別に運用されており,業務の合理化につながっていない。

2-2.効率性

  • (1)ミャンマーにおけるに技術水準を考慮し,予算面・技術面・体制面でミャンマー側が対応し得る設計とした。
  • (2)コスト・施工効率化の観点から,システムや機材の精査を行い,適切な規模かつ効率的な事業になるよう留意した。

2-3.有効性

 本計画の実施により,以下のような成果が期待される。

  • (1)入出港時の手続きの所要時間が,半日~1日(2014年)から,数分から数時間(2020年)に短縮される。
  • (2)現在のミャンマー港湾公社内の船舶入出港等の港湾運営に係る各種申請・承認に係る手続きが,2020年には100%電子化される。
  • (3)手続きの電子化により,ミャンマー政府内での情報伝達の迅速化,省力化が図られる。
  • (4)これらを通じ,持続的経済成長のために必要なインフラが整備される。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

  • (1)JICAの協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)
  • (2)ミャンマー政府の要請書
ODA(政府開発援助)
ODAとは?
広報・イベント
国別・地域別の取組
SDGs・分野別の取組
ODAの政策を知りたい
ODA関連資料
皆様の御意見
政策評価法に基づく事前・事後評価へ戻る