フィリピン共和国
日・フィリピン首脳電話会談
令和3年5月19日
5月19日、午後6時00分から約20分間、菅義偉内閣総理大臣は、ロドリゴ・ドゥテルテ・フィリピン共和国大統領(H.E. Mr. Rodrigo R. Duterte, President of the Republic of the Philippines)と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
- 二国間の協力について、菅総理大臣から、フィリピン政府による新型コロナ感染症対策に協力を惜しまない旨述べ、災害復旧スタンド・バイ借款を通じた200億円の資金支援及びワクチンをフィリピンの人々に届けるための約10億円のコールド・チェーン整備支援を表明しました。これに対して、ドゥテルテ大統領からは、新型コロナ対策を含む日本の協力に対して謝意が述べられました。特に、ドゥテルテ大統領から、自身が推進する「ビルド・ビルド・ビルド」政策への日本の支援について、マニラにおける地下鉄整備や南北通勤線延伸事業は、今後何世代も語り継がれるだろうと述べました。続いて、ミンダナオ和平への日本の支援に対しても謝意が述べられました。
- 両首脳は、本年が両国の国交正常化65周年及び戦略的パートナーシップ10周年に当たることを踏まえ、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」及び「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」の双方の実現に向けて緊密に連携していくことで一致しました。また、両首脳は、スールー・セレベス海等周辺地域における協力を強化することで一致しました。
- 菅総理大臣から、東シナ海及び南シナ海における力による一方的な現状変更の試みの継続・強化に反対することを伝え、海警法を含む最近の中国の動向について深刻な懸念を表明しました。両首脳は、国連海洋法条約(UNCLOS)を始めとする法の支配に基づいて地域の平和及び安定のために緊密に協力していくことで一致しました。
- ミャンマー情勢に関し、菅総理大臣から、4月24日のASEANリーダーズ・ミーティングを含めASEANの努力を高く評価している旨発言し、両首脳は、状況の改善に向けて引き続き連携していくことで一致しました。
[参考]災害復旧スタンド・バイ借款
災害発生後の復旧時に増大する資金ニーズに備えるため、被災国政府が災害復旧費用の貸付を請求できることをあらかじめ合意することにより、被災国の迅速な復旧を支援する借款。日フィリピン両政府間では、2020年9月に500億円を限度とする円借款について交換公文を署名。