アジア

令和7年2月5日

 2月1日から5日まで、生稲晃子外務大臣政務官は、バングラデシュ人民共和国及びスリランカ民主社会主義共和国を訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。

I バングラデシュ(2月1日~2月3日)

1 バングラデシュ政府要人等との意見交換

(1)ユヌス首席顧問への表敬

会談する生稲外務大臣政務官とモハマド・ユヌス・バングラデシュ人民共和国暫定政権首席顧問
笑顔で懇談する生稲外務大臣政務官とモハマド・ユヌス・バングラデシュ人民共和国暫定政権首席顧問

 2日、生稲政務官は、ユヌス首席顧問(Dr.Muhammad Yunus, Chief of Adviser of the Interim Government of the People’s Republic of Bangladesh)を表敬訪問し、「戦略的パートナーシップ」の下、今後も同国の発展と繁栄に向けた協力を継続し、暫定政権と共に両国関係を更に発展させていくことを伝達しました。また、生稲政務官から、バングラデシュに進出する日本企業が堅調に増加していることに触れつつ、治安情勢の安定化と在留邦人の安全確保への協力を要請しました。
 これに対し、ユヌス首席顧問は、これまでのバングラデシュに対する日本の支援に謝意を表明するとともに、両国の友好関係や具体的協力を更に推進していきたい旨述べました。

(2)ホセイン外務担当顧問との会談

生稲政務官とホセイン外務担当顧問との記念撮影

 2日、生稲政務官は、ムハンマド・トゥヒド・ホセイン外務担当顧問(H.E. Mr. Md. Touhid Hossain, Adviser for Foreign Affairs of the Interim Government of the People’s Republic of Bangladesh)と会談を行いました。
 生稲政務官から、日・バングラデシュ経済連携協定(EPA)交渉、防衛装備品・技術移転協定交渉、政府安全保障能力強化支援(OSA)の着実な実施を含め、安全保障、経済、人的交流などの幅広い分野で二国間関係の進展に取り組んでいく旨述べるとともに、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けた連携を確認しました。
 これに対し、ホセイン外務担当顧問から、生稲政務官のバングラデシュ訪問を歓迎するとともに、これまでの日本からの支援に謝意を述べつつ、二国間の友好関係を引き続き継続し、協力していきたい旨述べました。
 また、生稲政務官から、経済協力、投資環境改善、EPA交渉、情勢の安定化や邦人保護への協力について提起しました。さらに、両者は、ミャンマー・ラカイン州からの避難民に対する人道支援を始め、この問題の解決に向けた取組について意見交換しました。

2 式典参加、視察等

(1)シャヒードスルワルディ医科大学病院視察

生稲政務官と病院の関係者の集合写真
病院を視察する生稲政務官

 2日、生稲政務官は、日本のODAにより、日本人専門家による技術協力等を実施しているシャヒードスルワルディ医科大学病院を訪問し、院内の視察を行いました。
 病院の関係者からは、日本の協力が質の高い医療の提供に繋がっている旨説明がありました。

(2)在留邦人との意見交換

 2日、生稲政務官は、国連機関・NGOの邦人職員代表や日本企業関係者と懇談し、バングラデシュで現在直面している課題やビジネスの現状、今後の協力の可能性等について、意見交換を行いました。

(3)無償資金協力案件署名式

生稲外務大臣政務官立会いの下、無償資金協力に関する書簡の署名・交換が行われた様子

 3日、生稲政務官とモハンマド・カイルール・ハッサン・バングラデシュ人民共和国環境・森林・気候変動省次官補立ち会いの下、齋田伸一駐バングラデシュ人民共和国日本国特命全権大使と、モハンマド・シャハリアル・カデル・シディキ・バングラデシュ人民共和国財務省経済関係局次官との間で、供与限度額8.35億円の無償資金協力「大気汚染モニタリング機材整備計画」に関する書簡の署名・交換が行われました。

