世界の医療事情

令和6年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

 エチオピア連邦民主共和国(国際電話番号251)

2 公館の住所・電話番号

在エチオピア日本国大使館(毎週土曜日、日曜日休館)
住所:Bole Sub-city Woreda 6. House No.431 P.O.Box: 5650 Addis Ababa, Ethiopia
電話:251-11-667-1166
ホームページ:在エチオピア日本国大使館別ウィンドウで開く

(注)土曜日、日曜日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますのでご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 エチオピアは北緯3度から15度にまたがり、北はエリトリア、東はジブチ・ソマリア、南はケニア、西はスーダン・南スーダンに囲まれた内陸国で、総面積は日本の国土の約3倍です。

 気候は小雨季(2月から5月)、大雨季(6月から9月)、乾季(10月から1月)に分かれます。首都アディスアベバは、標高2,400mの高地にあるため、年間を通して最高気温25℃前後、最低気温15℃前後であり、日較差があり朝晩は冷え込みますが、その緯度に比して過ごしやすい気候です。また、広大な国土は高低差に富み平均気温が50℃と極めて暑い地域もあります。

 当国の衛生事情はその経済発展とは裏腹に世界的にみてもきわめて未発達と言えます。国内最大の人口を擁し急速に発展する首都の都市計画においてさえ、衛生環境が考慮されぬままビルや道路の建設が優先され、上下水道配備が遅れますので「安全な水の確保」は未だにこの国の最重要課題の一つと言えます。災害が健康に大きな影響を及ぼすことも念頭におかねばなりません。2020年雨期には北部を中心に大規模な洪水が発生し、10万人近い人々が住む場所を失ったばかりでなく、狭い空間に多くの家族が住まう環境の中で不衛生の代名詞とも言える「コレラ」が蔓延し多くの命を奪いました。このように、不衛生な環境、特に汚染された水を原因とするコレラや腸チフスなどの感染症は毎年多数報告されています。

 当地の医療水準も同様に、妊産婦死亡率401(対10万出生)、乳幼児死亡率49(対1000出生)であり極めて低いレベルに留まっています。現地の人々が利用する医療施設は、ヘルスセンター(ヘルスポスト)と呼ばれる看護師中心の施設と、医師が常駐する病院、さらに大学病院等の高次病院とありますが、公立病院の施設・設備は概して邦人の利用に堪えないと言わざるを得ず、以下で紹介する私立病院の利用をお勧めします。私立病院では英語による意思疎通が可能と思われますが、日本語医療通訳を置く施設はありません。首都を中心に、既存の私立病院は徐々に機能を拡充させ、新しい病院も名を連ねるようになったものの、日本と同様の高度医療を、十分な規模で提供できる病院はまだこの国にはありません。具体的には、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞や重度外傷などで緊急に救命処置を要する状況では、この国最高の医療資源を使っても助からない可能性が高く、海外旅行者保険に付帯する緊急移送サービスなどを利用して近隣の医療先進国に搬送されることが、唯一の命綱となり得る場合があると知って予め準備する必要があります。

5 かかり易い病気・怪我

 エチオピアには世界中で既に撲滅されたような感染症がまだ現役で存在します。以下に示す感染症の存在を知って予防に努めましょう。多くの感染症は予防接種で感染を防ぐことができます。7(1)で推奨のワクチンはすべて接種することをお勧めします。

