報道発表
第5回日本・アラブ経済フォーラムの開催



7月10日から11日の2日間、東京において、我が国(外務省、経済産業省)及びアラブ連盟共催の下、第5回日本・アラブ経済フォーラムが開催され、日本側から上川陽子外務大臣、辻󠄀清人外務副大臣、齋藤健経済産業大臣、上月良祐経済産業副大臣が、アラブ側からアフマド・アブルゲイト・アラブ連盟事務総長(H.E. Mr. Ahmed Aboul Gheit, Secretary General of the League of Arab States)ほか、各国の経済関係閣僚等が出席したところ、概要は以下のとおりです。
1 概要
(1)10日の官民経済カンファレンスでは、齋藤経済産業大臣、サーレハ・ハラーブシェ・ヨルダン・エネルギー・鉱物資源大臣(アラブ連盟経済社会理事国議長)、アリー・アラブ連盟事務総長補、宮田日本経済団体連合会中東地域委員会委員長及びハナフィ・アラブ商工会議所事務局長が挨拶を述べました。続いて、アブルゲイト・アラブ連盟事務総長による基調講演が行われ、今後の日本とアラブ諸国のパートナーシップ向上への期待を述べました。
(2)さらに、官民経済カンファレンスでは、3つのセッションのそれぞれのテーマの下、(ア)セッション1では、「相互投資の拡大」をテーマに、経済関係の多様化・イノベーション協力による相互投資の拡大、(イ)セッション2では「気候変動の対処」として、グリーン製品・廃棄物管理など気候変動への対応、(ウ)セッション3では、「新技術(通信技術・AI)」、「サプライチェーン・レジリエンス」をテーマに、幅広い分野について官民登壇者による議論が行われ、日本とアラブ諸国の経済連携の拡大に向けた多くの示唆を得ました。
(3)11日の閣僚会合では、冒頭、上川外務大臣、齋藤経済産業大臣、アブルゲイト・アラブ連盟事務総長、サーレハ・ハラーブシェ・ヨルダン・エネルギー・鉱物資源大臣(アラブ連盟経済社会理事国議長)が挨拶を述べました。上川大臣は、日本とアラブ諸国との間でシナジーを生み出し、共に繁栄に向けて歩みを進めていくことが日本・アラブ経済フォーラムのコンセプトであり、本日の閣僚会合では日本・アラブ間の「強靱な経済発展」及び「持続可能な経済発展」を議題として、日本とアラブ諸国との新たな経済・ビジネス協力の方向性について議論を深めたいと考えている旨述べました。
(4)さらに、閣僚会合では、(ア)アジェンダ1「日本・アラブ間の強靱な経済発展」において、需給双方のためのエネルギー安全保障、デジタル・インフラ、AI・メタバースを含む新興技術によるイノベーション等、(イ)アジェンダ2「日本・アラブ間の持続可能な経済発展」において、ネットゼロ達成に向けたクリーンエネルギー技術、SDGsへの取組、エネルギーやデジタルにおける人材育成等といった幅広い分野について意見交換が行われました。
(5)11日の閉会セッション後、共同プレスリリースが発出され、日本とアラブ諸国との間の今後の経済協力の方向性を示すとともに、2026年(令和8年)に、いずれかのアラブ諸国において第6回フォーラムを開催することが合意されました。
2 評価
(1)フォーラム内外において、官民双方による活発な交流が行われ、貿易・投資・エネルギー・技術・人材育成といった分野で、アラブ諸国との経済関係を強化していくための今後の方針について意見交換がなされたほか、官民のアラブ関係者の多層的なネットワークを構築することができました。
(2)SDGsの達成、気候変動対策や技術進歩への対応など、多くの課題への取組が求められる中、強靱で持続可能な経済発展を実現するための日本とアラブ諸国との協力の今後の方向性について議論し、我が国がこれらの新たな課題に共に取り組み、また、それを更なるビジネス機会に繋げるためのアラブ諸国にとっての信頼に足る有望なパートナーであることを発信する機会となりました。
(3)また、2025年(令和7年)に開催予定の大阪・関西万博に向け、アラブ諸国、グローバルサウスを含めた世界へ我が国の取組を発信する機会となりました。;
日本・アラブ双方の政府及び経済界から多数かつハイレベルの参加を得て、エネルギー、環境、科学技術、貿易、投資等の幅広い分野での協力を通じた日本とアラブ諸国との相互の経済関係の強化を目的とするもの。第1回フォーラムは2009(平成21年)年12月に東京で、第2回は2010年(平成22年)12月にチュニス(チュニジア)で、第3回は2013年(平成25年)12月に東京で、第4回は2016年(平成28年)5月にカサブランカ(モロッコ)にて開催。
- 7月10日 官民経済カンファレンス
セッション1:相互投資の拡大
セッション2:気候変動への対処
セッション3:新技術(通信技術、AI)、サプライチェーン・レジリエンス - 7月11日 閣僚会合
アジェンダ1:日本・アラブ間の強靱な経済発展
アジェンダ2:日本・アラブ間の持続可能な経済発展
(日本側)
上川陽子外務大臣(共同議長)、辻󠄀清人外務副大臣(閣僚会合セッション2モデレーター兼日本政府代表発言)、齋藤健経済産業大臣(共同議長)、上月良祐経済産業副大臣(閣僚会合セッション1日本政府代表発言)
(アラブ側)
- アラブ連盟
アフマド・アブルゲイト・アラブ連盟事務総長 - ヨルダン
サーレハ・ハラーブシェ・エネルギー・鉱物資源大臣(共同議長) - ジブチ
ヨニス・アリ・ゲディ・エネルギー大臣(天然資源担当) - スーダン
ジブリール・イブラヒーム・ムハンマド経済計画大臣 - モーリタニア
モクタール・ラム漁業海洋経済大臣及びヤヒヤ・ウルド・アフメド・エル・ワーキフ水産通産公社総裁(元首相) - クウェート
マフムード・ブーシャハリー電力・水・再生可能エネルギー相兼住宅問題担当国務相 - サウジアラビア
アルバラー・アル=イスカンダラーニ経済計画副大臣 - アルジェリア
ラシッド・ハシシ国営炭化水素公社(ソナトラック)総裁 - バーレーン
ハマッド・アルハリーファ商工次官補
以上10名を含む、計19か国及び1機関の代表が出席。