フィリピン共和国
日・フィリピン外相会談


1 二国間関係
岸田大臣から,ドゥテルテ新政権発足に対する祝意を述べるとともに,本年は両国国交正常化60周年であり,「戦略的パートナーシップ」の下,両国の協力関係を更に力強く発展させたい旨述べ,両大臣は関係強化に向けて緊密に協力していくことで一致した。
さらに岸田大臣から,政治,安全保障,経済,文化等の幅広い分野において日フィリピン両国は緊密なパートナーであり,フィリピンの海洋安保能力の向上のため,巡視船の供与を着実に実施していく,また,海自練習機TC-90の有償貸与等の防衛装備協力,海自艦艇のフィリピン寄港,共同訓練の実施等,防衛当局間の協力も推進したい,インフラ整備やミンダナオ開発,犯罪・テロ対策等のドゥテルテ政権の重点分野に対し,ODAも活用し支援を積極的に進めたい,ミンダナオ和平も引き続き支援したい,ドゥテルテ大統領及びヤサイ外務大臣の訪日を期待する旨述べた。
これに対して,ヤサイ大臣から,フィリピンとしてはこれまでの日本の支援に感謝する,特に日本のインフラ分野での支援はフィリピン及びフィリピン国民の生活の発展に貢献している,また,巡視船の供与についてはフィリピンの領海・領土を守る上で大変重要であり感謝申し上げる,さらに日本のミンダナオへの支援により同地域の人々の生活が向上することで,治安の向上が見込まれる旨述べた。
2 地域情勢
(1)南シナ海
岸田大臣から,比中仲裁裁判の最終判断を受けて,当事国が判断に従うことにより,紛争が平和的に解決するよう,日フィリピン間で緊密に連携していきたい旨述べた。
これに対して,ヤサイ大臣から,フィリピンとしては,今回のASEAN外相会議において発出された共同コミュニケにおいて,国連海洋法条約を含む国際法に従った法的及び外交的プロセスの完全な尊重が盛り込まれたことは,今後の紛争解決につながるものとして高く評価している旨述べた。
(2)北朝鮮
岸田大臣から,北朝鮮の核,ミサイル,拉致といった懸案事項の解決に協力を得たい旨述べたところ,ヤサイ大臣から,是非日本と協力していきたい旨述べた。