(1)感染性胃腸炎

 細菌等により汚染された食物や水を直接的に、あるいは汚染された人の手を介して間接的に口から病原体が侵入して感染するもので、首都での生活においても最もかかりやすい病気です。細菌のみならず、ウイルス、寄生虫も原因になります。寄生虫では赤痢アメーバやランブル鞭毛虫(ジアルジア)などが認められます。症状は診断により異なりますが、下痢、腹痛、嘔吐、発熱等があります。食あたりであれば一過性ですむ場合もありますが、嘔吐・下痢、発熱を伴う場合は脱水を起こすこととなり、特に急激に全身状態が悪化する場合には、水分や電解質、抗生物質等を点滴補充が必要になることもありますので、長引く場合は病院受診をお勧めします。日頃から手洗いに気をつけ、加熱したものを食べるよう心がけ、外食時は衛生的な店を選びます。エチオピアでは生肉を食べる習慣がありますが、腸管に寄生する感染症の原因にもなりますので生肉はお勧めできません。飲用には生水を避けミネラルウォーターや濾過水を用います。

(2)高山病

 高い山に急いで登ると頭痛、息切れ、倦怠感、食欲不振などの症状が現れるのが高山病です。高度が上昇すると大気中の酸素濃度が下がりますが、この低酸素状態に対して体が脳血流を増やして順応しようとする結果、軽度の脳浮腫を起こして上記の症状を引き起こすと考えられています。首都の標高は2,400mありますから、到着後しばらく高山病症状を感じる可能性があります。症状の感じやすさには体質が影響すると言われており、体力とは無関係ですので注意が必要です。高地順応には平均、数日から1週間程度かかると言われます。到着後しばらくは十分に休養を取り、ゆっくり行動することを心がけます。軽度なら安静にすることで回復しますが、場合によっては酸素吸入やアセタゾラミド内服による治療が必要な場合があります。上記の他にも吐気・嘔吐、めまい・ふらつき・脱力感、睡眠障害、不安等の症状も含まれますので、心配な場合は病院受診をお勧めします。

(3)マラリア

 マラリアはハマダラ蚊に刺される際に、マラリア原虫が人の血液中に入ることで感染します。主な症状は、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢等あり、重症マラリアになると意識障害やけいれん、腎不全、呼吸不全、黄疸を起こして命を落とす危険があります。潜伏期は11から21日間です。首都は高地ですから、マラリアに感染する危険性はほとんどありませんが、2002年には2500mの高地でも感染蔓延した事例があり油断できません。国土の75%は標高2,000m以下のマラリアの流行地で、2020年にマラリアと確定診断された患者は約174万人にのぼります。当地のマラリアには重症化の危険性がある「熱帯熱マラリア」と、「三日熱マラリア」があります。雨期のあと、特に9月~12月は蚊が発生する季節ですので注意します。流行地では忌避剤を用い、肌の露出を避け、蚊が活動する明け方や夕暮れ時に出歩かない等の予防と共に、流行地から戻った後の発熱では、必ずマラリアを疑って検査を依頼します。抗マラリア薬は病院で処方されます。また、マラリア流行地に長期に滞在する場合は、予め医師と相談の上、抗マラリア薬の予防内服も検討してください。

(4)腸チフス・発疹チフス

 どちらも高熱と皮疹が発生する病気で、歴史的に同じ病気と考えられていた経緯があり「チフス」という名前ですが、発疹チフスはコロモジラミ(しらみ)が人の血を吸って媒介するリケッチアという微生物が原因で、腸チフスは汚染された水などを介して口に入るサルモネラ属の細菌(チフス菌)が原因の感染症と、全く別の病原体により起こります。貧困や不衛生を背景に生じ、日本ではなじみのない病気です。いずれも抗生物質が有効なことが分かっています。当地で最も多く発生する病気であり、毎年人口1万人に対して24例の腸チフスの発生が報告されています。診断には細菌学的検査が必要ですが、正確な診断がなされないまま経験的に治療される現状があります。高地アディスアベバでも集団感染を起こしやすく、要注意です。

