世界の医療事情

ミクロネシア

令和2年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ミクロネシア連邦(首都パリキール)(国際電話国番号691)

2 公館の住所・電話番号

○ 在ミクロネシア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan, One World Plaza 2nd Floor, Kapwaresou Street, Kolonia, Pohnpei, FSM
電話: (691) 320 5465
ホームページ:https://www.micronesia.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

※土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

(1)ミクロネシア連邦は、赤道よりやや北に位置し、東からコスラエ州、ポンペイ州、チューク州、ヤップ州の4つの州からなり、人口は約10万人です。

(2)気候は海洋性熱帯気候で、首都パリキールのあるポンペイ州は、年間の平均気温が27℃、平均湿度は80%と高温多湿です。

(3)自国に医師の養成機関はなく、米国、フィジーまたはパプア・ニューギニアに留学した医師またはフィリピン人医師らで診療が行われています。国内にCTスキャンがほとんど稼働していない等、検査機器や治療施設は極めて限定されています。また、医師数が少なく、専門医も殆どいない状況です。重症例はグアムやフィリピンで治療を受けることになります。ミクロネシアの医療水準は、劣悪と言わざるを得ません。

(4)公的医療機関も外国人は有料です。フィリピン人経営の私立病院や少数のクリニックがありますが、やはり有料です。

(5)ミクロネシアでは非常に限られた診療しか受けることは出来ないので、重い病気や怪我の場合は、近隣の先進国に行くしかありません。そのためにも、海外旅行傷害保険に加入しておく必要があります。

5 かかり易い病気・怪我

(1)消化器感染症

 A型肝炎、腸チフス、細菌性赤痢、アメーバ赤痢などがあり、飲料水や加熱の不十分な食事が感染源となりますので注意が必要です。

(2)デング熱

 デングウイルスを持つヤブカ属のネッタイシマカに刺されることによって発症します。潜伏期間は約1週間で、インフルエンザ様の症状(頭痛、高熱、関節・筋肉痛)に加えて赤い皮疹が出ます。重症化(デング出血熱:全身から出血し易くなります)することがありますので、必ず病院等を受診してください。治療は対症療法のみです。

(3)チクングニア熱

 チクングニア熱はデング熱と同様、ヤブカ属のネッタイシマカによって媒介される感染症です。2013年11月、ミクロネシア連邦のヤップ州でチクングニア熱の集団発生がありました。感染後、2日~12日(通常3日~7日)の潜伏期の後、突然の発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹がみられます。致死率は低く、多くの人は回復しますが、特定の予防法や治療薬はありません。蚊に刺されないことが最善の予防法です。

(4)ジカ熱

 デング熱やチクングニア熱と同様、蚊によって媒介される感染症で、発熱、頭痛、眼球結膜充血、皮疹、筋肉痛、関節痛などを生じますが、比較的軽症です。2007年にはミクロネシアのヤップ島での流行が報告されています。治療は対症療法のみで、発症を防ぐワクチンや治療薬はありませんので、デング熱、チクングニア熱同様、蚊に刺されないことが最善の予防策です。

(5)結膜炎

 現地でピンクアイと呼ばれている結膜炎は、汚れた手で目を触ることにより罹りやすく、治療に抗生物質の点眼薬が用いられることがあります。

(6)皮膚感染症

 高温多湿なため、湿疹や真菌症(カンジダや糸状菌など)を起こし易く、湿疹や虫刺され部分を掻いて細菌感染を合併することもあります。 これを現地ではボイル(Boils)と呼び、ミクロネシアでは稀ではありません。

(7)シガテラ毒による食中毒

 サンゴ礁で釣った魚で、食中毒(神経症状、胃腸症状、関節・筋肉痛などの症状)を起こすことがあります。このシガテラ毒は加熱調理しても分解されませんので、注意が必要です。

(8)ツツガムシ病

 草むらに生息するダニに噛まれることにより発症することがあります。高熱・発疹・リンパ節腫大・肝機能障害などの症状がありますが、ダニに噛まれたことがはっきりしないと診断が付きにくいことがあります。

(9)犬咬傷・動物咬傷

 野犬が非常に多い国です。飼い犬に噛まれることもあります。破傷風等の感染リスクもありますので、破傷風の予防注射を受けておく必要があります。万一、犬に噛まれましたら、病院を受診し、破傷風トキソイドの追加接種を直ちに受ける必要があります。また、当国はコウモリが非常に多く、コウモリ咬傷についても注意してください。

