報道発表
上川外務大臣の経済同友会との懇談会
令和6年5月29日


5月29日、上川陽子外務大臣は、経済同友会との間で懇談会を行ったところ、冒頭挨拶の概要は以下のとおりです。
- 上川大臣は、今年1月の国会における外交演説で「新しい経済外交のフロンティア」を切り拓いていくと表明したとおり、強くしなやかな経済力を基礎に、官民連携を重視し、あらゆるステークホルダーを巻き込みながら、経済外交を進めてきたと述べました。
そして、新たな時代に対応した官民連携の一環として、「経済外交強化のための『共創プラットフォーム』」を通じ、日本がこれまで築き上げてきたネットワークを最大限活用しつつ、第三国とも力を合わせることで、グローバル・サウスの各国・地域におけるサステイナブルな課題解決と、現地で果敢に事業展開を進めている日本企業を力強くサポートし、グローバル・サウスの活力を日本の成長に取り込んでいきたい旨述べました。 - 続いて、上川大臣は、「共創プラットフォーム」における取組の一つとして、日本企業関係者から聴取した課題を踏まえ、租税条約や投資協定の積極的な締結も進めながら、付加価値税の還付等、ビジネス環境改善の要請や、公正な投資環境の実現に向けた取組を強化していく旨を述べました。また、経済広域担当官について、これまでに、企業のアフリカ進出を対象に、インド、トルコ、UAE等、パートナー国との第三国市場連携も念頭に置きつつ、6か国・7公館に計21名の経済広域担当官を指名した旨を紹介し、今後対象地域を順次拡大し、年内にはグローバル・サウスを包括的にカバーする体制を構築したい旨述べました。
- さらに、上川大臣は、ODAを通じた官民連携も新たな時代に対応させるとの文脈で、「オファー型協力」を通じた途上国の質の高い成長の実現と、国際社会の複合的な危機の克服が、日本自身の経済成長にも相乗効果をもたらし、海外との間にプラスの循環を創出する旨述べるとともに、「開発のための新しい資金動員に関する有識者会議」における議論を踏まえ、多様なステークホルダーとの連携を強化するため、抜本的な制度の見直しを進めていく旨を述べました。加えて、地方にある元気な老舗やスタートアップを含む中小企業が持つ我が国の優れた技術を活用し、相手国の企業とも連携しながら社会課題解決にも資する事業を推進していくことにより、地方と海外の経済に強固なプラスの循環をもたらしたいと述べました。
- 冒頭挨拶の後、上川大臣は、出席した経済同友会幹部との間で、活発な意見交換を行いました。意見交換では、上川大臣の発言を踏まえ、最近の国際情勢、サステナビリティ、海洋・海運、日系コミュニティとの連携等多岐に亘るテーマにつき、経済同友会幹部の側から具体的な論点が提示され、日本の経済外交における地域的戦略と経済界のニーズを連動させる上で有益な議論が行われました。