フィリピン共和国
日・フィリピン首脳会談
12月17日、午後4時05分から約25分間、岸田文雄内閣総理大臣は、日・ASEAN特別首脳会議に出席するため訪日中のフェルディナンド・マルコス・フィリピン共和国大統領(H.E. Ferdinand R. Marcos, Jr., President of the Republic of the Philippines)と日・フィリピン首脳会談を行い、その後、両国間で署名された文書の交換式が行われたところ、概要は以下のとおりです。会談及び文書交換式には、日本側から齋藤健経済産業大臣、森屋宏内閣官房副長官他が、また、フィリピン側からマーティン・ロムアルデス下院議長、エンリケ・マナロ外務大臣、フランシスコ・ティウ・ラウレル農業大臣、マリア・アントニア・ユーロ・ロイザガ環境天然資源大臣、チェロイ・ベリカリア=ガラフィル広報大臣他が同席しました。
1 首脳会談
(1)冒頭
岸田総理大臣から、訪日いただいたこと、また、11月のフィリピン訪問時に温かく歓迎いただいたことに謝意を述べるとともに、今月3日のミンダナオ島での地震及び爆発事件により亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、負傷者の方々に心からお見舞いを述べました。また、岸田総理大臣から、世界が歴史の転換点にある中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、人間の尊厳が守られる世界を確保すべく、フィリピンを含むASEANとの協力強化を重視していること、また、今回の特別首脳会議が、これまで築いてきた日本とASEANの「信頼」を次世代につなぎ、関係を更に強化していく機会となることを願う旨述べました。これに対し、マルコス大統領から、今回の訪日にかかる日本側の歓迎やこれまでの日本の支援に対する謝意が示されるとともに、岸田総理大臣との間で今後の日・フィリピン関係を一層発展させていきたい旨の発言がありました。
(2)二国間関係
岸田総理大臣から、政府安全保障能力強化支援(OSA)による沿岸監視レーダーの供与を着実に実施するとともに、今回署名された海上保安機関間の協力覚書も踏まえつつ、海上保安能力向上に係る協力を更に強化したい旨述べました。マルコス大統領から、OSAによる支援に謝意が示されるとともに、両首脳は、部隊間協力円滑化協定(RAA)交渉の早期妥結や海上保安機関間の協力強化に向け、引き続き連携していくことで一致しました。
岸田総理大臣から、「アジア・ゼロエミッション共同体」首脳会合を契機に、エネルギー移行や脱炭素化の協力を強化するとともに、引き続きインフラ協力も着実に進めたい旨述べました。マルコス大統領から、これらの分野でも日本との協力をより一層進めたい旨の発言がありました。
(3)地域及び国際的な課題への対応
両首脳は、地域・国際社会の諸課題についても意見交換を行い、引き続き連携していくことを確認しました。
2 文書交換式
会談後、両首脳立ち会いの下、以下の二国間協力関連文書の交換式が行われました。
- 海上保安庁とフィリピン沿岸警備隊との間の協力覚書
- 環境省とフィリピン環境天然資源省との間の環境保護分野における協力覚書(我が方文書交換者:伊藤信太郎環境大臣)