(5)ダニ・疥癬・ノミなどによる虫刺され

 国内全域で疥癬(かいせん)と呼ばれるヒゼンダニによる皮膚感染報告されています。2019年には40万人以上の感染が報告され、学童期の10人に1人が疥癬にかかっているという報告もあり、非常に頻度の高い疾患の一つです。「通常疥癬」と「角化型疥癬」とあり、全身の皮膚に寄生し往々にして強いかゆみを伴います。長時間接触したり、衣類を共有したりすることで人から人へ移ります。かゆみを伴う頑固な皮膚病変では皮膚科を受診して処方をもらうことをお勧めします。対策はベッドシーツや衣類をこまめに洗濯して清潔に保つことです。疥癬以外の一般的なダニ・ノミ被害も多いです。ノミの場合、足のひざから下を複数刺されることが特徴的でかゆみも強く、水疱を形成することがあります。つぶれた水疱に二次的に細菌感染することもありますので、長引く場合は皮膚科を受診してください。こまめに体を清潔に保つことが予防策になります。

(6)麻疹(はしか)

 麻疹は、麻疹ウイルスが空気感染、飛沫感染、接触感染と様々な感染パターンを取り、極めて強い感染力で拡大する病気です。予防接種により最小限にできる事が知られていますが、エチオピアの予防接種率は46%と低く、2019年から2020年にかけてのアウトブレイクでは12,000人以上の感染が確認されました。2023年は6933例の感染例が報告されており、蔓延国の一つです。感染から10日ほどの潜伏期の後、発熱・咳・鼻水の風邪症状で発症し、数日後に発疹を伴った高熱が出現します。子供のみならず成人でも発症し、時に肺炎等を併発して重症化することがあります。予防策はワクチンの接種です。予防接種歴を確認して、2回接種が完結していない方は必ず予防接種をして入国することをお勧めします。

(7)狂犬病

 エチオピアは世界的に見ても狂犬病被害(死者数)の多い国に属します。首都も野良犬天国とも言えるほどたくさんの犬が放し飼いにされています。CDC(アメリカ疾病対策予防センター)によると、エチオピアでは毎年数千人の疑い症例があり、2700人以上が狂犬病にて死亡しています。飼い犬に対して必要なワクチンを接種しないモラル問題もあり、当国の狂犬病件数は減る見込みがありません。また、咬まれた後、24時間以内に接種すべき狂犬病ワクチンが接種できない可能性が高く、ワクチンを求めて急遽国外への出国を余儀なくされることもあるため、CDCはエチオピアへの渡航者に対して入国前の予防接種(暴露前接種)を勧めています。狂犬病は、犬のみならず様々な動物に咬まれた傷から狂犬病ウイルスが侵入し神経を伝って脳に到達し、治療を施さなければ最終的に死に至る病気です。当地で動物に咬まれたり引っ掻かれたりしたら、速やかに傷を流水で15分以上洗い、24時間以内を目安に病院を受診してください。状況によっては、ワクチンの他に抗狂犬病免疫グロブリン(HRIG)の注射を考慮するところですが、当国ではグロブリン製剤は入手できず、暴露前接種を赴任前に済ませることをお勧めします。

(8)髄膜炎菌性髄膜炎

 感染者からくしゃみなどによる飛沫感染で細菌が伝播し、気道から血液、髄液へと侵入する病気で、高熱や皮膚の出血斑、関節炎症状に続いて吐き気などの髄膜炎症状が現れ、重症では痙攣、意識障害、ショックを起こして死に至ります。
 エチオピアは「髄膜炎ベルト」内にあり、2022年の国内集計では7月までに2066人の感染と10名の死亡が報告されています。感染は乾期に起こりやすいと言われています。CDCは乾季に当国で過ごす生後2か月以上の渡航者には髄膜炎菌ワクチンの接種を推奨しています。

(9)その他

 2019年から20年にかけて当国東部のハラレ・ディレダワを中心に流行した「チクングニア熱」は蚊に媒介されるウイルス感染症で、2022年も散発が報告されています。同じく蚊で媒介される「デング熱」は2017年、2019年、2021年に全国的なアウトブレイクが見られました。「黄熱」は2018年に35名、2020年は南部にて86名の感染が報告されました。

