報道発表

人間の安全保障基金を通じたエクアドルでの事業に対する支援

平成25年7月23日
  1.  今般,国際連合から我が国に対し,エクアドルで実施される「エクアドルの北部境界地帯における人間の安全保障アプローチによる平和と開発のための地域の能力強化」事業に対して,国連人間の安全保障基金から約210万ドル(約1億7200万円)の支援を行うことが決定された旨通報がありました。本基金は,人間の安全保障の推進を目的として,1999年に我が国が主導して国連に設置されたものです。
  2.  この事業は,国連開発計画(UNDP),国連児童基金(UNICEF),国連教育科学文化機関 (UNESCO), 国連人口基金(UNFPA),国連世界食糧計画(WFP)及び 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が,エクアドルの北部境界地帯における居住者の個人,経済,コミュニティ,政治及び健康・教育という多様な安全を改善することにより,平和と開発を強化することを目的として実施するものです。主な内容は以下のとおりです。

    (1)非合法武装勢力による若年層の人身取引及び強制連行の防止に向けた地方の能力強化及び生計向上。
    (2)北部境界地帯であるスクンビオスとエスメラルダスにおける社会の統合と紛争の平和的な解決に向けた地方の能力改善。
    (3)北部境界地帯の最脆弱層による健康・教育サービスへのアクセスの向上。

  3.  この事業への支援が実施されることにより,暴力の犠牲者,若年層,女性,難民及び小規模農家など,エクアドルの脆弱層における人間の安全保障の推進が期待されます。

(参考1)人間の安全保障基金
 人間の安全保障の実践のため,我が国のイニシアティブにより1999年に国連に設置された信託基金。人間の安全保障基金に対し,我が国は現在までに総額約421億円(約3億8,008万ドル)を拠出している。これまでも,この基金を通じ人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の約210のプロジェクトを支援してきている。

(参考2)人間の安全保障に関する国連総会決議
 2012年9月10日,第66回国連総会において,我が国の主導により「人間の安全保障の共通理解」に関する国連総会決議が採択された。
 本決議は,国連加盟国間の長年にわたる議論を経て醸成された人間の安全保障に関する共通理解を確認するものであり,人間の安全保障の議論における大きな前進が諮られた。また,本決議には人間の安全保障基金のこれまでの貢献を認識し,加盟国に同基金への自発的な拠出の検討を要請するパラグラフも含まれている。


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