報道発表
カンボジア王国に対する無償資金協力2件 令和4年度無償資金協力「プンプレック上水道拡張計画」及び令和5年度無償資金協力「全国電子基準点網整備計画」に関する書簡の交換
令和7年3月25日
3月25日(現地時間同日)、カンボジア王国の首都プノンペンにおいて、植野篤志駐カンボジア王国日本国特命全権大使と、プラック・ソコン・カンボジア王国副首相兼外務国際協力大臣(H.E. Mr. Prak Sokhonn, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and International Cooperation of the Kingdom of Cambodia)との間で、令和4年度無償資金協力「プンプレック上水道拡張計画」及び令和5年度無償資金協力「全国電子基準点網整備計画」のための贈与の限度額の修正に関する交換公文の署名が行われました。
- 各案件の概要は以下のとおりです。
- 「プンプレック上水道拡張計画」(追加贈与)(供与額:52.11億円)
カンボジアでは、内戦後、我が国及び他ドナーの支援により、特に、首都プノンペンにおいては24時間の給水サービスを実現するなど、「プノンペンの奇跡」と称される目覚ましい成果を挙げていますが、人口及び商業施設の急増に伴い、上水道施設の安定的な供給と効率的な運営維持管理が課題となっています。本計画は、水需給がひっ迫するプノンペンにおいて、プンプレック浄水場の上水道施設を拡張することにより、給水量の増加を図り、もってプノンペンの住民の生活環境の改善を通じたカンボジアの生活の質の向上に寄与するものです。
本計画については、2022年(令和4年)11月に供与額33.61億円の無償資金の供与について署名したものの、昨今の物価高騰等の影響による資金不足を受け、今般18.50億円の追加贈与を行い、供与額を52.11億円に修正しました。 - 「全国電子基準点網整備計画」(追加贈与)(供与額:19.38億円)
カンボジアでは、測量技術の近代化の遅れに伴う登記の遅れにより、所有権をめぐる問題や不動産取引の停滞、新規の開発事業の遅延が生じるとともに、政府による土地取引税の徴収機会の損失にも繋がっており、開発用地の測量・地形図作成・土木工事等の効率的な実施が課題となっています。本計画は、カンボジア全土において、測量の迅速化や高精度な測位が可能となる電子基準点網の整備等を行うことにより、土地登記や土地取引の行政サービス強化を図り、もってカンボジアの更なるインフラ整備に寄与するものです。
本計画については、2023年(令和5年)10月に供与額13.38億円の無償資金の供与について署名したものの、昨今の物価高騰等の影響による資金不足を受け、今般6.00億円の追加贈与を行い、供与額を19.38億円に修正しました。
- 「プンプレック上水道拡張計画」(追加贈与)(供与額:52.11億円)
- 日本政府は、カンボジアの持続的発展と社会的価値の共創に向けた「3つの新たな協力アプローチ」を昨年7月に打ち出しました。上記2件の協力は、その一つである「発展段階に応じた社会基盤整備」の一環であり、水分野及びデジタル分野の開発に資するものです。
(参考)カンボジア王国基礎データ
カンボジア王国は面積18万1,035平方キロメートル(日本の約0.48倍)を有し、人口約1,694万人(2023年、世界銀行)、人口1人当たりの国民総所得(GNI)は1,810米ドル(2023年、世界銀行)。