報道発表
日・ミクロネシア外相会談及びワーキング・ランチ
令和5年12月21日
12月21日、午前11時5分から約90分間、上川陽子外務大臣は、ローリン・S・ロバート・ミクロネシア連邦外務大臣(Hon. Lorin S. Robert, Secretary of the Department of Foreign Affairs of the Federated States of Micronesia)と日・ミクロネシア外相会談及びワーキング・ランチを行ったところ、概要は以下のとおりです。なお、両外相は、外相会談に先立ち、インフラ整備機材の供与(無償資金協力「経済社会開発計画」)に関する書簡の署名式を行いました。
- 冒頭、上川大臣から、日本とミクロネシア連邦は、約150年続く「キズナ」を有する友人同士であるとともに、共通の利益と価値を共有する重要なパートナーであり、両国の関係を一層強化していきたい旨述べました。これに対し、ロバート外相から、「キズナ」で結ばれ、自身が1985年の駐日ミクロネシア連邦事務所の開設に関わって以来の関係を有する日本を第二の故郷と考えており、外務省賓客として招待をいただき、改めて今回訪日できたことを大変嬉しく思うとともに、二国間関係を更に強化していきたい旨述べました。
- 上川大臣から、日本は、二国間の取組や太平洋・島サミット(PALM)プロセス等を通じて、ミクロネシア連邦の持続可能で強靱な発展を支えている旨述べるとともに、具体的な協力について述べました。これに対し、ロバート外相から、ミクロネシア連邦に寄り添った日本の長年の協力に対する深い謝意が述べられました。
- 上川大臣から、日本は、太平洋諸島フォーラム(PIF)の「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」及び安全保障・治安分野について、地域で対処する「Family First」のアプローチを強く支持する旨述べるとともに、来年開催予定の第10回太平洋・島サミット(PALM10)では、同戦略と軌を一つにした成果を追求し、議論したい旨述べました。両外相は、来年のPALM10に向けて、緊密に連携していくことで一致しました。
- ALPS処理水について、上川大臣から、ミクロネシア連邦からの理解と信頼に謝意を述べました。また、上川大臣から、IAEAの継続的な関与の下でのモニタリングを通じ、放出が計画どおり安全に行われていることが確認されていること、自身も先日、東電福島第一原子力発電所を視察し、安全性確保のための様々な取組を確認したことを説明の上、今後も高い透明性をもって情報共有を行っていく旨述べました。これに対し、ロバート外相から、安全性確保に向けた日本の取組に対する信頼が改めて表明されました。
- 上川大臣から、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」実現に向けて、両国で緊密に協力したい旨述べ、ロバート外相から理解と支持を得ました。
- 両外相は、東アジア情勢を含む地域情勢についても意見交換を行い、東シナ海・南シナ海情勢への懸念を共有しました。また、両外相は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き連携していくことを確認しました。
- 両外相は、安保理改革の具体的進展のために連携していくことで一致しました。