報道発表

日中外相会談

令和7年3月22日
王毅(おう・き)外交部長と握手する岩屋外務大臣
日中外相会談の様子

 3月22日午後2時10分から約60分間(同時通訳)、岩屋毅外務大臣は、日中韓外相会議出席のため訪日中の王毅(おう・き)外交部長と日中外相会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 両外相は、国際情勢が大きく変動する中、日中両国の外相同士が対面で会い、課題や懸案の解消も含めて率直に議論することが重要であることを確認しました。また、両外相は、本年の日中関係の取り進め方について議論し、日中両首脳で確認した、「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、「建設的かつ安定的な関係」を双方の努力で構築するという大きな方向性の下、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくための歩みを確かなものとしていくことで一致しました。
     特に、岩屋大臣からは、ハイレベル往来を重ねる中で懸案を解決していく重要性を指摘し、日中関係の進展が国民の期待に応えるものになるよう、日中双方の関係当局でしっかり準備していく必要性を強調しました。
  2. 両外相は、外相会談に続いて行われる6年ぶりとなる日中ハイレベル経済対話において、両国民が利益を実感できるような経済分野の案件について議論を深めることで一致しました。岩屋大臣から、日本産水産物の輸入規制の撤廃を早期に実現するよう求めました。また、グリーン経済、少子高齢化への対応を始め、幅広い分野において互恵的な実務協力を推進していくことを確認しました。
  3. 岩屋大臣から、尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海情勢や、中国軍の活動の活発化等につき、深刻な懸念を伝え、中国側の対応を求めました。また、岩屋大臣から、与那国島南方の我が国EEZに設置されたブイの即時撤去を改めて求めました。両外相は、安全保障分野での意思疎通を深めていくために、現在調整を進めている日中安保対話を可能な限り早期に開催することで一致しました。
  4. 岩屋大臣から、台湾について、軍事情勢を含む動向を注視している旨伝えつつ、台湾海峡の平和と安定が我が国を含む国際社会にとって極めて重要である旨改めて強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促し、力又は威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みへの反対を表明しました。また、南シナ海、新疆ウイグル自治区、香港等の状況に対する深刻な懸念を改めて伝達しました。
  5. 岩屋大臣から、邦人拘束事案や「反スパイ法」の不透明性が日本人の中国への渡航や日本企業の中国でのビジネスを委縮させている点を指摘した上で、拘束されている邦人の早期釈放を求めました。また、日本人の安心・安全の確保について引き続き適切な対応を行うよう求めました。
  6. 両外相は、核・ミサイル問題及び拉致問題を含む北朝鮮への対応についても意見交換を行いました。また、両外相は、地域情勢やグローバルな課題等に関する各種当局間協議を活性化していくことで一致しました。

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