(4)都市高速鉄道(MRT6号線)視察

都市高速鉄道(MRT6号線)を視察する生稲政務官
生稲政務官と関係者との集合写真

 3日、生稲政務官は、ダッカにおいて、円借款事業として日本が支援しているMRT6号線を視察しました。

(5)ダッカ襲撃テロ事件犠牲者の慰霊碑への献花

慰霊碑に献花し黙祷する生稲政務官

 3日、生稲政務官は、2016年7月に発生したダッカ襲撃テロ事件で犠牲になった方々の慰霊碑に献花しました。

II スリランカ(2月3日~2月5日)

1 スリランカ政府要人との面会

(1)ディサナヤケ・スリランカ大統領への表敬

ディサナヤケ大統領と笑顔で握手する生稲外務大臣政務官
ディサナヤケ大統領を表敬中の生稲外務大臣政務官

 3日、生稲政務官は、アヌラ・クマーラ・ディサナヤケ大統領(H.E. Mr. Hon. A. K. Dissanayake, President of the Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)への表敬を行いました。

 生稲政務官から、スリランカの独立記念日に際して祝意を述べるとともに、日本とスリランカの長年にわたる友好関係に基づき、ディサナヤケ大統領と共に、「包括的パートナーシップ」の下で両国関係を一層発展させていきたいと述べました。また、生稲政務官から、日本として様々な分野での協力を進めていく考えである旨述べました。その上で、IMFと合意した改革の着実な実施や債務再編の早期完了の重要性について指摘しつつ、日本は今後もスリランカの経済再生への取組を後押ししていく旨述べました。
 これに対し、ディサナヤケ大統領から、これまでの長きにわたるスリランカに対する日本の支援に謝意が表明されるとともに、同日署名された無償資金協力「経済社会開発計画」(廃棄物収集・輸送車の供与)についても、謝意の表明がありました。政治、経済、人的交流を含めた様々な分野で二国間関係を強化していきたい旨発言がありました。

(2)アマラスーリヤ・スリランカ首相への表敬

アマラスーリヤ・スリランカ首相と握手する生稲政務官

 4日、生稲政務官は、ハリニ・アマラスーリヤ・スリランカ首相(Hon. Dr. Harini Amarasuriya, Prime Minister of the Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)への表敬を行いました。
 生稲政務官から、両国の伝統的な友好に基づく二国間の更なる進展に向け、引き続き「包括的パートナーシップ」の下での経済、人的交流の分野などでの協力を進めていきたい旨述べました。これに対し、アマラスーリヤ・スリランカ首相から、長年の経済協力及び債務再編に対する日本の支援に対し感謝するとともに、人的交流やスリランカ人材の日本への受け入れについての関心が示されました。

2 式典参加、視察等

(1)独立記念式典

 4日、生稲政務官は、第77回スリランカ独立記念式典に出席しました。同式典ではディサナヤケ大統領による演説の他、スリランカの陸・海・空軍他のパレードが行われ、観閲しました。

(2)無償資金協力案件署名式

 3日、生稲晃子外務大臣政務官及びアニル・ジャヤンタ・フェルナンド・スリランカ労働大臣兼経済開発副大臣の立ち会いの下、磯俣秋男駐スリランカ民主社会主義共和国日本国特命全権大使と、シリワルダナ・スリランカ財務・計画・経済開発省次官との間で、供与額3億円の無償資金協力「経済社会開発計画」(廃棄物収集・輸送車の供与)に関する書簡の署名・交換が行われました。

(3)Lanka Nippon BizTech Institute(LNBTI)及びスリジャヤワルダナプラ総合病院の視察

日系大学であるLNBTIを視察する生稲政務官
病院を視察する生稲政務官

 4日、生稲政務官は、両国のIT企業が共同出資して設立したスリランカ初の日系大学であるLNBTIを訪問し、日本の言語・文化・商慣行に関する知識を持った高度IT人材の育成の現場を見学するとともに、学長や学生と日本語で意見交換を行いました。また、日本の無償資金協力により1984年に設立されたスリジャヤワルダナプラ総合病院を訪問しました。

(4)在留邦人、知日スリランカ人との意見交換

 4日、生稲政務官は在留邦人の代表と面会し、スリランカにおけるビジネスや開発協力の現状と今後の展望等について意見交換を行いました。また、知日スリランカ人の代表と面会し、様々な分野での二国間の人的交流の現状、今後の展望等について意見交換しました。


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