報道発表
グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長の福島県訪問(結果)



2月19日、外務省賓客として訪日中のラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長(H.E. Mr. Rafael Mariano Grossi, Director General of the International Atomic Energy Agency)は、福島県を訪問し、福島の復興に向けた我が国の取組に関し、我が国とIAEAの連携を確認・強化したところ、概要は以下のとおりです。
1 ALPS処理水の海洋放出に関する追加的モニタリング
午前9時30分頃から、グロッシー事務局長の統括の下、ALPS処理水の海洋放出に関するIAEAの枠組みの下での追加的モニタリングが実施されました。東京電力福島第一原子力発電所近傍において、韓国、スイス及び中国の分析機関並びにグロッシー事務局長自身による海水の採水が実施されました。
2 除去土壌等の中間貯蔵施設の視察
午後12時30分頃から、グロッシー事務局長は、除去土壌の中間貯蔵施設を訪問し、福島県内で除染により発生した除去土壌等が貯蔵されている施設や、除去土壌の県外最終処分に向けて処分量を減らすための再生利用方法の一つである道路盛土の実証事業の様子を視察しました。
グロッシー事務局長はこれまでの除去土壌の再生利用及び最終処分の取組や活動がIAEAの安全基準に合致しているとしたIAEA専門家会合の報告書が、現地の状況をよく踏まえたものであることを確認した旨述べました。
3 東京電力福島第一原子力発電所の訪問
午後2時頃から、グロッシー事務局長は、東京電力福島第一原子力発電所内で、小早川東京電力ホールディングス株式会社社長と会談を行いました。会談中、双方は、ALPS処理水の海洋放出がこれまで安全に行われており、国際的な安全基準に基づくレビューが今後も継続されることを確認しました。
東京電力からの東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組状況について説明があった後、グロッシー事務局長からは、ALPS処理水の放出や燃料デブリの試験的取り出し等、廃炉に向けた取組に関する情報のアップデートに感謝する旨の発言がありました。
昨年9月、我が国とIAEAとの間で、IAEAの枠組みの下で追加的モニタリングを実施することについて一致したもの。今回、昨年10月に続き、追加的モニタリングを実施。
中間貯蔵施設とは、福島県内の除染により発生した除去土壌や廃棄物について、中間貯蔵開始後30年以内の県外最終処分までの間、安全かつ集中的に管理・保管するための施設。