報道発表
モザンビーク共和国に対する無償資金協力2件に関する書簡の署名・交換
令和7年8月12日
8月8日(現地時間同日)、モザンビーク共和国の首都マプトにおいて、濱田圭司駐モザンビーク共和国日本国特命全権大使とマリア・マヌエラ・ドス・サントス・ルーカス・モザンビーク共和国外務協力大臣(H.E. Ms. Maria Manuela dos Santos Lucas, Minister of Foreign Affairs and Cooperation of the Republic of Mozambique)との間で、モザンビークに対する2件の無償資金協力に関する書簡の署名・交換が行われました。対象案件の概要は、それぞれ以下のとおりです。
- 無償資金協力「人材育成奨学計画」(供与限度額3.04億円)
モザンビークはLNGを始めとする天然資源に恵まれているものの、同国の中長期的な開発計画を立案するにあたり、ガバナンス分野(国家開発計画、地方分権化政策、法制度整備、行財政改革等)及び経済分野(経済財政政策、産業政策、投資促進政策等)において、行政機構上の制度構築及び個々の行政官の能力向上が課題となっています。
この協力は、モザンビーク政府中枢において、政策決定に携わることが期待される若手行政官等が、本邦大学院において学位(修士)を取得することを支援するものです。この協力により育成された人材が、同国の重点開発課題の解決に貢献すること、また、人的ネットワーク構築を通じた二国間関係の強化に寄与することが期待されます。
我が国は、2022年(令和4年)8月に開催した第8回アフリカ開発会議(TICAD 8)において、司法・行政分野の制度構築・ガバナンス強化のための4,600人の人材育成に取り組むことを表明しました。また、2023(令和5年)年11月の日・モザンビーク外相会談でも、両大臣は、若者の育成が国の未来を作る上で重要であると一致しており、本協力はこれらの表明を具体化するものです。 - 無償資金協力「経済社会開発計画」(母子保健関連機材供与)(供与額6.42億円)
モザンビーク北部カーボデルガード州では、2017年以降、反政府武装勢力グループによる襲撃事件が頻発したことにより、同州を中心に累計約103万人の国内避難民(IDPs)が発生し、その8割は女性や子どもです。また、カーボデルガード州の保健医療施設が襲撃により破壊され、機能不全になっており、出産施設外での出産を余儀なくされるなど、妊産婦や新生児・乳幼児が適切な医療にアクセスできず、十分な産前産後のケアを受けることができていないことが課題となっています。
この協力は、モザンビーク政府に対し、日本企業製品を含む母子保健関連機材(エコー、保育器等)を供与することにより、武装勢力による紛争の影響を受ける妊産婦及び新生児・乳幼児向けの医療の質を向上させ、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与するものです。
2023年(令和5年)11月の日・モザンビーク外相会談では、同年6月に改訂した開発協力大綱で打ち出したオファー型協力も活用し、カーボデルガード州の安定化及び北部地域全体の成長につながる多角的な開発を共に進めていくことの重要性を確認し、実現に向けて調整していくことで一致しました。この協力は、同会談でのやり取りを具体化するものであり、こうした協力を通じて、二国間関係の更なる強化及びカーボデルガード州の復興に貢献することが期待されます。
(参考)モザンビーク共和国基礎データ
モザンビーク共和国の面積は約79万9千平方キロメートル(日本の約2倍)、人口は約3,463万人(2024年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)は590米ドル(2024年、世界銀行)。カメルーン共和国は、面積約47万5,440平方キロメートル(日本の約1.3倍)、人口2,912万人(2024年、世界銀行)、人口1人当たり国 民総所得(GNI)は1,650米ドル(2024年、世界銀行)。