6 健康上心がけること

(1)急変する気候

 2月から5月の小雨季、6月から9月の大雨季には雨や雹、落雷などもあり、気温の寒暖差が大きくなります。咽頭炎、気管支炎なども出やすくなります。

(2)健康管理

 当地では成人病や癌などの検査が困難です。年一回は、日本での総合健康診断や人間ドックを受けることをお勧めします。バランスのとれた食生活や適度な運動を心がけましょう。

(3)医薬品の入手

 入手できる医薬品は限られています。インド製、中国製、アラブ首長国連邦製が多く、ほとんどがジェネリック薬品です。医薬品もワクチンも時期よって流通しているときと無いときがあり、いつでも医薬品が入手できる環境にはありませんが、私立病院の薬局では欧米系の医薬品を手に入れることができます。当地では日本製の医薬品を手に入れることはできません。ご自身に必要な常用薬は十分な数量を持参されることをお勧めします。

(4)メンタルヘルス

 モノが手に入りにくい、食べ物が口に合わない、停電・断水などが多い、治安が不安定、娯楽が少ないなど決して生活しやすい環境とは言えません。文化的な違いから現地の人との人間関係において快適でない時期を過ごすこともあるでしょう。また狭い日本人社会での人間関係もときに精神的な負担となる場合があります。

 ストレスを溜めないためには、家族や友人などと何でも話し合える良好な関係を築くことが大切です。運動など体を動かすこともストレス解消に役立ちます。長期滞在される方は、定期的に休暇を取り精神的にリフレッシュできるよう意識的に心掛けてください。ストレスを抱えてどうしようもなくなる前にぜひ誰かに相談しましょう。

(5)妊娠出産:

 異常分娩への対応が十分とは言えませんので、日本での出産をお勧めします。

7 予防接種(ワクチン接種機関含む)

(1)赴任者に必要な予防接種

 赴任や旅行に当たっては以下の予防接種が必要です。

  • 黄熱:必須。黄熱予防接種(イエローカード)の証明書は生涯有効です。
  • A型肝炎:強くお勧めします。
  • 破傷風:強くお勧めします。
  • 流行性髄膜炎(髄膜炎菌):お勧めしますが、日本国内では一部の医療機関でしか接種できません
  • 狂犬病(暴露前接種):強くお勧めします。
  • 腸チフス:強くお勧めしますが、日本国内では一部の医療機関でしか接種できません。
  • B型肝炎:強くお勧めします(特に小児)

 当地ではワクチンの流通が不安定で、希望するワクチンがない場合が多く、またいつでも入手できる保証がありません。日本で(あるいは入国前に)予防接種を済ませてからエチオピアに来られることを勧奨します。

 WHOは黄熱感染地域からエチオピアに入国する1歳以上の旅行者に、黄熱予防接種証明書(イエローカード)が必要としています。通常Bole空港でイエローカードの提示を求められることはありませんが、エチオピアから出国後、他国入国時や、経由地で提示を求められることがあります。当地でも接種可能ですが、他の予防接種と同様、日本で受けて来られることをお勧めいたします。

 また、幼小児期で免疫を確立すべき大事な時期をワクチンの入手できない当地で過ごすことには命の危険を伴います。必要なワクチンスケジュールは日本で(あるいは医療先進国で)完遂する(あるいは持参してくる)ことを第一に考えましょう。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

    初回 2回目 3回目 4回目から
BCG   出生時      
DTwP・Hib・HepB・PCV10 ジフテリア
破傷風トキソイド
不活化ポリオ(IPV)
インフルエンザ菌b型
B型肝炎
肺炎球菌
6週 10週 14週  
Measles 麻疹 9か月 15か月    
OPV 経口ポリオ 出生時 6週 10週 14週
RV1 ロタウィルス(1価) 6週 10週    
HPV4(女児) ヒトパピローマウイルス 14歳 初回の半年後    
TT 破傷風トキソイド 妊娠中 初回の1か月後 2回目の6か月後 3回目の1年後、2年後

