報道発表
クック諸島に対する貨客船供与(無償資金協力「経済社会開発計画」)に関する書簡の署名・交換
9月30日(現地時間同日)、ニュージーランドのオークランドにおいて、伊藤康一駐クック諸島日本国特命全権大使(ニュージーランドにて兼轄)と、ティンギカ・エリカナ・クック諸島外務・移民副大臣(Hon Tingika Elikana, Associate Minister of Foreign Affairs and Immigration of the Cook Islands)との間で、貨客船供与のための無償資金協力(「経済社会開発計画」(限度額5.20億円))に関する書簡の署名・交換が行われました。
- クック諸島は、国土が広大な海域にまたがる15の島々で構成されており、首都のあるラロトンガ島から一番遠い島までは約1,300kmの距離があります。定期航路で使用されている2隻の貨客船はいずれも老朽化が著しいため故障も多く、離島に住んでいる国民の移動及び生活物資調達を担う海上輸送が不安定かつ困難な状態のため、日常生活が常にリスクにさらされています。
- この協力は、クック諸島に対し、日本企業製品である中古貨客船(搭載機材及び整備費含む。)を供与することにより、小島嶼国である同国にとって最重要である離島へのライフラインの確保及び物流の促進・改善を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に貢献します。
- 我が国は、2021年7月に開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「持続可能で強靱な経済発展の基盤強化」を今後3年間の重点分野の1つとして表明しており、本件協力は、同表明を具現化するものです。
面積約237平方キロメートル(大阪市とほぼ同じ)。ニュージーランドの北東約3,000キロメートル、フィジーとタヒチの間に位置し、15の島々より成る。人口約18,600人(2021年、アジア開発銀行)。
2021年7月2日、テレビ会議方式により、菅義偉内閣総理大臣(当時)とカウセア・ナタノ・ツバル首相(Hon. Kausea NATANO, Prime Minister of Tuvalu)の共同議長の下、第9回太平洋・島サミット(The Ninth Pacific Islands Leaders Meeting: PALM9)が開催され、日本、島嶼14か国(ツバル、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、バヌアツ)、豪州、ニュージーランドに加え、ニューカレドニア及び仏領ポリネシアの2地域を含む19か国・地域の首脳等が参加した。クック諸島からは、ブラウン首相が参加した。
我が国は、PALM9において、「太平洋のキズナ政策」の下、(1)新型コロナへの対応と回復、(2)法の支配に基づく持続可能な海洋、(3)気候変動・防災、(4)持続可能で強靱な経済発展の基盤強化、(5)人的交流・人材育成の5つを重点分野とし、今後3年間に、しっかりとした開発協力の継続と5,500人以上の人材交流・人材育成を実施することを表明した。