2011年2月現在
1.設立の経緯
1960年1月、米国の提唱により開発援助グループ(DAG)の設立が決定され、第1回会合が3月ワシントンにおいて開催された。DAGの原加盟国は、米、英、仏、西独、伊、白、ポルトガル、加、及びEC委員会で、日本も直ちに招待され、我が国はOECD加盟に先立ちDAGに加盟。
1961年9月のOECD発足に伴い、傘下の委員会の一つとなり、開発援助委員会(DAC:Development Assistance Committee)に改組された。
2.目的
DAG「共同援助努力に関する決議」(1961年3月)の主な事項は、以下のとおり。
(1)対途上国援助の量的拡大とその効率化を図る。
(2)加盟国の援助の量と質について定期的に相互検討を行う。
(3)贈与ないし有利な条件での借款の形態による援助の拡充を共通の援助努力によって確保する。
3.構成
(1)メンバー
現在のメンバーは、OECD加盟国(34カ国)中の23カ国と、欧州連合(EU)の合計24メンバー。
(2)議長
議長: J. Brian Atwood(米)
(3)事務局
OECD開発協力局(Development Cooperation Directorate)が所管
事務局長:Jon Lomoy(ノルウェー)
(4)組織図
4.活動概要
(1)ハイレベル会合(HLM)
基本的に年1回、閣僚を含む各国のハイレベルの援助関係者が出席して開催され、特に重要な開発問題を討議すると共に、勧告等の採択を行う。例年4~5月に開催(通常日本からは、外務省国際協力局長が出席)。
(2)シニアレベル会合(SLM)
援助実務を担当するハイレベルの関係者が集まり、ハイレベル会合の準備を含め重要な援助政策について討議する(通常日本からは、外務省国際協力局審議官/参事官が出席。)
(3)本会合(DAC)
DAC活動の中核であり、ほぼ毎月定例会合を開催するほか、DACの年間活動計画の策定・実施状況の確認、国別援助審査、及びテーマ別会合を行う。継続的かつ専門的にフォローする必要がある個別問題については、その検討を下部機構に付託できる。
(4)援助審査(ピア・レビュー)
DACの中心的活動の一つ。各メンバーは、定期的に(4~5年に一回)援助実績及び政策について審査を受ける。DAC事務局とともに、メンバーのうち2カ国が審査国として事前調査の準備にあたる。被審査国を調査団(DAC事務局及びメンバー国2カ国)が訪問する本国調査と、被審査国が援助を実施している途上国を調査団が訪問する現地調査を踏まえ、DAC本会合の場で全メンバー国により審査が行われる。審査結果は、報告書として公表される。
我が国は、2010年に独とデンマークが審査国となってピア・レビューが行われ、報告書が公表された。
(5)下部機構
上記(1)(2)或いは(3)における合意により、特定のテーマにつき、継続的・専門的にフォローするために、以下のような下部機構を設けている。なお、2003年に下部機構改革が行われ、2つの作業部会と6つのネットワークに再編された。
(イ)統計作業部会(WP-STAT):途上国及び多国間機関への資金の流れの統計報告・集計・ODA定義に係わる問題を扱う。現在ODAの適格性に関する議論及び統計指示書の改定等を行っている。
(ロ)援助効果作業部会(WP-EFF):援助効果(Aid Effectiveness)の改善に関する広範な問題(オーナーシップ、カントリーシステム、透明性、モニタリング、開発成果等)を扱う。
(ハ)開発評価ネットワーク(EVALUNET):加盟国、多国間援助機関の評価部門間の情報交換・協力(合同評価を含む)を行う。また、評価手法の改善等の検討を行っている。
(ニ)ジェンダー平等ネットワーク(GENDERNET):開発と援助政策全般への女性の参加を支援する措置を含め、開発における性差別の解消の方策を検討。
(ホ)環境と開発協力ネットワーク(ENVIRONET):持続可能な開発のための一貫したアプローチの促進。環境と開発のリンケージに注目した議論を行っている。
(ヘ)貧困削減ネットワーク(POVNET):貧困削減のための有効な開発協力のあり方等に関する議論を行う。2001年5月には貧困削減ガイドラインを策定した。2003年からは経済成長と貧困削減の関係に重点を置くことで活動内容が一新され、2007年に民間セクター開発、農業、インフラを具体例として、「貧困削減に資する成果の促進」に関する政策ガイダンスを作成した。
(ト)ガバナンスネットワーク(GOVNET):開発協力の重要な視点の一つである良い統治と、それを実現するために必要な汚職防止や人権保護に関する協力のあり方を検討。
(6)DAC議長報告の発行等
DACは、各国の援助実績を取りまとめ、例年4月下旬頃に前年のODA実績(暫定値)を発表している。さらに、年末ないしは年初に発行される「DAC議長報告」においては、開発協力の国際的動向(過去1年の主要なトピック、援助実績の統計的データ:地域配分、分野別配分、援助の質等)と加盟国の活動概要の報告、及び途上国向けのODA以外の資金の流れ(公的資金・民間資金)を公表している。