(注)日本とは接種スケジュールが異なりますのでご注意ください。エチオピアでは風疹、水痘、おたふく、日本脳炎が任意接種になります。また、B型肝炎など、日本とは使用ワクチンが異なるものがあります。複数回接種のワクチンは同種を接種することをお勧めいたします。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 現地公立校に入学・入園する際に、予防接種証明の提出は求められていませんが、当地のインターナショナル校に入学する際には求められます。

(4)乳児健診

 当国には、同制度はありません。

8 病気になった場合(医療機関等)

 日本人が安心して利用できる医療機関や先進国同様の医療を当地では期待できません。以下に示す医療機関(全て私立)は外国人医師や一部の専門医もいて、邦人も入院可能です。
 重症の場合は近隣の医療先進国への緊急移送を考慮する必要があります。移送にかかる費用は高額ですので海外旅行傷害保険の加入時に「救援」に十分な掛け金をあてることが必須です。
 アディスアベバ以外の地方都市では、一般的にさらに医療事情は悪く、体調を崩した時には、早急に首都へ戻ることをお勧めします。

(首都)アディスアベバ市内

(1)Nordic Medical Centre(ノルデイック・メデイカルセンター)
所在地:Bole Sub City, Kebele 01,H.No-1244
電話:8901/0929 105653
概要:一般内科・外科を中心としたコンパクトな病院。24時間救急対応(8901)します。血管外科が専門の院長先生のほか、複数の欧州出身医師と現地人医師が常勤します。英語による意思疎通が可能で、画像検査ではCT撮影が可能です。欧州基準の診療が展開され、邦人が入院施設として利用できます。一般診療と応急処置までは十分対応できると思われますが、重症外傷、脳・心血管等の専門的治療では対応できない分野があります。施設で高機能救急車を有し、1台は当地のインターナショナルスクールで待機しています。初診料は1850ブル(1ブル約1円)、入院は4300~5800ブル/日と当地では高額ですが、緊急移送の経験などもあり他国大使館員が入院治療で利用している施設です。院内薬局には欧米から取り寄せた医薬品、ワクチンなどがあり購入できます。
ホームページ:Nordic Medical Centre(英語)別ウィンドウで開く
(2)Myungsung Christian Medical Center(MCM又は通称コリアン ホスピタル)
所在地:Bole Sub City Woreda 14、Gerji地区
電話:011-629-5421(to 29)、救急室:011-629-4602
概要:韓国のミッション系病院で、当国にある私立総合病院として最大規模を誇ります。医科大学も併設しており現地人医師のレベルアップにも貢献しています。臨床検査室、CT、MRIは配備されています。救急は24時間対応します。脊椎外科が専門の院長先生のほか韓国人医師も複数勤務していますが、同医大を卒業した現地人医師も多く勤務します。産婦人科などは現地人の支持が厚く、眼科、歯科、整形外科、透析科、耳鼻科などのマイナー科もあります。韓国から短期出張でくる専門医がカテーテルを用いた放射線インターベンション治療なども提供しています。
ホームページ:Myungsung Christian Medical Center(英語)別ウィンドウで開く
(3)Suisse Clinic(スイスクリニック)
所在地:Kirkos Sub City Woreda 04 H.No-841
電話:0 11-416-1649、携帯電話(院長先生)0921787120
概要:小児科・一般内科だけのクリニックで入院施設はありません。院長先生の専門が、小児科で現地人、外国人問わず広く支持されています。入院が必要になった場合は、上記(1)ノルディック メディカルセンターに転送される仕組みになっています。
ホームページ:Suisse Clinic(英語)別ウィンドウで開く
(4)Kadisco General Hospital(カディスコ ホスピタル)
所在地:Bole Sub City Woreda 11、Gerji地区
電話:(011)629-8902、3、4
概要:24時間オープンの総合病院。内科・外科・産婦人科・小児科を中心に整形外科、リハビリ科、皮膚科、耳鼻科等のマイナー科も備えます。現地人から支持の厚い病院。同敷地内に、個室病棟と画像検査の機器を新規に取り入れた新しい病棟を建設中です。
ホームページ:Kadisco General Hospital(英語)別ウィンドウで開く
(5)Addis Ababa Silk Road General Hospital(シルクロードホスピタル)
所在地:Old Airport方面、当地UAE大使館近く
電話:0936-610-666、救急外来:0936-630-666
概要:2019年11月に新規開業した総合病院で、最新医療機器と専門医20人を擁する高度専門治療が提供できる施設です。院長は泌尿器科医で、他の専門医はロシア等の出身者で、現地人医師/看護師も勤務します。診療科には歯科、内視鏡科、脳外科、循環器科、内分泌科、産婦人科、小児科、皮膚科、眼科等のマイナー科もあります。
ホームページ:Addis Ababa Silk Road General Hospital(英語)別ウィンドウで開く

