世界の医療事情

トンガ

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 トンガ王国(国際電話国番号676)

2 公館の住所・電話番号

在トンガ日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan, Level 5, National Reserve Bank of Tonga Building, Fasi-moe’Afi, Salote Rd., Nuku’alofa
電話:22221
ホームページ:http://www.ton.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

 在フィジー日本国大使館 医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

(1)気候

 熱帯性気候で、気温は最も涼しい7~8月で約18~25度。最も暑い1~2月で約23~30度です。年間降雨量は首都のあるトンガタプ島の約1,700ミリからババウ島の約2,790ミリまで幅があります。

(2)医療水準

 自国で医師は養成しておりません。医師は、フィジーやパプアニューギニアの医学部を卒業するか、ニュージーランドやオーストラリアの医学部を卒業して戻ってきた者達です。専門医は少なく、多くの科では専門医が全くおりません。やや高度な医療を要する時は、国内では対応出来ず、ニュージーランドやオーストラリアなどの海外へ行かねばなりません。

(3)医療制度

 公的医療機関では、国民は、基本的に治療費は無料です。貧弱な検査機器、治療施設しかないため、ごく簡単な診療以外は近くの先進国に早めに出られた方が賢明です。先進国の医療費は高額で、支払いの保証がない限り、診療が受けられない可能性があります。トンガを訪問する時は、万一の場合に備えて、十分な額の海外旅行傷害保険等に加入してきてください。

(4)水質・食品など

 住民は雨水を貯め飲料水として使用しています。しかし、雨量が少ないため十分な量の確保は難しい状況です。また、雨水を貯水して供給する間に細菌等に汚染されている可能性があります。水道水は、地下水を汲み上げて供給しています。塩分の含有量が多く、細菌等に汚染されている可能性がありますので、飲料水にはミネラルウォーターを使用されるのが賢明です。生鮮食品も、流通の過程で汚染されている可能性が高いので、生で食することは避けてください。野菜などをサラダで食べる場合は、流水で十分に洗浄してから食べてください。

5 かかり易い病気・怪我

(1)消化器感染症

 飲料水・食事・飛沫を介して、ウイルス性感染性胃腸炎(発熱・嘔吐・下痢)や細菌性消化器伝染病(腸チフス・赤痢など:下痢・血便・腹痛・発熱など)や原虫・寄生虫(ランブル鞭毛虫・アメーバ赤痢など:下痢・腹痛など)等、一年中感染する危険性があります。ウイルス感染症は脱水等の合併症を起こさないように注意していれば、大体数日で軽快します。細菌性感染症には抗生物質、原虫・寄生虫には駆虫剤などそれぞれ固有の治療薬を必要とします。

(2)デング熱

 デングウイルスを持つネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊に刺されることによって感染します。潜伏期間は約1週間で、頭痛、高熱、関節・筋肉痛に加えて赤い発疹が出現します。重症化すること(デング出血熱:全身から出血しやすくなります)がありますので、医療機関を受診することをお勧めします。治療は対症療法のみです。

(3)皮膚疾患

 高温多湿なため、湿疹や真菌症(カンジダや糸状菌など)を起こし、さらに細菌感染を合併して、皮下膿瘍を生じます。治療方法は切開排膿に加え、抗生物質(内服薬・外用薬)を使います。また、陸上では、アリなどに噛まれて、発疹を生じることがあります。海では、動物性プランクトンに噛まれ,強い痒みを伴う発疹を生じることがあります。遊泳中に、痒いと感じた時は、海からすぐに出てください。また、時にクラゲに刺されて、ひどい皮膚炎を起こすこともあります。

(4)シガテラ中毒

 珊瑚に共生している海藻に付くプランクトンの一種が作るシガトキシンなどの毒が、食物連鎖で魚の肉や内臓に蓄積し、それを食べた人に起きる中毒です。このプランクトンは、珊瑚が死滅した後に大量に発生することが知られておりますので、海が荒れて珊瑚礁が破壊される雨季(特にサイクロンの後など)に多く発生します。症状は神経症状、胃腸症状、関節・筋肉痛や痒みなどです。死亡率は低いのですが、「ドライアイス・センセーション」と呼ばれる神経症状(冷たいものに触ったり、 冷たいものを飲んだりすると感電したような痛みを感じます)に数ヶ月に渡り苦しめられることがあります。この毒素は加熱処理でも分解されません。治療も対症療法しかありません。

