報道発表
第2回日・サウジアラビア外相級戦略対話の開催



2月3日、午後7時から約100分間、岩屋毅外務大臣は、訪日中のファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード・サウジアラビア王国外務大臣(H.H. Prince Faisal bin Farhan Al-Saud, Minister of Foreign Affairs, Kingdom of Saudi Arabia)との間で、第2回日・サウジアラビア外相級戦略対話(会談及びワーキング・ディナー形式)を行ったところ、概要は以下のとおりです。
本対話に際して、両大臣は、戦略的パートナーシップ協議会の設立に関する覚書及び外交又は公用若しくは特別旅券所持者に対する短期滞在査証の要件の相互免除に関する協力覚書の署名式を行いました。
冒頭
岩屋大臣から、本年は両国の外交関係樹立70周年であることに触れつつ、不安定な中東情勢が継続する中、両国で戦略的パートナーシップを更に強化し、中東地域及び国際社会の平和と安定のために一層緊密に連携していきたい旨述べました。
ファイサル大臣からは、今般、新たに立ち上げた戦略的パートナーシップ協議会の下で両国の協力関係を一層強化していきたい旨述べました。
二国間関係
岩屋大臣から、長年に亘る原油の安定供給への改めての謝意と世界の原油市場の安定化を主導するサウジアラビアの役割への引き続きの期待を伝えるとともに、2023年7月に両国首脳が一致した「ライトハウス・イニシアティブ」の下で、日本の技術を活用しつつ、クリーンエネルギーについても協力が進展していることを歓迎しました。
これに対し、ファイサル大臣は、引き続き日本への原油の安定供給にコミットする旨述べるとともに、クリーンエネルギー、重要鉱物等の分野での両国の協力が一層進展することへの期待を表明しました。
両大臣は、観光、文化、スポーツ、エンターテイメント等の分野でも一層の関係強化を後押しするために、政府として引き続き取り組んでいくことで一致しました。
地域・国際情勢
両大臣は、パレスチナ・イスラエル情勢、シリア情勢、紅海情勢を含む中東情勢及びインド太平洋情勢等について、率直な意見交換を行いました。
岩屋大臣は、国際的な安全保障環境が厳しさを増し、中東地域ではパワーバランスが大きく変化する中、中東地域の平和と安定に向けたサウジアラビアの外交的役割はますます大きくなっているとの認識を示しつつ、日本としてもサウジアラビアを始めとする関係国と協力しながら、中東地域の平和と安定のための外交努力を続けていく決意を表明しました。
これに対し、ファイサル外相は、パレスチナ問題の「二国家解決」やシリアの復興に向けたサウジアラビアの取組について説明し、これまでの日本の取組を評価しつつ、日本が一層積極的な役割を果たすことについて期待を示しました。
両大臣は、GCC等の地域的・国際的な枠組みも活用しつつ、引き続き連携を強化していくことで一致しました。