フィリピン共和国
日・フィリピン外相会談、ワーキング・ランチ及びリサール公園における献花
令和7年1月15日
フィリピン訪問中の岩屋毅外務大臣の1月15日午前の主な行事の概要は以下のとおりです。
1 日・フィリピン外相会談及びワーキング・ランチ


1月15日、午前11時15分(日本時間同日12時15分)から約110分間、フィリピン・マニラを訪問中の岩屋毅外務大臣は、エンリケ・マナロ・フィリピン共和国外務大臣(Hon. Enrique A. Manalo, Secretary for Foreign Affairs of the Republic of the Philippines)との間で、日・フィリピン外相会談及びワーキング・ランチを行ったところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭
- ア マナロ大臣から、今般の訪問を歓迎する、岩屋大臣との間で日・フィリピン関係を更に強化していきたい旨述べました。
- イ これに対し、岩屋大臣から、11月のイタリアでの会談から間を置かずお会いできて嬉しい、戦略的パートナーであるフィリピンとの二国間関係を更なる高みに引き上げたい旨述べました。地域の戦略的環境が厳しさを増す中で、日米フィリピン3か国の重層的な協力の維持・強化も重視しており、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けて、地域・国際社会の諸課題における連携を強化したい旨述べました。さらに、「2025年大阪・関西万博」へのフィリピンの参加を歓迎し、両国から多くの来場者が訪問することを期待する旨述べました。
- 二国間関係に関し、両外相は、安全保障・経済を始めとする以下の分野で協力を深化していくことで一致しました。
- ア 安全保障分野に関し、フィリピンの海洋安全保障向上のためのOSAや海上保安能力向上のためのODAによる支援を引き続き進めていくことを確認しました。また、日・フィリピン部隊間協力円滑化協定(RAA)の発効に向けた手続を進めていくことを確認しました。更に、戦略認識と協力の方向性の摺り合わせのため、本年中に、マニラで次官級戦略対話を開催することで一致しました。
- イ 経済分野に関し、マルコス政権が重視する、洪水対策を含むインフラ整備、気候変動対策、情報通信といった分野において、日本の強みを活かした協力を進めていくことを確認しました。これに対し、マナロ大臣は、日本の支援に対する評価を述べた上で、さらなる支援への期待の表明がありました。さらに、マナロ大臣からは、投資活性化のためビジネス環境整備に引き続き取り組む旨述べました。
- ウ ミンダナオ和平について、岩屋大臣から、我が国として女性・平和・安全 保障(WPS)の観点も含めた経済社会開発を引き続き後押しする旨を述べました。これに対し、マナロ大臣は、長年の日本の支援に対する謝意とともに、今後とも日本とも協力しつつ円滑なバンサモロ自治政府樹立に向けて取り組む旨述べました。
- エ 両外相は、本年の「2025年大阪・関西万博」の機会を捉えて、人的交流を活発化させるべく協力していくことを確認しました。
- 両外相は、今後の国際情勢の見通しについて意見を交わすとともに、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けて、以下を含む分野で協力を一層強化していくことで一致しました。
- ア 日米フィリピン三か国協力については、13日に首脳テレビ会議が実施されたことの重要性について認識の共有があり、その上で、海洋安全保障、サイバー、経済安全保障、インフラ強靱化といった分野の連携が具体化していることを歓迎し、まもなく発足する米国の新政権との間でも、意思疎通を続け、そのモメンタムを維持・強化していくことを確認しました。
- イ 地域の喫緊の課題である東・南シナ海、ミャンマーの他、核・ミサイル問題及び拉致問題を含む北朝鮮への対応を始めとする東アジア情勢、中東情勢、ウクライナ情勢といった重要な課題を議論し、こうした課題の対処に当たり、日フィリピン間で情勢認識の共有を図った上で、連携を一層強化していくことで一致しました。
2 リサール公園における献花

この行事に先立ち、現地時間午前9時40分(日本時間同日午前10時40分)から約10分間、岩屋大臣は、フィリピンの独立運動を主導した国民的英雄ホセ・リサールの像が設置されているリサール公園において献花を行いました。