(5)犬咬傷

 犬が放し飼いにされており、しばしば犬に噛まれるということが起こっています。現在のところ、トンガでは狂犬病の心配はありませんが、破傷風を発症する恐れはありますので、不用意に犬には近寄らないようにしてください。破傷風の予防接種を受けておいて下さい。万一、犬に噛まれましたら、破傷風ワクチンの追加接種をすぐに受けてください。場合により、破傷風免疫ヒトグロブリンの接種も必要となります。

6 健康上心がける事

(1)雨水を貯めた水も水道水も安心して飲用に供しうる物ではありません。飲料水にはミネラルウォーターを飲用するようにしてください。

(2)高温多湿の気候ですので、食べ物は腐りやすく、細菌が繁殖しやすいので、食中毒に十分注意してください。

(3)気温が高く発汗しやすい気候ですので、水分や電解質をスポーツドリンク等で意識して多めに補給して脱水にならないように注意してください。また、南半球の冬に相当する7~8月は、朝晩比較的肌寒く感じることもあり、風邪をひく場合もありますので気温差には注意をする必要があります。

(4)デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症が発生しています。外出する際には長袖シャツ,長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくする、昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を使用する等、蚊に刺されないための対策を行ってください。

(5)紫外線が非常に強いため、日焼け止めクリームを使用し、直射日光に素肌をさらさないようにしてください。また、目の保護のためにサングラスなどを着用するようにしてください。

(6)トンガでは、潜水病(減圧症)の治療は出来ません。無理をしない安全なダイビングを楽しんでください。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種(任意)

  • 成人:A型肝炎、B型肝炎、破傷風など。
  • 小児:就学に必要なワクチン(3)参照。

(2)小児の予防接種スケジュール

小児の予防接種スケジュール
ワクチン名回数1回目2回目3回目4回目5回目
BCG1生直後
ポリオ(経口)36週10週14週
DPT+B型肝炎+
インフルエンザ菌b型
36週10週14週
DPT18ヶ月入学前
(6歳)
MR212ヶ月18ヶ月
B型肝炎(単独)1生直後

(注1)ポリオは経口生ワクチンです。(日本は2回のみです。)

(注2)トンガでは通常の3種混合DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)に、B型肝炎とインフルエンザ菌b型の2種を加えて、5種混合が行われております。

(注3)MMR(麻疹・流行性耳下腺炎・風疹)は行われず、MR(麻疹・風疹)のワクチンを接種しています。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 上記(2)の予防接種すべての接種証明が必要ですが、あまり厳密ではなく、未接種でも入学が許可されることがあります。しかしながら、当地の医療事情を考慮しますと、予防接種を受けることをお勧めいたします。なお当国にはワクチン接種による副作用に対する補償制度はありませんので、 ワクチン接種は本邦で全て済ませて来られる方が賢明です。

8 病気になった場合(医療機関等)

 トンガ(首都ヌクアロファ)には公立総合病院が1ヶ所あり、緊急の場合は基本的には24時間診療をしてくれることになっています。また、個人経営のクリニックもあります。救急車を呼ぶ電話番号は「933」です。呼んでから救急車が実際に患者を迎えに来るまでに時間が掛かる場合が多いため、直接病院に行かれた方が早い場合もあります。

ヌクアロファ

(1)Viola Hospital(公立)
所在地:Taufa’ ahau Rd., Tofoa
電話:23200
概要:国立の総合病院で、内科、外科、小児科、産科、歯科等があります。日本で研修を受けた日本語の解せる歯科医が在籍しています。国民に対する医療費は無料のため、院内は患者で混雑しています。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在トンガ日本国大使館 ホームページ:http://www.ton.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

 トンガでは英語が公用語で、病院でも英語が通じます。「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)を参照願います。


Get Adobe Reader(別窓が開きます) Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータに対応したソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
世界の医療事情へ戻る