9 一口メモ(アムハラ語)

 エチオピアの公用語はアムハラ語です。独特の文字があります。地方ではオロモ語、ティグリニア語など、民族毎に独自の言語を話す部族がいます。医療機関では、ほとんどの医師は英語を話しますが、一般の人には英語が通じないことが多く、緊急の場合に備え簡単なアムハラ語は知っておいた方が良いでしょう。

 医療機関受診時は下記をプリントアウトしてあらかじめ記載の上、受診されると意思の伝達が早いと思われます。[出典:厚生労働省 外国人向け多言語説明資料一覧(英語:日本語併記)]

病院受診に関する言葉

 地方都市では英語が通じない状況が想定されますので、現地語であるアムハラ語を指差して意思を伝えるよう、以下の対照表をご活用ください。

  • 例:病院(救急外来)へ連れて行って下さい:Take me to the hospital(emergency room) ወደ የሐኪምቤት ድንገተኛ ክፍል ውሰደኝ ワダ ハキムベット ディンガテンニャ クフル ウサドゥニャ
  • 病院:hospital ሐኪምቤት ハキムベット
  • 公立病院:Public hospitals የህዝብ ሐኪምቤት ヤハズブ ハキムベット
  • 私立病院:Private hospitals የግል ሐኪምቤት ヤグル ハキムベット
  • 救急外来:Emergency Department የድንገተኛ ክፍል ヤディンガテンニャ クフル
  • 医師:Doctor ሐኪም ハキム
  • 内科医:Physician አጠቃላይ ሐኪም タカラッラ ハキム
  • 心臓専門医:Cardiologist የልብ ሐኪም ヤリッブ ハキム
  • アレルギー専門医:Allergist የአለርጂ ሐኪም ヤアレルジック ハキム
  • 一般外科医:General Surgeon አጠቃላይ ቀዶ ጥገና ሐኪም ヤタカライ カドゥ タガニャ ハキム
  • 脳外科医:Brain Surgeon የአንጎል ቀዶ ጥገና ሐኪም ヤアンゴル カドゥ タガニャ ハキム
  • 整形外科医:Orthopedic Surgeon የአጥንት ቀዶ ጥገና ሐኪም ヤアトゥントゥ カドゥ タガニャ ハキム
  • 小児科医:Pediatrician የሕፃናት ሐኪም ヤヒツァッヌゥ ハキム
  • 産科医:Obstetrician የማዋለድ ሐኪም ヤマワラドゥ ハキム
  • 婦人科医:Gynecologist የማህፀን ሐኪም マハツァッン ハキム
  • 眼科医:Ophthalmologist የዓይን ሐኪም ヤアイン ハキム
  • 耳鼻咽喉科医:Otorhinolaryngologist  ከአንገት በላይ ሃኪም カアンガット バライ ハキム
  • 皮膚科医:Dermatologist የቆዳ ሃኪም コダ ハキム
  • 泌尿器科医:Urologist የሽንት ቧንቧ ሃኪም ヤシント ボンボウハ ハキム
  • 精神病医:Psychiatrist የሥነ አእምሮ ሐኪም ヤスナ アムロ ハキム
  • 歯科医:dentist የጥርስ ሐኪም ヤトゥルス ハキム

