報道発表

トンガ王国に対する無償資金協力「IC旅券の導入による国境管理能力向上計画(IOM連携)」に関する書簡の署名・交換

令和7年9月25日
握手をする稲垣駐トンガ大使とソロモン・カンタ国際移住機関フィジー事務所代表兼南太平洋地域調整官
記念写真(左から)ソロモン・カンタ国際移住機関フィジー事務所代表、トゥポウトア・ウルカララ・トンガ皇太子殿下、稲垣大使

 9月25日(現地時間同日)、トンガ王国の首都ヌクアロファにおいて、稲垣久生駐トンガ王国日本国特命全権大使とソロモン・カンタ国際移住機関フィジー事務所代表兼南太平洋地域調整官(Mr. Solomon KANTHA, Chief of Mission and Subregional Coordinator for the South Pacific, International Organization for Migration, Fiji Country Office with Coordinating Functions)との間で、供与額8.82億円の無償資金協力「eMRP(電磁的方法により記録された機械読取式旅券)の導入による国境管理能力向上計画(IOM連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました。

  1. 本計画は、トンガ政府に対し、出入国管理関連法制度の改定や身分証明管理体制強化のための人材育成、適切なIC旅券発行機材の設置等の支援を行うことで、電子旅券の導入のための環境整備を図り、もって同国の安全保障上の課題である国境管理能力の強化に寄与するものです。
  2. 我が国は、昨年7月18日に開催した第10回太平洋・島サミットの機会に発表した首脳宣言及び共同行動計画において、「平和と安全保障」及び「技術と連結性」分野を支援の柱として表明しており、本件協力は同計画を具体化するものです。

(参考1)eMRP(電磁的方法により記録された機械読取式旅券)

 IC旅券を指す。

(参考2)トンガ王国基礎データ

 トンガ王国は、面積720平方キロメートル、人口10万4,175人(2024年、世界銀行)、1人当たりの国民総所得(GNI)は5,520米ドル(2024年、世界銀行)。

(参考3)第10回太平洋・島サミット

 2024年7月16日~18日、岸田総理大臣(当時)とブラウン・クック諸島首相の共同議長の下、第10回太平洋・島サミット(PALM10)が開催され、日本、太平洋島嶼国14か国、仏領2地域、豪州、ニュージーランド計19か国・地域の首脳等及び太平洋諸島フォーラム(PIF)事務局長が参加した。トンガ王国からは、フアカヴァメイリク首相(当時)が参加した。
 我が国は、PALM10において、太平洋諸島フォーラム(PIF)の「2050年戦略」に定められる7分野に沿い、(1)政治的リーダーシップと地域主義、(2)人を中心に据えた開発、(3)平和と安全保障、(4)資源と経済開発、(5)気候変動と災害、(6)海洋と環境、(7)技術と連結性の7つの分野を重点分野として、今後3年間にしっかりとした開発協力と6,500人以上の人的交流・人材育成を実施する旨表明した。

(参考4)「2050年戦略」(「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」)

 太平洋島嶼国が、将来に向けた共通の戦略として2022年(令和4年)に策定。7項目から成り、太平洋島嶼国の関心事項や問題意識が集約。


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