フィリピン共和国

　現地時間午前10時5分（日本時間同日午前11時5分）から約35分間、上川大臣は、木原稔防衛大臣と共にフェルディナンド・マルコス・フィリピン大統領（His Excellency Ferdinand R. Marcos, Jr.，President of the Republic of the Philippines）を表敬したところ、概要は以下のとおりです。なお、本表敬には、エンリケ・マナロ・フィリピン共和国外務大臣（Hon. Enrique A. Manalo，Secretary for Foreign Affairs of the Republic of the Philippines）及びギルベルト・テオドロ同国防大臣（Hon. Gilberto C. Teodoro, Jr., Secretary of National Defense of the Republic of the Philippines）も同席しました。

　
1. 冒頭、マルコス大統領から、上川大臣及び木原大臣のフィリピン訪問を歓迎するとともに、日・フィリピン部隊間協力円滑化協定は極めて重要であり、本日その署名に立ち会うことができるのを嬉しく思う旨発言がありました。

   　これに対し、上川大臣から、日比間では幅広い分野で具体的な協力が進展している旨述べつつ、特に、日・フィリピン部隊間協力円滑化協定に署名できることは大きな成果であり、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化すべく、マルコス大統領の指導力の下で連携を強化したい旨述べました。

2. 二国間関係について、上川大臣から、防衛装備移転や政府安全保障能力強化支援（OSA）を通じた地域の抑止力強化や経済安全保障面の協力も進めたい旨述べるとともに、フィリピンへのインフラ整備支援を継続していく考えを示しつつ、二国間の貿易・投資関係強化への期待を表明しました。

   　マルコス大統領は、これまでの両国間の協力の実績を踏まえつつ、二国間関係や日米比三か国間の協力を更に深化させたい旨述べました。

3. また、地域情勢やWPS、核軍縮・不拡散といった国際社会の課題への対応についても意見交換を行い、連携強化を確認しました。

　現地時間午前10時45分（日本時間同日11時45分）、上川大臣は、フェルディナンド・マルコス・フィリピン共和国大統領（H.E. Ferdinand R. Marcos, Jr., President of the Republic of the Philippines）臨席の下、ギルベルト・テオドロ・フィリピン国防大臣（Hon. Gilberto C. Teodoro, Jr., Secretary of National Defense of the Republic of the Philippines）との間で、「日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定」（日・フィリピン部隊間協力円滑化協定）への署名を行いました。なお、本署名式には、木原稔防衛大臣及びエンリケ・マナロ・フィリピン共和国外務大臣（Hon. Enrique A. Manalo，Secretary for Foreign Affairs of the Republic of the Philippines）も同席しました。

1. 日・フィリピン部隊間協力円滑化協定は、日・フィリピンの一方の国の部隊が他方の国を訪問して協力活動を行う際の手続及び同部隊の法的地位等を定める協定です。我が国が、部隊間協力円滑化協定を署名するのは、豪州及び英国に続いて、フィリピンが3か国目です。
2. この協定により、今後、日本及びフィリピン両国による共同演習や災害救助等の協力活動の実施が円滑化され、両国の部隊間の相互運用性が向上することが期待されます。
3. 地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、シーレーン上の戦略的要衝に位置し、我が国と基本的な価値や原則を共有する戦略的パートナーであるフィリピンとの間で安全保障分野の重要な協定に署名したことで、両国間の安全保障・防衛協力が更に促進されるとともに、インド太平洋地域の平和と安定が強固に支えられることになります。

　これらの行事に先立ち、現地時間午前9時10分（日本時間同日午前10時10分）から約10分間、上川大臣は、フィリピンの独立運動を主導した国民的英雄ホセ・リサールの像が設置されているリサール公園において木原稔防衛大臣と共に献花を行いました。