報道発表
WTO紛争解決『カナダ-再生可能エネルギー発電分野に関する措置』 上級委員会報告書の採択
平成25年5月24日
- 本24日(スイス時間同日),世界貿易機関(WTO)紛争解決手続に基づいて,我が国及びヨーロッパ連合(EU)がカナダに対して申立てを行っていた紛争案件『カナダ-再生可能エネルギー発電分野に関する措置』に関して,WTO紛争解決機関は,我が国の主張を認め,カナダの措置のWTO協定非整合性を認定する上級委員会報告書及びパネル報告書を採択し,協定非整合とされた措置の是正をカナダに勧告しました。
- 今回の報告書の採択を受け,WTO協定に整合しないと認定された措置をカナダが誠実かつ速やかに是正することが期待されます。
(参考)
本件は,カナダ・オンタリオ州が2009年に導入した,風力・太陽光発電による電力の長期固定価格買取制度(FITプログラム)の適用条件として,同州内で一定割合以上の付加価値(組立てや原材料の調達等)を与えられた発電設備を使用することが求められている点(ローカルコンテント要求)について,日本及びEUがWTO紛争解決手続に申立てている案件。2011年7月にパネルが設置され,2012年12月にパネル報告書が発出・公表された。2013年2月にカナダ,我が国,EUが上訴を行い,同年3月に上級委員会会合が開催され,同年5月6日に上級委員会報告書が発出・公表された。