報道発表

日越協力委員会第12回会合及び日越外相会談(ワーキング・ランチ)

令和6年8月7日
ソン外務大臣と握手する上川外務大臣
日越外相会談の様子

 8月7日、午前11時00分から約90分間、上川陽子外務大臣は、訪日中のブイ・タイン・ソン・ベトナム社会主義共和国外務大臣(H.E. Mr. Bui Thanh SON, Minister of Foreign Affairs of the Socialist Republic of Viet Nam)と、関係省庁の出席も得て日越協力委員会第12回会合を共催しました。続いて、午後0時40分から約90分間、日越外相会談(ワーキング・ランチ)を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 日越協力委員会第12回会合

(1)冒頭

  1. 上川大臣から、まず、グエン・フー・チョン前書記長ご逝去に対する弔意を伝え、続いて、日本とベトナムは、昨年に外交関係樹立50周年という歴史的な節目を迎え、「包括的戦略的パートナーシップ」となった日越関係を、次の50年に向けて更に深化させるため、あらゆる分野において緊密に連携していく旨述べました。
  2. これに対しソン外務大臣は、弔意に対する謝意を述べた後、両国間では安保や経済など様々な協力が進展している、本会合を通じて、新たなパートナーシップを更に実質的なものにしていきたい旨述べました。また、ソン外務大臣から、佐渡の金山が世界遺産に登録されたことは日本がしっかりと準備をした成果であり、イメージの向上につながるものとして祝意が表明されました。

(2)経済分野に関する協力

  1. 上川大臣から、サプライチェーンの強靭化、高度人材育成、投資環境の整備等の両国共通の課題について、本年3月に開始された「新たな日越共同イニシアティブ」の活動に言及しつつ、昨年12月の日越首脳会談で発出されたファクトシートにおいて、具体的な14のプロジェクトを特定し、共に取り組むためのワーキング・グループを早期に立ち上げたい旨述べました。また、民間企業を含めた人材育成とイノベーションを通じて、両国が持続可能な経済発展を進めることができる共創分野を模索していくことの重要性を述べました。
  2. ソン外務大臣は、日本のこれまでの支援への謝意を述べると共に、特定された14のプロジェクトの実施を両国が協力して早期に実施していきたい旨述べました。また、それ以外の分野についても、民間を含め両国が様々な形で共に発展することの重要性が述べられ、インフラ協力、投資促進、AZEC、GX、DX等、様々な分野で協力を強化したい旨述べました。

(3)人材育成、地方間交流

  1. 上川大臣から、本年6月に公布された「育成就労制度」に言及しつつ、双方は、人材育成研修や日越大学等を通じて、引き続き両国間の人的交流を促進していくことを確認しました。
  2. 双方は、両国の地方間交流を一層推進していくことで一致しました。

 協力委員会後、双方は共同プレスリリースを発出しました。

2 日越外相会談

錦鯉に餌やりをする両外相の様子
バルコニーでの両外相の様子
  1. 双方は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のために連携していくこと、また、海における法の支配の重要性につき確認し、両国は安全保障分野における協力を更に深めていくことで一致しました。
  2. 上川大臣から、日・ASEAN関係について、昨年12月の特別首脳会議において共同で打ち出したビジョンに沿った具体的協力を強化していく旨言及し、本年10月のASEAN関連首脳会議に向けて、ベトナムと緊密に連携していきたいと述べました。また、双方は、悪化の一途を辿るミャンマー情勢は重要な課題であることを確認しました。
  3. 双方は、本年7月の日・メコン外相会議において採択された「日メコン協力戦略2024」に言及しつつ、日・メコン協力のさらなる推進のため両国が緊密に連携していくことで一致しました。
  4. 双方は、東シナ海、南シナ海、拉致問題を含む北朝鮮問題ロシアのウクライナ侵略、中東情勢等の地域・国際情勢につき意見交換を行いました。
  5. 双方は、「包括的戦略的パートナーシップ」のさらなる発展に向けて、引き続き連携していくことを確認しました。
(参考1)日越協力委員会

 2006年(平成18年)11月の首脳間合意により、両国間の互恵的協力関係全体についての方向性を議論する場として設置された。原則として年1回定期的に、日本とベトナムで交互に開催。両国外相が共同議長となり関係省庁の幹部が同席し、経済、経済協力、人的・文化交流、農業、エネルギー等幅広い分野における議論を行っている。

  • 第1回 2007年 5月  麻生外務大臣及びキエム副首相兼外務大臣(於:東京)
  • 第2回 2008年 7月  高村外務大臣及びキエム副首相兼外務大臣(於:ハノイ)
  • 第3回 2010年 1月  岡田外務大臣及びキエム副首相兼外務大臣(於:東京)
  • 第4回 2012年 7月  玄葉外務大臣及びミン外務大臣 (於:ハノイ)
  • 第5回 2013年 9月  岸田外務大臣及びミン副首相兼外務大臣 (於:東京)
  • 第6回 2014年 8月  岸田外務大臣及びミン副首相兼外務大臣 (於:ハノイ)
  • 第7回 2015年 7月  岸田外務大臣及びミン副首相兼外務大臣 (於:東京)
  • 第8回 2016年 5月  岸田外務大臣及びミン副首相兼外務大臣 (於:ハノイ)
  • 第9回 2017年 5月  岸田外務大臣及びミン副首相兼外務大臣 (於:東京)
  • 第10回 2018年 9月  河野外務大臣及びミン副首相兼外務大臣 (於:ハノイ)
  • 第11回 2019年 5月  河野外務大臣及びミン副首相兼外務大臣 (於:東京)

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