ベトナム社会主義共和国

平成28年11月20日
写真提供:内閣広報室
写真提供:内閣広報室
20日午後0時20分(現地時間)から約30分間、APEC首脳会議に参加するためペルー・リマを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は、チャン・ダイ・クアン・ベトナム社会主義共和国主席(H.E. Mr. Tran Dai Quang、President of the Socialist Republic of Viet Nam)と、日・ベトナム首脳会談を実施したところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭

安倍総理から、クアン主席の4月の就任に祝意を示し、貴主席と首脳会談ができることは光栄である旨伝え、日ベトナム関係は、「広範な戦略的パートナーシップ」の下、最良の関係にあり、その象徴となる来年春の天皇皇后両陛下のベトナム御訪問が成功するよう、クアン主席の御協力をお願いしたい旨述べました。また、安倍総理は、来年のベトナムAPECの成功に向け全面的に協力したい旨述べました。

クアン主席からは、本日安倍総理とお会いできたことを非常に嬉しく思う、貴総理よりの就任への祝意へ感謝、日ベトナム関係は非常に良好であり、広範な戦略的パートナーシップの下、幅広い分野で協力が進展していることを嬉しく思う、本年1月の党大会後もベトナムの対外方針は不変であり、日本はベトナムにとって最優先のパートナーである旨述べました。

2 二国間関係

クアン主席は、日本は貿易、投資、ODA供与において最大のパートナーであり、ベトナム政府および国民に向けられた多大な関心に感謝し、引き続き様々な分野でのハイレベル、地方間、国民間の交流を強化していきたいと述べました。クアン主席は、天皇皇后両陛下の御訪問を高く評価し、二国間における大変重要な行事となる旨述べました。また、クアン主席は、安倍総理のベトナム再訪を強く望んでいる旨述べました。クアン主席は、来年11月にはダナンでAPECを開催予定であり、APEC成功に向けた支援をお願いしたい旨述べました。また、クアン主席は、現在二国間の貿易は良好であり引き続き投資分野でも日本からの投資を歓迎する旨述べました。

安倍総理は、天皇皇后両陛下への御招待に感謝し、来年のAPEC成功に向け、全面的に協力する旨述べました。また、安倍総理は、自分に対する招待も大変嬉しく思う、ハイレベルの交流とともに、国民間の交流も進めていきたい旨述べました。安倍総理は、日本は、ベトナムの最大の援助国であり、今年度上半期に約1,200億円の支援を表明したことを紹介し、今後も質の高いインフラ整備を中心にベトナムの発展に向けて最大限の協力を行っていくことを伝えました。安倍総理は、日系企業は既に多大な投資を行っているが、投資が一層増大することを期待し、そのためにもビジネス環境整備に取り組まれていることに敬意を表するとともに、投資環境の更なる改善を期待している旨述べました。また、安倍総理は、クアン主席から要請のあった、ベトナムに対する消防・救助車両の供与等について、今月、協力に向けた調査を開始することに加え、公安省水上警察に対する水上警備艇の供与を決定したことを伝達しました。更に安倍総理は、ベトナムから累次の要請がある新造巡視船の供与について、準備を進めたい旨述べました。安倍総理は、日ベトナム関係が歴史上最も良好な状態にあるが、さらにこれをクアン主席と共に発展させていきたい旨述べました。

3 地域・国際場裏の協力

安倍総理とクアン主席は、南シナ海問題について,法の支配に基づく紛争の平和的解決の重要性について一致し、引き続き連携していくことを確認しました。また、両首脳は、TPPに関し、自由貿易の流れを止めるべきではなく、国内手続きをそれぞれ進めていくとの立場で一致しました。その他、双方は北朝鮮問題等に関しても有意義な意見交換を実施しました。

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