患者情報

  • ~歳:~ years old ~እድሜ イドメイ
  • 男性/女性:Men/Women ወንዶች/ሴቶች ウォンドッチ/セトウォッチ
  • 最終月経:Last menstrual period የመጨረሻው የወር አበባ ጊዜ ヤマチャラシャ ヤワル アババ ギゼ

体調

  • ~日前から:from days before ከ_ቀናት በፊት カ_カナトゥ バフィート
  • 今日の~時に:Today at o’clock ዛሬ ከ__ሰአት ጀምሮ ザレ カ__サアット ジャンマル
  • (下記)の症状があります:I have () symptoms. () ምልክቶች አሉዎት ()マルカットッチ アッロトゥ
  • 発熱:Fever ትኩሳት  トゥクスサアット
  • 鼻水:snot ንፍጥ ナフタ
  • 咳:Cough ሳል サアル
  • 痰:Phlegm አክታ アクタ
  • 痛み:Pai n ህመም ハマム
  • ~が痛い:~ hurts ~የህመም ስሜት ヤハマム スメット
  • 頭痛:Headache ራስ ምታት ラス マタット
  • 腹痛:stomach ache የሆድ ቁርጠት ヤホデ コロタットゥ
  • 歯痛:toothache የጥርስ ሕመም ヤトゥルス フメム
  • だるい:Feeling tired የድካም ስሜት ヤダカッマ スメット
  • 食欲不振:Anorexia የምግብ መዛባት ヤムグブ ミズバトゥ
  • 下痢:diarrhea ተቅማጥ タカマットゥ
  • 嘔気:Nausea ማቅለሽለሽ マクラシュラシュ
  • 嘔吐:vomiting ማስመለስ ゾウカンラス
  • 便秘:Constipation ሆድ ድርቀት ボドゥ ドルカットゥ
  • 気分が悪い:Feeling sick  መጥፎ ስሜት マットフォ スメット
  • めまい:dizzy መፍዘዝ マフザズ
  • しびれる:Numbing መደንዘዝ マダンザズ
  • 動悸:Palpitations የልብ ምት ヤリッブ メトゥ
  • かゆみ:itch  ማሳከክ マスカック
  • 眠れない:can not sleep እንቅልፍ እጥዖት インクルフゥ イトォトゥ
  • 不安である:Anxiety ጭንቀት チンカット

アレルギー、既往歴情報

  • アレルギー:allergy አለርጂ アレルジ
    • 例:ペニシリンアレルギーがあります:I have a penicillin allergy የፔኒሲሊን አለርጂ አለብኝ ヤペニシリン アレルジ アッレビン
    • 例:~で治療を受けています:I am receiving treatment in~ ~እየታክምኩ ነው イヤタッカムク ノウ
    • 例:~の手術を受けたことがあります:I have had surgery for~ ~ቀዶ ጥገና ተደርጎልኛል クドゥ タガナ タダゴリシャル
  • 高血圧:High blood pressure ከፍተኛ የደም ግፊት カフテンニャ ダム グフィート
  • 糖尿病:Diabetes የስኳር በሽታ ヤスクワル バシタ
  • 脂質異常症(高脂血症):Dyslipidemia (hyperlipidemia) የስብ ክምችት ヤスブ クムチトゥ

