フィリピン共和国
柘植外務副大臣のフィリピン共和国訪問(結果)
8月19日から21日まで、柘植芳文外務副大臣は、フィリピン共和国を訪問しました。この訪問の概要は以下のとおりです。
1 マナロ外務大臣への表敬
20日、柘植副大臣は、エンリケ・マナロ・フィリピン共和国外務大臣(Hon. Enrique A. Manalo, Secretary for Foreign Affairs of the Republic of the Philippines)を表敬しました。
- 柘植副大臣から、先月の第2回外務・防衛閣僚会合(「2+2」)などを通じ、幅広い分野で両国の具体的な協力が進展していることを喜ばしく思う旨述べるとともに、2026年の日・フィリピン国交正常化70周年を見据え、両国間の連携を更に強化したい旨述べました。また、柘植副大臣から、過日、東京で開催された「バンサモロ包括和平合意締結10周年記念シンポジウム」に出席した旨紹介しつつ、来年には自治政府が樹立予定という段階まで来たことを感慨深く受け止めている旨述べ、引き続きミンダナオ和平を後押ししていきたいとの考えを示しました。
- これに対し、マナロ大臣は、柘植副大臣のフィリピン訪問を歓迎するとともに、幅広い分野での両国の協力の進展を歓迎する旨述べました。また、マナロ大臣は、ミンダナオ和平に向けた日本の長年にわたる支援に対する謝意を示しつつ、今後も、様々な分野において、二国間関係を更に発展させていきたい旨述べました。
- 両者は、二国間関係や地域・国際情勢について率直に意見交換を行い、共に海洋国家であり、基本的な価値と原則を共有する両国が、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化すべく、また、地域の平和と安定を維持するため、連携を強化していくことを確認しました。
2 国費留学生壮行会への出席及び元日本留学生との意見交換
- (1)21日、柘植副大臣は、今秋に渡日予定のフィリピン人国費留学生の壮行会に出席し、挨拶を行いました。柘植副大臣は、挨拶の中で、自分の国にいながらにして世界中の様々な情報が手に入る時代に、日本の今を自らの肌で感じ、理解しようと行動する皆様に、心からのエールを送る旨述べた上で、日本とフィリピンが信頼できるパートナーであり続けるためにも、国費留学生の方々の活躍に期待する旨述べました。また、柘植副大臣は、日本とフィリピンとの留学交流が人と人とのつながりを基盤に大きく発展したことに触れ、日本留学経験者を中心に、両国の多くの人々の間に、将来の財産となる人と人とのつながりが築かれることを願う旨述べつつ、人と人のつながりを大切にして友人との絆を深め、充実した留学生活を過ごしてほしいと、出席者を激励しました。
- (2)また、柘植副大臣は、この機会に、本年6月にカンボジアで開催されたアセアン元日本留学生評議会(ASCOJA)主催のシンポジウムにおいて交流を深めたフィリピン元日本留学生連盟のドミンゴ・ゴー会長及びフィリップ・サンビクトレス元会長と懇談を行いました。双方は、再会を喜び合い、日本とフィリピンの留学交流の更なる促進とフィリピンを含むASEANの元日本留学生との交流を通じた人的交流の一層の活性化などについて意見交換を行いました。
- (3)さらに、柘植副大臣は、これから渡日する国費留学生の代表と懇談し、日本留学に向けての期待などを国費留学生から聞くとともに、日本での生活では、「人と人とのつながり」を大切にし、充実した留学生活を送って欲しい旨伝えました。この懇談には、フィリピン元国費留学生協会の幹部も同席し、柘植副大臣は、これら幹部との間で優秀な国費留学生の日本への送り出しについて意見交換を行いました。
3 その他
(1)パリ2024オリンピック競技大会フィリピン代表選手団メダリスト表彰行事出席
19日、柘植副大臣は、フィリピン上院の招きに応じ、パリ2024オリンピック競技大会フィリピン代表選手団メダリスト表彰行事に出席し、フィリピン代表選手団を激励しました。
柘植副大臣は、長年日本でトレーニングを実施し、体操競技男子種目別ゆか及び跳馬の2種目にて、全競技を通じてフィリピン男子選手史上初めてとなる金メダルを獲得したカルロス・ユーロ選手と短時間言葉を交わし、祝意を伝達しました。
また、柘植副大臣は、柔道競技に出場した日系のキヨミ・ワタナベ選手やその家族らとも短時間言葉を交わし、今後の一層の活躍を祈念する旨伝えました。
(2)マニラ軽量高架鉄道(LRT)1号線車両工場視察
20日、柘植副大臣は、我が国がODAにより拡張事業を支援しているマニラ軽量高架鉄道(LRT)1号線車両工場を視察しました。
(3)日系企業関係者との意見交換
20日、柘植副大臣は、昼食会を主催し、フィリピンに進出する日系企業関係者との懇談を行いました。懇談において、柘植副大臣は、各企業の事業の状況や事業において抱える課題等について聴取するとともに、フィリピンにおけるビジネス環境の更なる改善のために必要な取組などについて意見交換を行い、長年フィリピンで現地に溶け込みつつ両国の経済関係の着実な進展を支える存在となっている出席者を激励しました。
(4)フィリピン日系人団体関係者との懇談
21日、柘植副大臣はフィリピン日系人団体関係者等との懇談を行いました。 懇談において、柘植副大臣は、フィリピン在住の日系人が置かれた状況や日々の活動について聴取し、今後の連携について意見交換を行う中で、日系人が戦後長らく困難を抱える中、互いに支え合い、日本人としてのアイデンティティを持ち続けてきたことに敬意を表するとした上で、希望する方の一日も早い国籍回復や一時帰国に向けた支援を積極的に進めていきたい旨述べました。