カンボジア王国

令和4年11月12日
岸田総理大臣が、フン・セン・カンボジア首相と会談を行っている様子 フン・セン首相と会談する岸田総理 (写真提供:内閣広報室)
両国首脳が、交換公文の署名式に立ち会っている様子 署名式に立ち会う両首脳 (写真提供:内閣広報室)
日カンボジア両首脳による共同記者発表の様子 共同記者発表 (写真提供:内閣広報室)

 現地時間11月12日午後3時35分(日本時間午後5時35分)から約25分間、ASEAN関連首脳会議出席のためカンボジア王国を訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、フン・セン・カンボジア王国首相(Samdech Akka Moha Sena Padei Techo Hun Sen, Prime Minister of the Kingdom of Cambodia)と首脳会談を実施したところ、概要は以下のとおりです。
 会談後、両首脳は、カンボジアに対する4件の無償資金協力案件の交換公文の署名及び豊田通商とカンボジア経済財政省との間のカンボジアの自動車産業の発展に向けた協業に関するMOUの署名に立ち会い、その後、共同記者発表に臨みました。会談には、磯崎内閣官房副長官他が同席しました。

1 冒頭

 岸田総理は、国際社会が多くの難問に直面する中、フン・セン首相がASEAN議長として適切に対処し、更にはミャンマー情勢の事態打開に向けて尽力をされていることに敬意を表しました。これに対し、フン・セン首相からは、日本からのASEAN議長国としてのカンボジアへの支援に感謝する、岸田総理と共に様々な地域・国際情勢への対応について緊密に連携していきたい旨発言がありました。

2 二国間関係

  • (1)総論
     両首脳は、近年の両国の協力の進展を踏まえて、来年の外交関係樹立70周年の機会に両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げすることに合意し、これを機に両国関係をさらに飛躍させていくことで一致しました。
  • (2)安全保障協力
     岸田総理は、今後もカンボジアに艦艇を派遣し、隊員のリアム基地訪問や親善訓練を進めていきたい、と述べ、両首脳は、安全保障分野における様々な協力を推進していくことを確認しました。
  • (3)経済関係
     岸田総理は、官民を挙げてカンボジアの産業の発展と産業人材育成に協力していく旨述べ、フン・セン首相から、日系企業によるカンボジア経済・産業への貢献について高く評価し、日系企業の投資をさらに誘致していきたい旨発言がありました。
  • (4)新たな分野における協力推進
     両首脳は、今回新たにサイバーセキュリティ案件を含む無償資金協力4件が署名に至ったことを歓迎しました。岸田総理は、今後も5Gネットワーク構築や、人材育成で連携していく旨、また、「アジア・ゼロエミッション共同体構想」の実現に向けて連携していきたいと述べました。
  • (5)民主主義・人権分野
     岸田総理から、日本は引き続きカンボジアの民主的発展を後押ししつつ、来年7月の総選挙が自由・公正かつ国民の多様な声を反映した形で実施されることを期待する旨述べました。フン・セン首相からは、自由で公正な選挙の実施に向けて努力していく旨発言がありました。
  • (6)日カンボジア外交関係樹立70周年
     岸田総理から、来年の日カンボジア外交関係樹立70周年を、観光も含めより多くの両国民が交流する年としたい旨述べました。

3 地域・国際情勢

  • (1)ウクライナ情勢
     岸田総理から、カンボジアが10月に国連総会で採択された決議でも日本と共に共同提案国入りしたことを高く評価する、ロシアの核兵器による威嚇は断じて受け入れられず、ましてや、核兵器の使用は決してあってはならない、国際社会が一致して明確なメッセージを発することが不可欠である旨述べました。これに対して、フン・セン首相より、核兵器使用については明確な反対のメッセージを出す必要がある、またウクライナに関する国連総会決議の共同提案国となったところである旨述べました。また、両首脳は、ウクライナを含む第三国における地雷対策に協力していくことで一致しました。
  • (2)地域情勢
     両首脳は、北朝鮮情勢及び東シナ・南シナ海情勢についても意見交換を行いました。その中で岸田総理は、北朝鮮の核・ミサイル問題や拉致問題への対応において、カンボジアが一貫して日本国民に寄り添う立場を示していることに謝意を表明し、今後も連携していきたい旨述べました。これに対し、フン・セン首相は、日本の上空を通過するものを含め、北朝鮮による弾道ミサイル発射を非難する、拉致問題の即時解決に向けて協力していきたい旨述べました。

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