報道発表
ユネスコ「世界の記憶」(2024-2025登録サイクル)への登録申請案件の決定
令和5年11月28日
11月28日、ユネスコ「世界の記憶」関係省庁連絡会議が開催され、我が国から、ユネスコ「世界の記憶」における国際登録 (2024-2025登録サイクル)に、「増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書」と「広島原爆の視覚的資料-1945年の写真と映像」を推薦することを決定しました。
なお、ユネスコへの推薦案件の審査にあたっては、文部科学省国際統括官の下に置かれた「世界の記憶」国内案件に関する審査委員会において、専門的・技術的観点から、申請のあった案件について調査審議されました。
今回の決定を受け、本年11月末までにユネスコに申請書の提出を行い、その後、記録保存等の専門家による審査等を経て、2025年のユネスコ執行委員会において登録の可否が審議される予定です。
[参考1]登録申請案件
- 「増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書」(申請者:浄土宗、大本山増上寺)
15世紀以前の中国において制作され、日本に伝来した三種の木版印刷の大蔵経(注)。現代の仏教研究の基礎を為すという文化史上はもとより、漢字文化、印刷文化の観点からも非常に貴重な史料。17世紀初頭に徳川家康が日本全国から収集し、浄土宗の大本山である増上寺に寄進した。全て国指定重要文化財。
(注)「大蔵経」…5,000巻を超える仏教聖典の叢書。 - 「広島原爆の視覚的資料-1945年の写真と映像」(申請者:中国新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、中国放送、日本放送協会、広島市)
第二次世界大戦末期の1945年8月6日に広島に原子爆弾が投下されてから同年12月末の間に、被災した市民や報道カメラマンによって撮影された写真と映像。
[参考2]
- ユネスコ「世界の記憶」について
世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進することを目的に、ユネスコが1992年に開始した事業の総称。本事業を代表するものとして、人類史において特に重要な記録物を国際的に登録する制度が1995年より実施されている。
登録にかかる審査は2年に1回で1か国からの申請は2件以内とされている。 - 登録状況
現時点で494件が国際登録、65件が地域登録されている。日本からは国際登録に8件、地域登録に1件が登録されている。