報道発表
イラン・イスラム共和国に対する無償資金協力に関する交換公文の署名
令和3年2月17日
2月17日(現地時間同日)、イラン・イスラム共和国において、我が方、相川一俊駐イラン・イスラム共和国日本国特命全権大使と、先方クラウディオ・プロヴィダス国際連合開発計画イラン事務所代表(Mr. Claudio Providas, UNDP Resident Representative in the Islamic Republic of Iran)、及びマリヤム・ジャバンシャハラキ国際連合工業開発機関イラン事務所代表(Ms. Maryam Javan Shahraki, UNIDO Country Representative, Country Office in the Islamic Republic of Iran)との間で、無償資金協力2件(「オルミエ湖その他湿原における環境管理及び持続可能な生計促進計画(UNDP連携)」及び「チャーバハールにおける包括的で持続可能なキハダマグロ・バリューチェーン構築推進計画(UNIDO連携)」、合計6億7,600万円)に関する交換公文の署名が行われました。対象案件の概要は以下のとおりです。
- 無償資金協力「オルミエ湖その他湿原における環境管理及び持続可能な生計促進計画(UNDP連携)」【供与限度額3億1,300万円】
イランのオルミエ湖は、ラムサール条約登録地ですが、農業用水取水量の増大の影響等によって湖面積が縮小し、貴重な生態系の損失や砂塵・塩害も発生しており、オルミエ湖流域の住民自身が関係当局と連携し主体的に管理する体制を構築することが課題となっています。
本計画は、イランのオルミエ湖及びその他2湿原において、水資源に依存しない生計手段の導入・創出を支援し、地域コミュニティによる湿地管理を促進することで、無秩序な農村開発による水資源の消費抑制及び流域住民の生活向上を図り、もってイランの持続可能な開発に寄与するものです。 - 無償資金協力「チャーバハールにおける包括的で持続可能なキハダマグロ・バリューチェーン構築推進計画(UNIDO連携)」【供与限度額3億6,300万円】
シスタン・バルチスタン州は、イラン国内でも最も開発が遅れた貧困地域であり、同州の港湾都市であるチャーバハールでは、有望な市場に製品を売り出すための加工技術や原料の安定供給等の産業基盤が整備されていないことが原因で付加価値を生み出せず、経済状況が改善しない点が課題となっています。
本計画は、チャーバハールにおいて、イラン政府による環境や水産資源の管理体制構築を支援し持続可能な水産業を整備するとともに、水産業の付加価値向上による地域経済の発展を図り、もってイランの経済・社会基盤の強化に寄与するものです。
(参考)イラン・イスラム共和国基礎データ
イランの面積は約164万8,000平方キロメートル(日本の約4.4倍)、人口は約8,280万人(世界銀行、2019年)。