(10)結核

 結核の感染者数は、対人口あたり大洋州地域で多い国の一つに挙げられており、増加傾向にあります。

(11)レプトスピラ症

 レプトスピラ症が増加しています。病原性レプトスピラを保有しているネズミ、犬、牛、豚などの尿で汚染された河川や泥などにより経皮的、または経口感染します。倉庫等に長く保管された飲食物の容器がネズミの排泄物で汚染されている場合もあり、十分洗浄してから利用することをお勧めします。

6 健康上心がける事

(1)飲料水には、水道水を煮沸したものか、ミネラルウォーターを利用してください。

(2)高温多湿の気候なので、食べ物の管理には十分注意してください。

(3)高温多湿で発汗量が多くなりますので、脱水症状には十分気を付け、水分や電解質をスポーツドリンク等で補給してください。

(4)蚊などの虫に刺された部位が感染を起こすことが少なくありません。蚊などの虫に刺されないよう注意しましょう。

(5)紫外線が非常に強いので日焼けに注意すると共に、目の保護のために、帽子やサングラスを着用するようにしてください。

(6)ミクロネシアでは潜水病が発生した場合は、グアムに搬送されます。 ダイビングには十分に注意してください。

7 予防接種

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

  • 成人:A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフスが勧められます(任意)
  • 小児:定期予防接種および就学に必要なワクチン

 ※ 2018年に大規模なおたふく風邪の流行があったことから、当地のワクチンは機能していない可能性があります。事前に日本で接種してくることを強く推奨します。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
ワクチン名 回数 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
BCG 1 出生時
ポリオ 4 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 4~6歳
DTaP ※1 5 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 4~6歳
MMR ※2 2 12ヶ月 1回目の30日後
B型肝炎 3 出生時 2ヶ月 6ヶ月
ロタウイルス 3 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月
インフルエンザ菌b型 (Hib) 4 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 12ヶ月
肺炎球菌(PCV13) 4 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 12-13月

※1:DTaP(ジフテリア・無菌性百日咳・破傷風の3種混合ワクチン)

※2:MMR(麻疹・おたふく風邪・風疹の混合ワクチン)

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 Immunization Record(英文)の提出が必要です。

※ ワクチン接種は必ず本邦ですませてきてください。なお、当国にはワクチン接種の副作用に対する補償制度はありません。

※ 現地国民の乳児検診は、Public Healthで施行されています。

8 病気になった場合(医療機関等)

 4州全てに州立病院がありますが、慢性的に医師が不足しており、かつ診断・治療の為の諸施設・器具・薬などが不十分です。重症例については、グアムや日本で治療を受ける必要があります。救急車(有料)を利用する場合、ポンペイ州の場合320-2213に電話します。 離島にいる場合も、必要性に応じてボート(有料)で病院まで移送してくれます。

 ミクロネシア、特にチューク州はダイバーに人気があり、年間を通じて多くのダイバーが訪れます。しかし潜水病に対する再加圧治療が可能な施設がないため、グアムなどに移送されます。

◎コロニア(ポンペイ州)

(1)Pohnpei State Hospital(州立)
住所:Kolonia, Pohnpei State 96941
電話:320-2215
(2)Genesis Hospital and Pharmacy(私立)
住所:Kolonia, Pohnpei State 96941
電話:320-3381

○ウエノ島(チューク州)

(1)Chuuk State Hospital
住所:Weno, Chuuk State 96942
電話:330-2214(320-2216)

○ヤップ州

(1)Yap State Memorial Hospital
住所:Colonia, Yap State 96943
電話:350-2115

○コスラエ州

(1)Kosrae State Hospital
住所:Tofol, Kosrae State 96944
電話:370-3012

9 その他の情報入手先

(1)在ミクロネシア日本国大使館 ホームページ:https://www.micronesia.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

10 一口メモ

 当地の医療機関は英語が標準語です。

11 新型コロナウイルス関連

 2020年、世界における新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、当国は2020年2月グアムやハワイなどの非感染地域で14日館滞在した人の入国を認めていました。しかし、2020年3月にハワイもグアムも感染地域になったことを受け、定期便での入国を禁止しました。これにより、当国で新型コロナウイルスの感染が確認された人は0という状況を維持してきました。その後、新型コロナウイルスを検査する機材等の供与を受け、検疫施設を建設する準備を行い、海外で立ち往生している自国民の帰還から入国を再開しようとしていますが、2020年10月6日時点でこれは実現していません。

 入国再開を受けて、感染者が発生した場合に、当国でどれだけ適切な治療が行えるか不透明です。ついては来訪者は、緊急移送を含む十分な海外傷害疾病保険に加入しておくことをお勧めします。


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