病名

  • 風邪:cold ሳል サアル
  • インフルエンザ(流行性感冒):Influenza (common cold) ጉንፋን グンファン
  • 新型コロナウイルス:New coronavirus አዲስ ኮሮናቫይረስ アディス コロナヴァイルス
  • 中耳炎:Otitis media ጆሮ በሽታ ジョロ バシタ
  • 副鼻腔炎:Sinusitis  ብሮንካይተስ ブロンカイト
  • 気管支炎:Bronchitis የመተንፈሻ አካላት ህመም ヤマタンファシャ アカラトゥ フマムゥ
  • 肺炎:Pneumonia የሳንባ ምች ヤサンバ ムチィ
  • 胃腸炎:Gastroenteritis የሆድ በሽታ ヤホデ バシタ
  • 食道炎:Esophagitis የጨጓራ በሽታ ヤチョコラ バシタ
  • 胃潰瘍:Gastric ulcer የጨጓራ ቁስለት ヤチョコラ コスラット
  • 虫垂炎(盲腸):Appendicitis (cecum)  ትርፍ አንጀት トゥルフ アンジェット
  • 痔:Hemorrhoids ኪንታሮት キンタロトゥ
  • 外傷:Trauma  ድንጋጤ ディヌゥガティ
  • 火傷:Burns  ቃር カル
  • 出血:Bleeding የደም መፍሰስ ヤダム マファセスゥ
  • 膀胱炎:cystitis  የሽንት ቧንቧ ኢንፌክሽን シンテ ボンボウファ エンフェクション
  • 熱中症:heatstroke ሙቀት መጨመር モカットゥ マチャマル
  • 脱水症:Dehydration ድርቀት トゥルカット
  • 喘息:Asthma አስም アスム
  • 貧血:Anemia የደም ማነስ ヤダマ マナス
  • 骨折:Fractures ስብራት スブラットゥ
  • 脱臼:Dislocation ንቅላት ヌゥクラット
  • デング熱:Dengue fever ቁርጥማት እና ትኩሳት コルトマットゥ ナ トゥクスサアット
  • マラリア:malaria ወባ ワバ
  • 黄熱:Yellow Fever ቢጫ ወባ ビチャワバ

検査を表す言葉

  • 喀痰検査:Sputum examination የአክታ ምርመራ アクタ マルマラ
  • 尿検査:Urinalysis የሽንት ምርመራ ヤシンテ マルマラ
  • 便検査:Stool test የሰገራ ሙከራ ヤスガラ マルマラ
  • 血液検査:Blood test የደም ምርመራ ヤダム マルマラ
  • 髄液検査:Cerebrospinal fluid examination ስፓይናል ፈሳሽ ምርመራ スパイラル ファサシ マルマラ
  • X線検査:X-ray inspection የኤክስሬይ ምርመራ エックスレイ マルマラ
  • 超音波検査:Ultrasound examination የአልትራሳውንድ ምርመራ ヤアトラサウンド マルマラ
  • CT/MRI検査:CT/MRI examination ሲቲ/ኤምአርአይ ምርመራ CT/MRI マルマラ

治療

  • 薬:medicine መድሃኒት メディハニット
  • 解熱剤:Antipyretics  የትኩሳት መድኃኒቶች ヤトゥクスサアット メディハニットッチ
  • 鎮痛剤:Pain relievers የህመም ማስታገሻዎች ヤハママ メディハニットッチ
  • 薬局:pharmacy  ፋርማሲ ファルマシー
  • 注射:Injection መርፌ マルフェ
  • 手術:Surgery  ቀዶ ጥገና カドォ タッガナ
  • 入院:hospitalization ሐኪምቤት መተኛት ハキムベット マテンニャット
  • 家族の付き添いはできますか?:Can family members accompany me?  የቤተሰብ አባላት አብረውኝ ሊሄዱ ይችላሉ? ヤベトサブ アバラット アブラウイン メヘド イチャラロ?
  • カードで支払いできますか?:Can I pay by card? በካርድ መክፈል እችላለሁ? バカード マカファル イチャラロ?
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